鹿児島県屋久島と奄美大島の間に連なるトカラ列島。そのなかのひとつである悪石島に、釣りが好き過ぎて移住した人がいる。
バリバス・フィールドスタッフの穴澤颯だ。
秘境と呼ばれるこの海では、カンパチは75kgまでは確認されており、そのサイズがいれば80kgという未だ見ぬ巨大サイズが泳いでいても不思議ではない。
そんな大物釣り師垂涎の海の魅力や、ジギングで大型カンパチを狙うためのタックル設定やノウハウを、現地在住アングラーが解説する。

穴澤颯(あなざわ・はやて)
幼少の頃からシーバスなど様々な釣りに親しみ、2023年に鹿児島県トカラ列島にある悪石島に移住。遊漁船「釣りまっちょ」の船長のみならず、オリジナルルアーの製作、漁師、水産加工業、バナナ農園の経営、ヤギハンターなど多彩な才能を発揮しながら、フェリーの荷役作業や島の水道設備の確認作業等、島民の生活を支える仕事にも携わる。新潟県上越出身。2002年生まれの24歳。
鹿児島県トカラ列島 「悪石島」とは

鹿児島県鹿児島郡十島村悪石島。トカラ列島のなかの7つある有人島のひとつで、面積は7.49平方キロメートル(東京ドーム約160個分)。小さな島でありながら島にそびえる御岳の標高は584メートルもあり、周囲は断崖絶壁で平坦な土地はほとんどない。黒潮洗う大海原のなかに佇む絶海の孤島で、まさに秘境という言葉がぴったりである。人口はわずか70〜80人ほどだ。
悪石島へのアクセスは、鹿児島市の鹿児島港と奄美大島の名瀬港を各有人島に寄港しながら往復する村営の定期船「フェリーとしま2」のみ。鹿児島港から悪石島までは約11時間を要する。週2〜3便で、まさに島民の生命線となっている。
悪石島は仮面神ボゼに象徴される神々の島。仮面神ホゼは人々の厄を払い子孫繁栄をもたらすとされる奇祭で、国の重要無形民俗文化財、そしてユネスコ無形文化遺産にも指定されている。
島内は仮面神ホゼだけでなく、各所に神々がまつられ、島の方々は日々祈りをささげているという。島内を散策すれば、きっとその神秘的で荘厳な雰囲気を感じられるはずだ。
そんな悪石島は、釣り人には時期と条件が揃えば堤防から巨大なGTが狙えることで知られる。我々にはそちらのほうが馴染みがあるかもしれない。
この自然豊かな悪石島に魅了され、2023年より移住生活を送っているのが、バリバス・フィールドスタッフの穴澤颯だ。


悪石島へ移住した理由
穴澤は新潟県上越出身の24歳。中学生の頃からシーバスやヒラメ、ロックショア青物など日本全国を旅しながら様々な釣りを楽しんでいたという。
高校卒業を機にGTを追って徳之島に移住し、現在はここ悪石島で遊漁船「釣りまっちょ」の船長をメインの仕事とし、漁師、水産加工業、オリジナルルアーの製作、バナナ農園の経営、定期船・フェリーとしま2の荷役作業、島の水道設備の確認作業など、島民生活を支える様々な重要な仕事にも携わる。さらには観光ガイド、ヤギハンターなどと、『頼まれれば何でもやります』と多彩な才能を発揮して島の人たちに親しまれ、もはや欠かせない存在だ。
そんな彼が、なぜ縁もゆかりもない鹿児島県トカラ列島の悪石島に、“訪れる”のではなく、“移住”したのだろうか?


穴澤颯「元々は釣りが大好きで、生き物も大好きなんですが、やはりトカラの海が魅力的だったからですね。
トカラの中には7つ有人島がありますが、その中で釣りにおいては悪石島という名前が一番聞かなかったんです。もちろん漁師さんはいますが、メディアやSNSで活躍されているような名前が知られている有名な釣り人からは、悪石島という名称はほとんど出てきませんでした。
一般的にも、普段生活しているだけではまず悪石島という名前が出てくることはありませんので、人に知られていないからこそ魚はスレていないのではないか、と考えました。
実際、魚たちからは『はじめましてルアー!』みたいな非常にフレッシュな反応がもらえました。それが私にとっては大きな魅力でした。そういった、興味本位ですべてに飛びついてしまうというようなトカラの自然体の魚たちが私は大好きです。
そんなトカラの海を見て、そして魚を釣って、ここなら『人生を賭けてもいい』と思いました」

夢や憧れだけで終わらず、行動に移す穴澤の勲章だ。
悪石島に移住してみての感想は?
穴澤颯「悪石島に移住して、いま4年になります(2026年現在)。島での生活は全体的に見ればもちろん楽しいですし、自分の好きなことをひたすらできていると感じています。
自分の好きなことができているということは、周りの方々のおかげだと思っています。
小さい島ですので、小さなことの積み重ねが大切で、やるべきことをやって、それによって信頼を得ていくことがとても重要だと思っています。
たとえば、本当に小さいことですけど、挨拶をするとか。何かをお願いされれば、自分から率先してやるとか。そういったことの積み重ねで、いま自分の好きなことができているのだと思っています」

トカラ列島悪石島の釣りの環境と魚たち
悪石島はトカラ列島のひとつの島であり、我々釣り人にとっては、ショアではシーズンになり条件が整えば堤防から巨大なGTが釣れることで知られている。
また、オフショアでもGTのキャスティングゲームやカンパチジギング、そして泳がせ釣りなど、まさに秘境と呼ぶにふさわしい大物釣り師垂涎の海として知られている。
そこでここに住む穴澤に、悪石島の海の印象を聞いてみた。
穴澤颯「悪石島の魚たちは本当に素直で、凄くはっきりとして分かりやすいところが秘境らしくて楽しいです。いい潮が入っていなければ釣れないし、食い気もありません。爆釣していたのに突然釣れなくなったり、まったく釣れなかったのに突然釣れ始めたり。ゼロか100。そういったことがトカラの海ではよくあります。
人間の世界でいえば綺麗な空気と淀んだ空気の違いとでもいいましょうか。綺麗な水のところには魚がたくさんいて、そういうときは魚がたくさん釣れて、ベイトが多いところには大型の魚がたくさんいます。
ここでは他の生き物についても同様です。この時期(撮影は5月)は山にタケノコが生えます。タケノコが早く生えたシーズンは、GTの始まり、つまりトビウオの接岸も早いのが特徴です。旧暦で動くこともありますが、魚だけではなく、陸上の植物含めて生き物すべてがつながっているのが面白いですね。
たとえば、トビウオが接岸する日は、羽アリが大量発生します。それは確実なんです。羽アリが大量発生した日の夜は、100%トビウオが寄ってGTが釣れるという言い伝えが昔からあります。それはもちろんいまもそうです。
島の息吹と海の中、自然の流れがすべてシンクロしているように思います。海に出なくても、島にいるだけでそれを感じられる。それが悪石島の凄く好きなところです」

トカラを訪れる釣り人は総じて大きな魚への憧れが強い?
穴澤颯「トカラの海は、釣り人からすればもう魅力しかないですよね。人類が誕生してから魚が獲られ過ぎていないのだと思います。だからこそ大型の魚が残っていて、その遺伝子もたくさん海に残っている、という状態なのだと思います。
海の中は見えませんが、そんな大型の魚がいるというだけでワクワクします。ジグやエサを落とせばそんな魚が釣れるかもしれないという期待感。ここに来ただけで楽しいと思える海は、そうはないでしょう。大きな魚がいるおかげで、釣りをしているだけでドキドキする海です。
私を含め、釣り人にとってはまさに憧れの海といえます」

悪石島の出船率
さて、今回の釣行は三日間の出船を予定。そのなかで沖に出られたのは二日間のみ。しかも、釣りは実質まる一日もできなかった。
その内訳は、到着日は当初は釣行の予定はなく準備日であったが、穴澤の勧めでフェリーで到着するなりすぐに出船。結果的にナギは滞在期間中最もよく、片道2時間かけて目的のポイントまで行き、釣りは実質3時間行うことができた。
二日目は予報が悪く、出船はできたものの目的のポイントまでは行くことができず、島周りのポイントを攻略。しかし、途中から風が強くなり、またその風向きも悪く途中で撤退。
三日目は出船中止であった。
このように天候に左右されてスケジュール通りにいかない、というのは遠征釣行ではつきものだが、せっかくお金と時間をかけて釣行するのだから、アングラーとしてはできるだけ出船して釣りをしたいと思う。では悪石島の天候や出船率は実際にはどうなのだろう?

穴澤颯「悪石島での出船率は、正直かなり低いです。私からすると、とくに初日は、たった3時間と時間はかなり限られていましたが、目的のポイントまで行けたということが、私の心の中ではかなり大きいです。
その条件でもいいサイズの魚が出ればさらによかったのですが、それは魚の気分や潮の影響もありますので、私の力ではどうにもできない部分です。
しかし、とにかく『本当に出船できてよかった』というひと言に尽きます。当初はフェリー到着日は出船せず準備に当てる予定でしたが、急遽出船したという私の判断は間違っていなかった、ということは自信を持って言えると思っています。
トカラの島々は、絶海の孤島と言われるほど大海原にポツンとありますので、大きな雨雲がひとつ来ただけで海が大荒れになってしまうこともあります。また、黒潮のド真ん中にありますので、速くて太い潮が当たっています。したがって、ちょっとした天候の変化や潮位の変化で荒れてしまうこともあります。
予報がよくても出船できないということは珍しくはありませんし、逆に予報が悪くても出られることもよくあります。
悪石島においては、無理やり船が出せるという状況ではなく、“目的のポイントまで確実に行けるような状態で出船できる”ことが、毎回一番の難関をクリアしたという思いです。
天候については、これはもう人間の力ではどうしようもないことです。こればかりは運ですね(笑)。祈るしかないです。天気が悪くて出船できないというのは、土俵にも立たせてもらえないということ。これもトカラの魅力のひとつだと思っています。
その反面、目的のポイントまで行くことができたときの嬉しさは、倍増どころではありません」

カンパチのイメージとトカラ列島でのジギング目標サイズ
今回の穴澤のチャレンジテーマは、「ジギングで大型カンパチを狙う」こと。ただ、穴澤は普段、漁や遊漁の船長として沖に出ているため、自分自身がジギングを楽しむということはほとんどない。
そんな穴澤に、カンパチに対するイメージとこれまでの記録、そして今回の目標を聞いてみた。

カンパチという魚に対するイメージは?
穴澤颯「カンパチは、トカラといえば、という魚種のひとつ。ジギングで狙って釣ることができる最高峰のターゲットだと思っています。カッコいいし、大きくなるし、強いし。凄く好きです。
私が聞いているなかでは75kgが最大ですが、75kgがいれば80kgもいるはずですので、そのサイズの魚がいる海で釣りができるということ。それが楽しいですね」
ジギングカンパチの自己記録と今回の目標は?
穴澤颯「ジギングでのカンパチは30kgを超えたことはなく、28kgが自己記録です。トカラでは中型になります。
トカラでは上を見ればキリがないぐらいのサイズのカンパチがいて、70kgを超すカンパチはたくさんいます。そのなかで、ジギングでは20kgがひとつの目標になるかと思います。可能なら30kgという感じです」
トカラのカンパチジギングの難しさ
穴澤が先に話してくれたように、トカラの海は天候に左右されやすく出船率も低い。
さらに、黒潮真っ只中のトカラの海は潮が速いことも多く、また島の景観を見れば分かるように、それがそのまま海の中まで続いていると考えれば根も複雑であろうことは想像に難くない。実際、断崖絶壁のようなポイントも少なくない。
そんな環境でジギングで大型カンパチを獲るーー。想像しただけでも簡単ではないに違いない。そして、魚が多いということは、それを捕食する者もいるということ。サメだ。
そこで穴澤に、”トカラ列島でカンパチをジギングで獲る”ことの難しさについて、聞いてみた。
穴澤颯「私自身が釣りをするときは、私一人ですので操船をしながら釣りをすることになるのですが、そのことを除けば、やはり“魚を掛ける位置”ですね。とにかくそれが一番です。
アングラーはできるだけ上(根から離して)で食わせることが大切で、そうすることができれば、キャッチできる確率はボトム付近で掛けたときよりも2倍以上は高くなります。これは断言できます。
次に、信頼できるタックルであるかどうか、自分がどれだけタックルを信用できるか、ということです。
カンパチジギングでは、このふたつが絶対だと思っています」


穴澤颯「そしてもうひとつ、トカラでの釣りを難しくしているのは“サメ”の存在。釣り人にとってはせっかくヒットさせた魚を食べられてしまうので、厄介者、嫌われ者であるのは確かです。
正直サメはもうどうしようもないです。年がら年中いますし。
しかし、サメは悪くないんです。サメはそれで生きているわけですから。そのなかに釣り人がジグを落として魚を釣っているだけなんです。
トカラは、魚が多い分、サメも多いです。サメは仕方がない、と自分の中では割り切っています」

穴澤颯のトカラ列島カンパチジギングタックルとテクニック
天候、出船率の低さ、サメ……。だからこそ、トカラ列島にはカンパチをはじめとした大型の魚たちが多く残され、生息しているともいえる。
では、穴澤はどのようなタックルセッティングでトカラの大型カンパチに挑んでいるのだろうか?
まずはラインから解説してもらった。

PEライン号数選択の基準は?
穴澤颯「繰り返しになりますが、トカラには70kgを超すカンパチがたくさんいます。そんな状況であっても、私はPEラインは3号と4号をセレクトしています。この号数でそのようなサイズを狙うのは、確かに無謀といえば無謀かもしれません。
しかし、このタックルを使う理由があります。
トカラ列島は潮がかなり速く、ポイントの水深も深いところが多いので、PEラインを太くすればするほど潮を受けやすくなります。たとえばポイントの水深が200mとすれば、ジグの重さにもよりますが、250mから300mラインが出ることは珍しくありません。
PEラインを太くすれば、それに伴って出ていくラインもどんどん多くなり、ジグが着底すらできないこともあります。さらに、たとえその状況でジグをシャクったとしても、ジグはほとんど動いていない状態だと思います。
そういったことを踏まえて、細くできるラインの限界値が3号や4号だった、というわけです。それ以上細くしてしまうと獲れないけれど、しかし3号や4号ならなんとか獲れるーー。その微妙なセッティングが3号または4号ということです。
私は、そのなかでも4号をメインで使っています。
さらに、自分のタックル、ノットが完璧であることは大前提として、4号というPEラインの強度を把握しているということも重要です。これ以上ドラグを掛けたら切れる、でもこの値なら切れない、ということを知っておくのです。
タックルやラインを信頼し、その限界を理解していれば、そこまで追い込めます。そこまでできれば、キャッチできる確率はかなり上がります。
そこまでどれだけ近づけられるかーー。それがカンパチジギングの魅力だと思っています。それでやられてしまったのであれば、素直に「負けました」と言うしかありません。魚の勝ちです」
タックルの限界を知り、自身が信頼するタックル以外は使わない――そう断言する穴澤颯。そんな穴澤が使うラインが、アバニ ジギング10×10 マックスパワーPE X9だ。
バリバス アバニ ジギング10×10 マックスパワーPE X9の感想
穴澤颯「ジギングにおいては、アバニ ジギング10×10 マックスパワーPE X9 のような張りのあるパキッとしたラインはいいですね。体感的にも凄くいいです。
感度については、ロッドをシャクったときの重みで潮が入っている入っていないは感じられますが、それは潮がジグに当たったというよりは、ラインに当たっている面積のほうが大きいはずなので、その感覚のほうが大きいと思います。
したがって、トカラの海においては、ラインによって感じられるのは潮の変わり目など潮の変化で、そういった場所が魚のいるいないの境目になっている可能性は高いです。それを感じられるというのは、ひとつの強みだと思っています。
このラインは、原糸を縦に近い組み角度で編むことで糸に直進性を持たせています。そのため、食わせの間を取ったときに、アバニ ジギング10×10 マックスパワーPE X9と他のラインではジグの落ち方、つまり水に対してのラインの入り方が違います。ラインスラックのコントロールがしやすいんです。
2枚潮、しかも強烈な2枚潮や3枚潮がごく普通に起きる、潮が複雑で強いトカラの海において、アバニ ジギング10×10 マックスパワーPE X9の性能は欠かすことができないものといえます」

ロッドは何を使っている?
穴澤颯「サポートを受けているということもありますが、トランスセンデンスのイータ・クワトロ(プロトタイプ)を使用しています。
4本継ぎのマルチピースロッドですが、これで60kgのカンパチが獲れたら面白いですよね。結構凄いことだと思います。実際、マルチピースロッドだから使いにくい、問題があるということはまったくありません」
フックは何を使っている?
穴澤颯「フックはBKKのギャフ4/0をツインにして、ジグの上下(頭とテイル)にセットしています。
フックを上下にセットする理由は、魚を制御しやすいんです。頭(上)だけですと、元気いっぱいで走られて釣り人が有利なように制御、つまり魚をコントロールしづらいんです。
テイル(下)にもフックを付けることによって、それが体のどこかに掛かってくれれば、釣り人は魚を制御しやすくなります。
ただ、一般的にはフォールなどでテイルのフックが口に掛かり、頭のフックが体のどこかに掛かった場合、凧揚げ状態となって非常にファイトが重くなると言われます。
確かに重くはなりますが、それで獲れることは多いです。逆に魚に走られて根ズレしにくくなるような気がしますし、魚もバテやすいように感じます。
フックを上下に付けるのは、掛かりがよくなるというよりは、釣り人がコントロールしやすくなる、少しでも有利になれるように、という目的です」

ロッドアクションは?
穴澤颯「最初は活性の高い魚を獲りたいので、ハイピッチでパッパッと狙い、潮がないときはスローで狙うことが多いです。とくに自分で操船しながら釣りをするときは、スローはどうしても釣りにくいので、ハイピッチ主体で組み立てることが多いです。
トカラでは、絶対に何かしらの魚が追って来ています。あの反応に落としているのに、何も魚が反応していないなんてありえないと思います。
常に何か魚が追って来ている、と思って釣りをすることが大切です」

ドラグ設定は?
穴澤颯「ドラグは、12kgぐらいからスタートして、最後のひと押し(1ノッチ)で18kgに入るよう設定しています。18kgまで入れると、人間の手で引っ張ってもラインはなかなか出ません。それでも、魚は普通に出していきます。この数値ですと、タックルを保持しているだけでもかなりしんどいです。
ただ、これより少しでもドラグを掛けてしまうとラインが切れてしまう可能性が高いので、自分の中ではこれが限界値です。
PE4号でこれだけの負荷を掛けられます。4号でここまで掛けないのなら、それは4号の無駄遣いだと私は思っています。掛けないのなら、3号でもいいよね、ということです。
ただ、最初から18kg掛けてしまうと、走り始めのときに強い負荷が掛かるので、そのときに切れてしまう可能性があります。それゆえ、最初は12kgスタートです。
ドラグ18kg掛けて口切れはしないかと聞かれることがありますが、小さい魚は口切れすることがあります。ただそれは、魚が小さいということで問題ではないです。
また、そういう意味でも、フックをジグの上下に付けて、口以外の部分にも掛けるということが意味を持つと思っています。タックルのこと、ラインのこと、これを知っているか知らないかで、魚が獲れる獲れないの大きな差になります」
ファイトのコツは?
穴澤颯「ロッドは魚に食わせるためだけの道具と考えて、ファイト中はロッドに掛かるテンションは抜いています。いわゆる綱引きファイトでになりますので、手で巻かないことですね。体全体を使ってファイトするようにしています。
したがって、ファイト中はロッドは真っすぐにするので、ファイトはラインの仕事だと考えています。機能しているのはリールとラインだけ。そのふたつで最も信頼しなければならないのは、ラインです。リールが壊れても、ラインを手繰れば魚は獲れますから。
ラインが切れてしまったら魚は獲れません。ラインを信頼するのは、非常に大切なことです。とくにジギングにおいてはそう思います。
バリバス アバニ ジギング10×10 マックスパワーPE X9はそれに値するラインだと思っています」

悪石島での実釣を終えて
普段は船長、ときには漁師、ルアービルダー、バナナ農園の経営と管理、さらには島民の生活を支える仕事もして……と、忙しい日々を送る穴澤。プライベートでゆっくりとジギングを楽しむという時間はそうはないはずだ。
そんな穴澤が、天候に悩まされつつ僅かな時間ではあったものの、つかの間のジギングを楽しんだ今回の撮影。その感想を聞いてみた。

穴澤颯「釣りが大好きなので、楽しかったですね。カンパチに限らず、ジギングに限らず、なんの釣りでも凄く楽しいです。
日常生活でも釣りでも妥協は一切していませんし、常に興味を持ったことは本気でやり、最後まで全力でやり通します。
釣りに対しても、自分が絶対に獲れるというタックルで臨んでいますし、ラインやノットといった細かいことにも現在できうる限りの最善を尽くしています。自分の中では魚に対しても妥協がなく、やれることはすべてやっています。
自分としては、やれることはすべてやっているので、それでダメなら仕方ないという感じです。
魚からコンタクトがあるということは、答えが合っているということでもあると思いますので、次に繋がることだと思います。
このトカラの海で釣りができる――。これだけで幸せです」







悪石島カンパチジギング用|穴澤颯 使用タックルデータ
穴澤颯さんが本釣行で使用したタックルデータをご紹介。
| タックル | 詳細 |
|---|---|
| ロッド | トランスセンデンス/ イータ・クワトロ(プロト) |
| リール | スタジオオーシャンマーク/ ブルーヘブン BH-L80、L100Rw/R |
| メインライン | 【バリバス】 アバニ ジギング10×10 マックスパワーPE X9 3号、4号 |
| ショックリーダー | 【バリバス】 ショックリーダー フロロカーボン 70LB、80LB |
| ルアー | 自作メタルジグ250〜400g(ロング系、フラット系) |
| フック | BKK/ ギャフ4/0(ツインを上下にセット) |

