menu
VARIVAS Labo VARIVASスタッフ

「ライン」を使い分けてバス釣りをワンランクステップアップ!

ブラックバスが日本にやってきてもうすぐ100年
日本古来から続く他の釣り物に負けず劣らずな研究、発展が続いているのは、
ひとえにバス釣りがあまりにも魅力的であるからに他ならないだろう。
バス釣りは「ブラックバス」という単一の魚種を狙うルアーフィッシングだが、その幅は非常に広い。
例えば、小指ほどもない小さなソフトベイトからビール瓶のように巨大なハードルアーまで使うのに、
狙っている魚は同じ「ブラックバス」なのだ。

そんなバス釣りならではの奥深さを象徴する事例として、ラインの使い分けがある。
バス釣りは、「ナイロンライン」、「フロロカーボンライン」、そして「PEライン」を使い分けるのだ。
もちろんそれは絶対にそうすべき、ということではないし、上記の3つのうち、どれか一つでも十分成立するだろう。
それでも奥が深いバス釣りだからこそ、道具の得手不得手を理解して意図的に使い分けることは、バス釣りをもっともっと面白くし、さらには初心者から中級者へ、中級者から上級者へとステップアップしていくことに繋がっていくのだ。

それではそれぞれのラインにはどんな特性があり、どう使うべきなのか?
バリバスのフィールドスタッフである千田隆喜さんに解説をお願いしよう。

バス釣りのド定番「フロロカーボンライン」

千田


元々はフロロカーボンラインって、磯釣りの人がハリスに使っていた糸なんですよね。
つまり岩礁帯にこすれても切れにくいことが重視されていたわけです。

それがバス釣りにはどのように関わってくるのだろうか?

千田


バス釣りは、なにせストラクチャーまわりを釣りますからね。ラインがなにかにこすれることは日常茶飯事。根ズレは友達です(笑)

バス釣りはストラクチャーフィッシングとも称されるように、立ち木や岩、橋脚など、とにかく何かのものに向かってキャストを繰り返す釣り。だからこそ、磯釣りから生まれたフロロカーボンラインが有効になってくる場面が多いのだ。

千田


根ズレに強いというのはつまり表面が固いからなんですが、そのおかげでルアーの操作性にも優れていますね。
それから他のタイプのラインに比べて重いので、風が吹いている状況でも釣りがしやすいです。そして感度もいいので、魚からの反応がわかりやすいのはもちろん、水中の様子もわかりやすいです。

汎用性も高く、多くのルアーで使うという。

千田


バス釣りのシチュエーションを考えると、基本的にはフロロカーボンを使う場面は多いですね。
スピニングタックルならラインの重さを活かしてボトム付近を狙うほとんどの釣り、ベイトなら特別な理由が無い限りはほとんどフロロを使っています

まだまだ強い!「ナイロンライン」

千田


続いてナイロンラインです。フロロカーボンが一般的になる前はベースとなるラインでしたね。

かつてほどの活躍は見せないものの、ナイロンならではの特性は、使い分けによって大いに活かされる。

千田


ナイロンの特性を一言で言えば、軽さと伸び
トップウォータープラグ、特にポーズを織り交ぜるポッパーなんかで重いラインを使ってしまうと、明らかにアクションが変わってきます。それからクランクベイトもナイロンラインで使うメリットがあって、潜行角度をゆるくできるんですよ。だからより浅い場所を、根掛かりのリスクを抑えて攻めることができるんです。

伸びの良さはフロロカーボン、PEと比べても際立つ個性だ。

千田


そしてクッション性です。魚が掛かった時の急な負荷をラインが伸びることで吸収してくれますし、ファイトの際にも魚の暴れを抑制してくれるんです。
だから掛けた後のバラシにくさは随一だと思いますよ。
それからナイロンラインは非常にしなやかだけどコシがあるので、スプールに巻いていてもクセがつきにくいし、それでいてキャスト時にラインが放出されすぎるということもなく、とにかく使いやすい!トラブルレスなのもナイロンラインの魅力なんですよ。

バス釣りでも「PEライン」が浸透中!

千田


近年使っている人がどんどん増えているのがPEラインですね。

ソルトルアーフィッシングではすっかり浸透した「PEライン」。バス釣りでも使いやすいラインが出てきていることが使用者を増やしている一因といえるだろう。
PEラインは他のラインとは異なり、細いラインが撚り込まれた組糸だ。

千田


同じ太さにすると、ナイロンやフロロカーボンよりも直線強度が断然強いのがPEラインの特徴
つまり同じ強さでも細いラインを選択できるのが強みですよね。また、細いうえに材質的に軽いので、圧倒的な遠投力も持ち合わせています。

そして感度の良さはフロロカーボン、ナイロンを凌ぐ。

千田


伸びが少ないので感度は抜群です。またそのおかげでルアーアクションもリニアに伝わり、フッキングパワーも無駄なく伝達されます。

その特性は、とくにスピニングタックルで際立ってくる。

千田


細いままで強いラインを選べるのがPEライン。フロロカーボンだと、太くて強いラインはとてもスピニングでは使いきれませんからね。
小型のミノーやi字系サイト全般、それからパワーフィネスなど、いろいろな釣りで役立っています。

ただし、PEラインはひと手間かける必要がある。

千田


あまりにも伸びがないので急な衝撃が苦手なのと、根ズレに弱いんですよね。だから先端にショックリーダーと呼ばれる別のラインを結びつけて使うんです。
その部分が、クッションや根ズレ対策の役割をはたすわけです。ショックリーダーはフロロカーボンが一般的。自分は1m程をFGノットで結束しています。

苦手なことを避けて使い分けるべし!

千田


ここまでフロロカーボン、ナイロン、PEのメリットを中心にお話させていただきました。それではこれらをどう使い分けるのか?という話です。

そこは適材適所。
苦手な分野を避け、その特性を得意な釣りに活かすのだ。

千田


細くて強いし感度もいいPEラインはなんでもできそうですが、やはり伸びの無さや根ズレに対する弱さはリーダーを結んでも心許ない場面は多いですよね。
ハードなカバーをガンガン撃ちたいならフロロカーボンがやっぱり安心ですよね。

そんなフロロカーボンも、重さや硬さが欠点となってしまうことがある。

千田


移動距離を抑えて障害物周りでポッパーを使いたい。
そんな場面であれば、ナイロンラインの持つ特性は大きな武器となるでしょう。また、例えばビギナーであれば、とにかくトラブルレスなナイロンを選ぶことで釣りをする時間を稼げて、釣果にもつながるはずです。

でもナイロンは伸びが…。

千田


小さな虫ルアーやi字系などを使っていて、ラインを沈めさせたくないけど、繊細なシェイクや思い通りのアクションでバスを誘いたい。そんな要望を満たしてくれるのがPEラインなわけです。ボトムを狙いたいならフロロもOK!

ラインの得手不得手を意識すれば、決して使い分けることは難しくないのだ。

ラインの特性を十分に発揮させるために…

最後に、ラインを効果的に使うために大切なことを千田さんから教わろう。

千田


ラインの寿命はタイプによって違ってきますね。例えばフロロカーボンは比較的長く使えますが、バックラッシュのせいでキンク(折れ曲がり)ができたらそこが切れやすくなってしまうので、そこまでのラインを切って使ったほうがいいですね。
全体的には使っているとだんだん白濁してくると思うので、そうなったら巻き替えたほうがいいかもしれません。それからあまりにも巻き癖が強くついてしまい、ラインがクルクルになっているのも替え時です。

千田さんが日々の取り扱いにも注意を払うのがナイロンラインだ。

千田


材質の特性上紫外線で劣化しやすかったりもするので、例えばボートデッキに長時間置く際にはリールを下に向けて、直射日光がなるべく当たらないように気を遣ったりはしますね。また、吸水しやすくフロロカーボン・PEに比べると劣化しやすいラインなので、こまめに巻き直すのがおすすめです。
比較的価格も手に取りやすいので、巻き替え頻度の割に負担になりにくいですよ。巻き変えの目安としては、スプールに巻いてある状態でラインがボコボコしてきたら交換時ですね。

一番長く使えるのがPEラインだ。

千田


ショックリーダー部分を結び直していけば、かなり長期間使い続けられるのがPEの魅力。
それでも表面が毛羽立ってきたり、ガサガサしてきたらその部分は使わないほうがいいと思います。
色が明らかに薄くなってきているのも交換時のサインですね。それからラインをコーティングし、保護してくれるスプレー『PEにシュッ!』を釣行前日なんかに使うようにすると、PEラインの寿命が伸びるのでオススメです!

ラインを使い分け、ぜひさらなるバス釣りの魅力を探求してみてはいかがだろうか。

製品スペックなどの詳細情報はこちら

過去のフィールドレポート記事中で掲載している製品は、
廃盤品として現在取り扱いを終了している場合がございますので予めご了承ください。