遠州灘のキハダキャスティングをピックアップ!遠州灘ならではの特徴と攻略術を遊漁船「ジャンキー」船長の横山勝彦さんと、バリバスフィールドスタッフ 椙尾和義さんが解説。

実戦的な遠州灘のキハダキャスティングの楽しみ方を紹介します!

目次

変化の激しい遠州灘のキハダキャスティング

遠州灘のキハダは、時期や潮だけで単純にその行動が読める魚ではない。海況が短い期間で変わり、昨日の答えが今日も通用するとは限らない。だからこそ海へ出て、鳥とナブラを見ながら、その瞬間の正解を組み立てる釣りになる。

遠州灘を知り尽くす遊漁船「ジャンキー」船長の横山勝彦さんにフィールドの全体像を伺った。

横山勝彦船長

遠州灘のキハダキャスティングは、毎年同じようにはいきません。

回遊する時期も、入ってくる魚の量も、サイズ感も、その年によって大きく変わります。
 
サイズは群れによってまったく異なります。小さい群れが入ることもあれば、大きい魚がまとまって回遊することもあります。

平均サイズを一概に言うのは難しいですが、キャッチされた実績では30〜55kgが多いと思います。
 
私の船「ジャンキー」での最大魚は54kgです。

ただ、もう10年以上前のことですが、私が釣り人として遠州灘で釣ったキハダのレコードは68.4kgです。

70kgが釣れたという話を聞いたこともあります。
 
遠州灘のキハダを狙ううえで大切なのは、とにかく海へ行くことです。

遠州灘のキハダは、年によっても、群れによっても、さまざまに状況が変わる魚です。だからこそ、何度も海へ出ることが大切。

そして、ナブラが出てから考えるのではなく、船を寄せる前から、どこへルアーを入れるべきかを考えながらナブラを追うことが大切だと思います。

ナブラを探す横山さん。ショップオーナー、遊漁船船長、アングラーという3つの視点から遠州灘を見続けている。
横山勝彦船長

ナブラが出た時には、鳥の動きをよく見ることが重要です。

鳥がどこへ飛んでいるのか、どこへ集まっているのかを見ていないと、魚がどちらへ動いているのか、自分がどこへキャストすべきなのかが分かりません。

遠州灘キハダキャスティングのシーズンや出船形態

横山勝彦船長

シーズンとしては早ければ3月頃から始まります。秋は長ければ10月頃まで狙えたりする年もあります。

基本的には遠州灘には一年中キハダの回遊がみられると思いますが、冬は風が強いことで有名な海域だけに、出船の機会が減ってシーズンオフ、というイメージになると思います。

横山勝彦船長

「ジャンキー」では基本的にはカツオ、キハダの両狙いで出船します。

カツオとキハダは海域が重なるので、ナブラを見つけて走っていくと、カツオだったりキハダだったりします。

そのため、お客さんにはカツオ用とキハダ用、両方のタックルを持ってきてもらうよう伝えることが多いですね。
 
「ジャンキー」では仕立出船も可能ですが、先に乗り合いの予約が入れば乗り合いで募集する形になります。

乗り合い料金は23,000円(税込)です。

船上で魚を保存するための氷は用意していますが、持ち帰り用の氷は十分ではない場合もあります。

近くに漁協などがないため、必要な氷はコンビニなどで購入して持参してもらうのが基本になります。

遠州灘のキハダキャスティング。回遊魚の一瞬を捉えるワイルドなフィールド

相模湾をホームグラウンドにキハダキャスティングを楽しんでいるバリバスフィールドスタッフの椙尾和義さん。遠州灘にも定期的に足を運び、相模湾とは異なる特徴を持つフィールドのキハダキャスティングを楽しんでいる。

椙尾和義

私は10年以上、毎年1〜2回ほどキハダ狙いで遠州灘を訪れています。

遠州灘には相模湾とは異なる海の表情があり、行くたびに「今日は魚が入っているのか」「ベイトは何か」「どんなナブラが出るのか」を探りながら釣りをしています。

相模湾をホームとする椙尾さんだが、遠州灘にも毎年釣行している。
椙尾和義

遠州灘は、潮が入りベイトがいればキハダが付き、ベイトがいなければ魚も抜けるという、海の状況が比較的はっきり出やすいフィールドだと思います。

また、ベイトの種類によっては、魚がいてもなかなか口を使わないこともあります。

それでも、状況が合った時には新しい群れが供給されてくるような感覚があり、回遊魚を追う釣りの醍醐味を存分に味わえます。
 
キハダが回っている時の遠州灘は、本当に熱い海です。

ナブラが出て、船で追いかけ、キャストが届く位置に入れれば、一投でチャンスが訪れることも多い。

魚がいつまでもいてくれる海ではないからこそ、目の前に出たチャンスを逃さず、確実にルアーを届けることが重要になると思いますね。

遠州灘には大型キハダを狙える夢がある

遠州灘のキハダキャスティングには大型魚の夢がある。50kg、60kg、さらにその先のサイズまで意識できるからこそ、ルアー、ライン、リーダー、ドラグのすべてに妥協はできない。遠州灘では一発のヒットでタックルの限界が問われる、そんな意識も必要だ。

椙尾和義

遠州灘のキハダキャスティングでは、以前から大型が出るイメージがあります。

10年くらい前の印象では、相模湾では30kg前後の魚が中心だった時期でも、遠州灘では50〜60kgクラスを意識することが多かったですね。
 
もちろん小型のキハダもいますが、いつでも50kg、60kgといった魚が回遊してくるポテンシャルがある海であり、そのサイズを視野に入れてタックルを組む必要があると思います。

私自身、初めて50kgを超えるキハダを釣ったのも遠州灘でした。

そうしたこともあって遠州灘には特別な思いがあります。

カツオとキハダ、両狙いに対応可能なタックルを用意するのが遠州灘の基本だ。

遠州灘ではキハダとカツオの両ターゲット狙いが基本となる

遠州灘では、本命のキハダを追う途中にも多彩な回遊魚との出会いがある。大型カツオやビンチョウまで含め、海の状況に応じて狙いを広げられるのが魅力のひとつでもある。広い海で自ら魚を探し、その日だけのチャンスをつかむ。遠州灘ならではの自由がある。

椙尾和義

遠州灘は、キハダキャスティングを専門にしている遊漁船の数が多いフィールドではありません。

相模湾のように多数のキャスティング船が一斉にナブラを追うような状況になることはあまりないと思います。
 
一方で、プレジャーボートは多く、日常的に海へ出ている経験豊富なアングラーもいます。

状況がよく、魚が釣れ始めると、そうしたプレジャーボートから釣果報告が出ることもあります。

毎日海を見ている人たちの釣果は、フィールドの可能性を感じさせるものがあります。
 
フィールドの規模に対して、船の数がそれほど多くはないぶん、広い海の中で魚を探し、自分たちでナブラを見つけて狙う感覚を味わいやすいです。

遠州灘は、回遊魚を探すというキャスティングゲーム本来の楽しさを感じられる海だと思います。
 
また、遠州灘には、キハダだけでなくカツオも多く回遊しています。

キハダを探している途中でカツオのナブラに当たることもあります。

ガチャガチャと魚が出ている場所へルアーを入れ、5〜6kg級の大型カツオが連続で掛かるようなことも珍しくありません。
 
7〜8kgクラスのカツオが掛かることもありますし、ビンチョウが水面に出て、トップウォータープラグで楽しめることもあります。

3人で釣行して、30分ほどの間に30〜40本ほどのカツオが釣れたこともありました。

椙尾和義

キハダだけを追うのではなく、カツオやビンチョウを含めた大型回遊魚との出会いがあることも、遠州灘の魅力のひとつです。

キハダを本命にしながらも、その日の海が見せてくれる魚を相手に、さまざまなキャスティングゲームを楽しめます。

椙尾和義流・遠州灘キハダキャスティングタックル

椙尾さんは魚の大きさだけでラインの号数を決めることはない。ベイトのサイズ、ルアーの種類、風、飛距離、ナブラへの入り方までをひとつずつ考え、最適な1本を選ぶ。ベストな答えにたどり着くためにも複数の選択肢を持つことが重要だ。

椙尾和義

私が遠州灘でキハダを狙う時にメインタックルとして使用するのは、PE5号と6号タックルです。

よほど大きなベイトを食っている時や、さらに大型のキハダを強く意識する時にはPE8号タックルも持っていきます。

ただ、普段の状況であれば、PE5号と6号を中心に考えます。

ベイトがそれほど大きくない時には、無理に8号まで上げる必要はないと考えているからです。
 
PE8号タックルは一応持ち込むこともありますが、状況によっては一度も使わずに終わることも多いですね。

大切なことは、魚のサイズだけでなく、ベイトの大きさ、使うルアー、風、ナブラとの距離に合わせて、無理のないタックルを選ぶことです。

キハダ用のメインタックルはPE5号&6号のセッティング。

PE5号と6号は、単なる強さの違いではない。軽めのルアーを自在に操りたい時、遠投して大型プラグを届けたい時、風の中で低い弾道を出したい時など、求める操作感に合わせて使い分ける。そうすることで、限られたナブラ撃ちの一投に精度と説得力が生まれる。

椙尾和義

PE5号タックルは、オシアプラッガー フルスロットルまたはオシアプラッガー リミテッドのS83Mに、ステラSW10000HGを合わせます。

ラインはアバニ キャスティングPE SMPヒラマサチューン X8の5号を300m巻き、リーダーにはアバニ ショックリーダーSMP[ナイロン]の100lbをセットします。
 
PE6号タックルは、オシアプラッガー フルスロットルまたはオシアプラッガー リミテッドのS83MHクラスに、ステラSW 14000XGを合わせます。

メインラインはアバニ キャスティングPE SMPヒラマサチューン X8のPE6号を300m巻き、リーダーにはアバニ ショックリーダーSMP[ナイロン]の120lbを使います。

ルアーウエイトやサイズだけでなく、風など環境要因も含めて、合わせるタックルを使い分ける。
椙尾和義

基本的には150mm前後のペンシルベイトや、70g前後までのプラグなら、PE5号タックルが扱いやすいです。

ルアーを細かく動かしたい時、やや軽めのプラグを扱いたい時、小さめのベイトに合わせたい時なども5号が基本になります。
 
一方で、180mmを超える大型プラグを使う時には、PE6号タックルを選びます。

大きいルアーをしっかり飛ばしたい時、風が強い時、大型キハダを強く意識する時などには、6号の方がより安心感があります。

小型ベイト対策にはPE3号のライトタックルも用意する

大型キハダを狙う釣りであっても、小型ベイトに付いた魚には小さなルアーが効く時がある。強いタックルだけでは、食わせ切れない場面がある。PE3号のライトタックルは、細身のプラグを自然に操り、キハダとカツオが入り混じる状況で貴重な一尾を引き出す武器となる。

椙尾和義

遠州灘のキハダキャスティングではPE5号、PE6号がメインですが、小型ベイトを食っている時にはライトタックルも必要になります。
 
シンキングペンシルや130mm前後のペンシルベイトを使う時には、オシアプラッガー ライトコンセプト S83MLに、ステラSW 8000XGを組み合わせたタックルが活躍することがあります。

メインラインはアバニ キャスティングPE SMP X8の3号を300m、リーダーにはアバニ ショックリーダーSMP[ナイロン]の60lbを使用します。
 
キハダを狙うからといって、常に大きいルアーだけを投げるわけではありません。

ベイトが小さく、キハダが小型のシンキングペンシルや細身のプラグに反応しているなら、ライトなタックルの方が食わせやすい場合があります。
 
遠州灘では、キハダのナブラへ向かったつもりが、カツオがまじっていることもよくあります。

キハダとカツオが同じ海域にいることもあるので、食わせのために小型ルアーを使える準備をしておくことは大切です。
 
PE5号と6号だけでは足りない部分を、3号のライトタックルで補います。

強いタックルだけを持ち込むのではなく、その日に魚が何を食っていて、どんなサイズのルアーに反応しているかを見ながら、柔軟に対応することが重要です。

ルアーはポッパー、ペンシル、シンキングペンシルをそろえる

キハダキャスティングでは、ルアーを使い分け、柔軟に攻略していく必要がある。水面で強くアピールするポッパー、自然に誘うペンシル、レンジを変えられるシンキングペンシル。それぞれの役割を理解し、ベイト、風、波、ナブラの出方などに合わせてセレクトすることが、ヒットへの近道になる。

ポッパー、ダイビングペンシル、シンキングペンシルの3タイプが基本。
椙尾和義

ルアーは、ポッパー、ダイビングペンシル、シンキングペンシルを中心に用意します。
 
ポッパーは、スリムタイプの180mm、150mmクラスを使います。

ポッパーは、魚が水面へしっかり出ていて、アピールを強くしたい時に有効です。波があり、ルアーを目立たせたい時にも多用します。
 
ペンシルベイトでは、185mm、160mmクラスのダイビングペンシルを中心に用意しています。

ダイビングペンシルは、魚に対してやさしく見せたい時、ベイトに合わせてシルエットを調整したい時、トップウォーターで自然なアクションを出したい時に使います。

ルアーの動かし方をロッドで調整しやすいので、キハダの反応を見ながらのアプローチが可能なルアーです。
 
シンキングペンシルは、125mm、150mmクラスを用意します。

水面だけでは反応しない時、ベイトが小さい時、ナブラの中でプラグを少し沈めて見せたい時には、シンキングペンシルが必要になります。
 
キハダは、常に派手なポッパーばかりに出るわけではありません。

ナブラが出ていても、ベイトのサイズや魚の活性によっては、小型のシンキングペンシルや細身のペンシルベイトにしか反応しないこともあります。

「このルアーだけを投げればいい」ということはありません。

ポッパー、ペンシル、シンキングペンシルを準備し、その日のベイト、ナブラの出方、風、魚の反応を見ながら選ぶことが大切です。

キハダキャスティングでは飛距離が大きな武器になる

ナブラ撃ちでは、わずか数mの差が明暗を分ける。魚の進行方向へルアーを入れられるか、届かず手前に落ちるか。その差を埋めるのが飛距離だ。ロッド、リール、ライン、ルアー、フォームを整え、狙った場所へルアーを確実に運ぶ力が大きな武器になる。

椙尾和義

キハダキャスティングでは、ナブラへルアーを届ける飛距離が非常に重要です。

キハダが水面に出た時、ナブラの近くへ思い通りに船を寄せられるとは限りません。

魚の進行方向、風、波、鳥、自船や他船の位置などを考えると、ナブラの手前や左右の外側からキャストしなければならないこともあります。
 
そうした時、あと少しだけ遠くへ飛ばせるかどうかで、ルアーが魚の進行方向の前に入るか、後ろに落ちるかが変わります。

つまり、キャストで少しでも遠くへ届けられることは、キハダキャスティングでは大きなアドバンテージになる、ということです。

PEラインのセレクトの良し悪しがキハダキャスティングの内容を大きく左右する。
椙尾和義

そこで重視したいのがラインのセレクトです。

私はメインラインの5号、6号にはアバニ キャスティングPE SMP ヒラマサチューン X8を使っています。

理由は、ラインの抜けがよく、飛距離を出しやすいからです。
 
ラインがスムーズに放出され、リール、ロッド、ガイドとの相性がよければ、飛距離はより気持ちよく伸びます。

もちろん、飛距離はロッドやリール、ルアー、アングラーのキャスト技術によっても変わります。

ただ、ラインの抜けがよく、放出がスムーズであれば、飛距離を出しやすくなるのは間違いありません。
 
キハダキャスティングは、ナブラが出た瞬間にチャンスが生まれる釣りです。

キャストミスを減らし、限られたチャンスでしっかりルアーを届かせることが求められます。

そのため、キャストしやすく、飛距離を出しやすいラインを選ぶ意味は大きいと思います。

PEラインは強度表記だけで選ぶものではない。ロッドの反発、リールとの相性、ルアーの重さ、キャストフォーム、体格まで含めて、扱いやすさは変わるからだ。自分の振り方で素直に飛び、狙ったコースを引けるPEラインを選ぶことが、実戦での信頼につながる。

椙尾和義

PEラインは、単純に「強いラインを使えばいい」というわけではありません。

使うロッドが硬いのか、しなやかなのか。張りの強いブランクスなのか、中低弾性寄りのブランクスなのか。

アングラーのスイングスピードは速いのか、ゆったりと振り抜くタイプなのか。

体格や筋力、キャストフォーム、使うルアーによっても、扱いやすいラインは変わります。
 
私自身はキャストスピードが比較的速い方だと思うので、アバニ キャスティングPE SMP ヒラマサチューン X8との相性がいいと感じています。

ただし、すべての人が同じ感覚になるわけではありません。
 
ラインは、人によって合うものが違います。

ロッドの特性、リール、ルアーの重さ、キャスト方法まで考えて、自分にとって扱いやすいものを見つける必要があります。

ぜひ、キャスト性能と扱いやすさのバランスを考えた、自分にとってのベストなPEラインを選んでほしいですね。

キャスティングにはそれぞれ個性がある。タックルセレクトと併せ、ベストなラインは人それぞれだ。

キハダキャスティングは、ファイトだけを重視する釣りではない。ファイト以前に、短いチャンスタイムで何度も投げ、魚の前へルアーを運ぶことが求められる。キャストを重ねてもストレスが少なく、狙い通りに扱えるラインが、次の一投を支えてくれる。

椙尾和義

キハダキャスティングは、1本に対して長時間のファイトをする釣りというより、ナブラが出た短い時間に何度もキャストしてチャンスをつかむ釣りです。

もちろん魚が掛かればファイトはパワーゲームになりますが、それ以前に、キャストを続けて魚へルアーを届けなければなりません。

そのため、何度投げてもストレスが少なく、ルアーを狙った位置へ運びやすいラインが重要になります。
 
ラインのカラーについても、見やすさという機能面だけでなく、好みやタックル全体の印象を含めて選ぶ部分もあると思います。

色分けされたラインにも利点がありますが、単色のラインを好む人もいます。

自分が使っていて気分が上がり、扱いやすいと感じるラインを選ぶことも、キャスティングゲームでは重要だと思います。

使っていてアガるライン、という選び方も悪くない。

キハダの走りは、見た目のサイズだけでは測れない。掛かりどころや魚のコンディション次第で、想像以上にラインを引き出されることもある。豊富なラインキャパシティは、ファイトの余裕だけでなく、トラブル後も次のナブラへ向かうための安心材料になる。

椙尾和義

キハダを狙う時、PEラインは300m巻きを基本にしています。

ヒラマサやGTでは、状況によって200mでも成立することがあるかもしれません。

ただ、キハダキャスティングでは300m巻いた方が安心です。
 
キハダは個体差が大きい魚です。40〜50kgクラスでも、すぐに止まる魚もいますが、同じくらいのサイズに見えても、100m以上走る魚もいます。

掛かりどころが悪ければ、さらに想定外の走りを見せることがあります。
 
キハダは掛けてからの初速が速く、そして強いのが特徴です。

走り出した時には簡単にラインを出されます。

魚のサイズだけを見て「このくらいなら大丈夫」と考えるより、どの魚がどれだけ走るかは分からないと考え、余裕を持ったラインキャパシティを確保する方がよいと考えています。
 
300m巻いておけば、万一ラインが大きく引き出されても余裕を残せます。

さらに、ラインブレイクなどでラインが減った場合も、残量に余裕を持って釣りを続けやすくなります。

現在の大型スピニングリールは、PEライン300mを巻くことを前提に考えられたモデルも多く、キハダ用として300mは無理のない設定です。

残量に不安があると、思い切ったキャストがしにくくなります。300m巻いておくことで、キャストでもファイトでも安心感が出ます。

リーダーの特性がキハダキャスティングをよりハイレベルな内容にしてくれることもある。

キハダキャスティングにベスト!? アバニ ショックリーダーSMP[ナイロン]

椙尾和義

リーダーには、アバニ ショックリーダーSMP [ナイロン]を使っています。
 
選んでいる一番の理由は、伸びがあることです。

キハダは遠くで掛けたとしても、船の近くまで寄せてから最後まで暴れます。

アバニ ショックリーダーSMP[ナイロン]なら魚が船下へ入る時、急に向きを変えた時、最後にもう一度突っ込んだ時に、リーダーの伸びがショックを吸収してくれます。
 
遠い距離ではロッドとラインのトータルなシステムで魚のパワーを受け止め、近距離ではリーダーの伸びで急な衝撃をいなすことが大切。

そのため、伸縮性のあるナイロンリーダーは使いやすいですし、アングラーを助けてくれます。

また、PEライン、リーダーは結びやすさも重要です。船上で組み直すときなどは、結節しやすいことは大きな利点になります。
 
キハダ、ヒラマサ、シイラ、カツオのように、掛けてから最後まで暴れる魚では、魚の急な動きを受け止めることが大切です。

強度だけでなく、魚の突っ込みを受け止められる伸び、扱いやすさ、結びやすさまで含めて、リーダーを選んでいます。

さらに、大型船でキハダを狙う場合は、船体との擦れも考えなければなりません。耐摩耗性の高さも重要な要素です。

キハダの強大なパワーを吸収、またはいなしてくれる。リーダーにはそんな役割も求められる。

リーダー選びでは、単純な強度だけでは決められない。ロッドの硬さ、キャストの速さ、結びやすさ、近距離でのクッション性まで含め、タックル全体との相性を考える必要がある。最後まで暴れるキハダを受け止めるために、素材の特性によって使い分けることも視野に入れたい。

椙尾和義

バリバスのナイロン製リーダーとしてはオーシャンレコードショックリーダーという選択肢もあります。

硬いロッドを使うのか、ロッドの反発をどのように使いたいのか、アングラーの筋力やスイングスピードがどうかによっても、ベストだと思えるリーダーの感覚は変わります。
 
ただ、これから太平洋側のキハダキャスティングを始める人、ヒラマサ、シイラ、カツオまで含めて楽しみたい人には、アバニ ショックリーダーSMP [ナイロン] の伸びと扱いやすさは大きな利点になると私は思っています。
 
GTキャスティングのように、特別に強いタックルや特殊な環境を想定する釣りでは、また考え方が変わるかもしれません。

しかし、遠州灘を含む太平洋側のキハダキャスティングでは、伸びを使って魚のショックを吸収できるリーダーは非常に使いやすいと思っています。

リーダーの長さはキャスト方法に合わせる

リーダーの長さは、長ければよい、短ければ安全という単純な話ではない。オーバーヘッドかアンダーハンドか、船の広さ、ミヨシの環境、同船者との距離までが影響する。無理なく振り抜け、狙った場所へ投げ切れる長さを見つけることが大切だ。

椙尾和義

リーダーの長さは、ロッドレングスとキャスト方法によって決めます。

オーバーヘッドキャストができる船なら、タラシをある程度長く取ることができます。

リーダーが指に掛かるくらいまでタラシを取り、スプールに残るリーダーは一周するかしないか程度を目安にしています。

キャストに必要なタラシを出した状態で、スプールにリーダーが1回転。椙尾さんがベースとするリーダーの長さだ。
椙尾和義

S83クラスのロッドでオーバーヘッドキャストをするなら、ロッドレングスを生かしながら、しっかり振り抜ける長さに調整します。

リーダーを短くし過ぎると、ロッドの力を使い切れない場合があります。

一方で、長くし過ぎるとキャストが不安定になったり、船上で扱いにくくなったりします。

 
アンダーハンドキャストが中心になる船では、タラシはより短くします。

船の大きさ、ミヨシのスペース、乗船人数、ほかのアングラーとの距離によっても、適正な長さは変わります。

タラシは、単純に長ければ飛ぶ、短ければトラブルレスというものではありません。

自分が無理なく振り抜け、狙った位置へキャストできる長さであることが大切です。

遠州灘のキハダキャスティング|実釣編

ここからは椙尾さんのチャレンジの模様をお伝えする。2日間の釣りのうち、初日はカツオキャスティングを楽しんだ。2日目はキハダに狙いを絞っての挑戦。1日だけの違いだが、状況は上向きになっていた。

椙尾和義

遠州灘は状況によって海が大きく変わります。

カツオキャスティングを楽しんだ昨日の釣行後に海況速報を確認すると、浜名湖から東沖、南東沖のあたりに黒潮の分流が入ってきていました。

これはチャンスがあるかもしれない、と考えていました。
 
実際に海へ出てみると、水温は昨日と比較しても明らかに高くなっていました。

昨日は20.5〜20.6℃ほどだったと思いますが、今日は岸寄りでも22.2℃ほどまで上がり、沖合では22.6〜22.8℃ほどまで上がっていました。
 
ベイトも明らかに変わっていました。

昨日、見えていた小サバと思われるベイトや小型のイワシに比べ、サイズが大きいイワシが多かったと思います。

鳥の動きもよく、イワシの群れに付いている魚の気配がありました。

ナブラの持続時間も長く、ひとつ沈んでも別のナブラが出るような場面があり、2回、3回とチャンスが生まれました。
 
鳥がいてもすぐに沈んでしまい、魚の姿がはっきり見えない状況が続いた昨日に比べ、鳥の下に魚がいる雰囲気があり、ナブラの中で泳ぐ魚影も徐々に見えるようになりました。
 
同行者が最初にキハダをヒットさせた頃から水中に魚影が見え始め、ナブラの濃さも変わってきました。

鳥の動き、ベイトの量、水温、魚影の見え方まで含めて、海が大きく違っていたと思います。

ファーストヒットは同行者に。釣り座とナブラの位置関係で有利なポジションは変化する。

ナブラのキワへルアーを置く。風がある日はポッパーが使いやすい

風がある日は、ルアーを動かすこと以上に、狙った場所へ留めることが難しくなる。抵抗のあるポッパーは、風や船の流れの影響を受けながらも、ナブラのキワでアピールを続けやすい。海況に合わせて操作しやすいルアーを選ぶことが、食わせる前提になる。

椙尾和義

最初の大きなチャンスでは、前方に出ていたナブラが一度沈み、その後、船の後方寄りで再びナブラが沸きました。

ただ、自分の位置からは距離があり、届かない状況でした。その時に握っていたのはPE5号タックルで、ルアーはスギポップスリム150をセット。

風が強かったので、ペンシルベイトよりもポッパーが使いやすいと判断したからです。
 
風がある時にペンシルベイトを使うと、水面を走り過ぎたり、風になびいたラインに引かれ、想定より移動したりします。

船も横風を受けながら動くので、ペンシルベイトではルアーが狙った場所から外れやすくなります。

適切なルアーセレクトがキハダキャッチを呼び寄せてくれる。
椙尾和義

ポッパーは抵抗が強く、ルアーを止めやすいのが強みです。移動距離を抑えながら、ナブラのキワへ置きやすくなります。

鳥と魚が水面でワシャワシャしているような状況では、ナブラの真ん中へ入れ過ぎるよりも、キワにルアーを置くことが有効です。

そのためにも、抵抗があり、狙った場所に留めやすいポッパーは使いやすいんです。
 
今日は魚の出方も比較的よく、ポッパーでのアピールが効きやすい状況でしたが、風は強かった。

こうした状況下ではペンシルベイトでも釣れるとは思いますが、風がある中で自分が操作しやすく、ナブラのキワに留めやすいルアーを選ぶことが大切です。
 
一方で、海が凪いでいて、ナブラの中で魚が激しく出ているわけではない時は、ペンシルベイトを多用します。

実際に今日も鳥の動きはあるものの、魚が激しく水面を割っていない時には、ペンシルベイトを投げていました。

ルアーは、その日の魚の出方だけでなく、風、波、船の向き、自分が扱いやすいかどうかまで含めて選ぶことが重要です。

進行方向を読んだ一投でキハダを食わせる!

ナブラが出た瞬間に必要なのは、即座に対応して投げることではない。群れの進行方向、鳥の位置、風の向きなどを確認し、食い気の高い先頭側へ入れることが求められる。出来れば一投必釣、しかし、ヒットを得られなければ、次の一投を正確に入れる冷静さと技術が、ヒットを引き寄せる。

椙尾和義

2回目のナブラ撃ちのチャンスでは、前方に出たナブラが一度沈み、その後、船の後方から横方向へ回り込んだ群れが、再び前方へ動いてきました。

最初のキャストでは、鳥がラインに絡み、ルアーがピンスポットから外れてしまいました。すぐに回収して投げ直し、2回目のキャストをしました。
 
距離は30〜40mほどだったと思います。

キハダの群れは左舷側の後ろから前の方へ、風下側へ向かって移動。その進行方向を見ながら、群れの先頭より少し前へルアーを入れました。

着水後、ルアーはほとんど動かしていません。

ポコン、ポコンと2回ほどアクションを入れ、止めたところで「ドンッ」と出ました。

着水してからほとんど移動させず、ルアーの位置を保った状態でのバイトでした。

キャストチャンスが多くなるイワシ団子。息をのむようなおいしい状況だ。

魚の姿が直接見えにくい時ほど、鳥がナブラの答えを教えてくれる。鳥の集まり方、飛ぶ向き、水面への入り方を追えば、ベイトと魚がどちらへ動くかが見えてくる。鳥を避けながら魚の進行方向へルアーを通すことが重要だ。

椙尾和義

キハダのナブラ撃ちでは、鳥を見ることが何よりも大切だと思います。

魚の姿がはっきり見えなくても、鳥を見ればどこに投げるべきか、魚がどちらへ動いているのかがある程度読めます。

鳥は、ベイトと魚の動きを教えてくれます。

鳥の集まり方、飛ぶ方向、ナブラへの入り方を観察していれば、魚がどちらへ向かっているのかが分かってきます。
 
魚の進行方向の先へ投げることは、ヒット率を上げるうえでとても重要です。

先頭にいる魚は食い気が高いことが多く、魚の前へルアーを入れられれば、バイトに持ち込みやすくなります。
 
また、鳥はナブラの後ろから前へ入っていくことが多いため、魚の進行方向へルアーを入れれば、鳥との干渉も避けやすくなります。

鳥が多いナブラでは、魚だけを見て投げるのではなく、鳥の動きまで含めてコースを決める必要がありますね。

ヒットしたキハダは元気がよく、最後まで気を抜けない

ビッグバイトを得た椙尾さん。どのようなことを考えながらファイトを展開したのだろうか?

椙尾和義

バイトは派手に水面を割るというより、吸い込むように、ひったくるように出ました。

ただ、ルアーはかなり深く口の中へ入っていました。

キハダは、黒潮が入ってきた影響もあったのか、かなり元気がよかったです。最初に30mほど一気に走り、その後も2回ほど走りました。

バイト後も冷静沈着。まずはプレッシャーを与えつつ、思い切り走らせる椙尾さん。
椙尾和義

ルアーは頭から口の奥へ入り、テール側が口先に残るような状態でした。

フロントフックは口の中に入り、ルアーがひっくり返るように飲まれていました。

キハダがルアーを丸飲み気味にしたため、ランディングまでのやり取りはかなり大変でしたね。

魚が船縁に寄ってからも、ぐるぐると回るように動き、素直に上がってきませんでした。

海も悪く、船が波を受ける状況だったので、なおさらやりにくかったです。
 
キハダは、最後に船下へ入ったり、船縁でぐるぐる回ったりすることが多い魚です。

その時にどう魚を上へ向けるか、どのようにテンションを保つかが重要になります。

魚が船下へ入る時は、ドラグノブを回して負荷を強くするのではなく、ハンドドラグでスプールを少し押さえ、必要な時だけ少し強く止めるようにしています。

幾度かのランをしのいだら攻守交替。ロッドを曲げ込み、魚を上に向かせていく。
椙尾和義

ラインを守りながら、魚を上へ向かせるために、状況に応じてスプールを押さえて対応するのがコツです。

ドラグは、PE5号、PE6号ともに6〜8kgほどを目安にしています。
 
ドラグを必要以上に締め込んで無理に止めようとすると、ラインやリーダーに負担が掛かります。

最後の攻防では、ロッドをしっかり立て、テンションを保ちながら、必要な時だけ少し強く止めることが大切です。

水面に浮いたキハダ。この段階でも最後の抵抗に備えておく必要性は残っている。

基本はPE6号タックル。ただ、PE5号タックルでも、50〜60kgクラスは狙える

PE5号とナイロン100lbでも、条件とタックルバランスが合えば大型キハダを狙える。ただし、余裕のある設定ではない。すべての要素を高次元でクリアして初めて成立するセッティングであることは覚えておきたい。

椙尾和義

この時のタックルは、PE5号にナイロン100lbのリーダーを組んだセッティングでした。

風が強く、ベイトも極端に大きいわけではなかったため、150mm前後、60gほどのプラグを投げやすいPE5号タックルを選びました。
 
風が弱く、180mmクラスや200mm近い大型ペンシルベイトを使うなら、PE6号タックルを使います。

大型プラグをしっかり飛ばし、より強いタックルで対応したい状況では、PE6号の方が向いています。
 
ただ、この日の海況、見えていたキハダのサイズを考えると、PE5号と100lbリーダーで問題はないと考えていました。

釣れたキハダは35kg前後で、見た目には37〜38kgほどにも感じる、よいコンディションの魚でした。

このくらいのサイズなら、PE5号と100lbリーダーこのセッティングで十分対応できると思っています。

椙尾さんがキャッチしたキハダはコンディションのよい38kgクラスだった。
椙尾和義

PE5号とナイロン100lbの組み合わせでも、50〜60kgクラスまでは狙えると思います。

もちろん、この場合は余裕があるというより、掛かれば何とかできるという感覚です。

メインラインだけが強くても、ロッド、リール、リーダー、ドラグ、アングラーの技術まで含めたタックルバランスが崩れていれば、どこかでトラブルが起きる可能性があります。

この時は、すべてのバランスが取れていたと思います。だからこそ、PE5号でも不安はありませんでした。
 
ただし、遠州灘で初めてキハダを狙う人や、最初の1本としてタックルを用意するなら、PE6号タックルを持っておく方が安心だと思います。

PE5号タックルは、小型プラグを使いたい時、少しでも飛距離を出したい時など、状況に合わせて出す2本目のタックルとして考えると使いやすいと思いますね。

風がある時ほど、ラインの扱いやすさが重要になる

風が強い日ほど、PEラインの扱いやすさがキャスト精度を左右する。低い弾道で投げ、着水後すぐにラインを水面へ置き、糸フケを抑える。その一連の操作ができなければ、ナブラのキワへ届いてもルアーは狙ったコースを通らない。ラインのセレクトはタックル全体の性能を左右する。

椙尾和義

ヒットさせたタイミングでは風があり、ベタ凪の時とは異なる配慮が必要になる状況でした。

風がある時は、ラインの特性がキャスト精度やトラブルの少なさに大きく影響します。
 
使用していたアバニ キャスティングPE SMPヒラマサチューン X8 は、コーティングがしっかりされていて、適度な張りがあります。

ベタつきが少なく、ガイド抜けがよいため、ラインがきれいに放出されます。

フェザーリングなど、着水するまでの糸フケを防ぐ技術も必須だが、着水後も素早くロッドを下に向け、ラインを水面につけるとさまざまなトラブルを防ぐことができる。
椙尾和義

風が強い時、ラインが「フワッ」と出るキャストでは、鳥にラインが絡んだり、思ったコースを引けなかったりすることがあります。

特に鳥が多いナブラでは、鳥との干渉を避けるためにもラインをしっかり水面へ付け、狙ったコースをしっかり通す必要があります。
 
ライナー性のあるキャストができれば、ラインを早く水面へ付けやすく、糸フケも抑えられます。

糸フケが出にくければ、ティップにラインが絡んだり、エアノットができたりするリスクも減ります。
 
風、鳥、船の動き、ナブラの移動を考えると、キャスト後のライン処理は非常に重要です。

いい位置へ投げられても、ラインが風で膨らみ、ルアーのコースがズレてしまえば意味がありません。
 
私が使っているロッドとガイド、リール、PEラインの相性はとてもいいと感じています。

ライン単体の性能だけでなく、ロッド、リール、ガイド、ルアー、キャストフォームまで含めたタックルバランスが、キャスト精度と飛距離を決めます。

キハダキャスティングでは、その全体のバランスを整えることが重要だと思っています。

アバニ ショックリーダーSMP[ナイロン]の伸びが、船縁での攻防を助ける

キハダとの勝負は、船縁へ寄せてからが難しい。距離が詰まるほど急な突っ込みの衝撃が直接伝わり、バラシのリスクも高くなる。伸びと耐摩耗性を備えたナイロンリーダーは、魚の動きをいなし、歯や船体との擦れにも備える最後の砦になる。

椙尾和義

私が愛用しているアバニ ショックリーダーSMP [ナイロン] は、一般的なナイロンリーダーよりも伸びがあり、クッション性を持たせられることが大きな利点です。
 
キハダは、ヒットした直後だけでなく、船縁まで寄せてからも暴れます。

最後に船下へ入ったり、ぐるぐる回ったり、急に反対方向へ走ったりします。距離が詰まった船縁での攻防は、特にバレやすい場面です。

キハダとの船縁での攻防。ガイドを上に向けラインと船体との擦れを防止する椙尾さん。
椙尾和義

魚が近付くほど、ラインが水中に入っている部分が短くなり、テンションが抜けたり、急な衝撃が伝わりやすくなったりします。

リーダーに伸びがあれば、魚の急な動きを受け止めやすくなります。
 
アバニ ショックリーダーSMP[ナイロン]には、トルクがあるような感覚もあります。

魚にとっては、ゴムを引っ張っているような状態に近いのかもしれません。

アングラー側には大きな負担がなくても、魚には負荷が掛かり、疲れさせやすくなっていると感じています。
 
実際に、今回も船縁で魚が沖へ走ろうとして途中で止まり、上を向いて横へ回るような動きがありました。

そのまま沖へ抜けてしまうこともある場面で、リーダーの伸びが魚をいなし、寄せる助けになったと感じますね。
 
今回キャッチした魚は、ルアーをかなり深く飲み込んでいました。

リーダーはキハダの歯に擦れ、表面には大きな傷が入ってもいました。

口の中でルアーが回転したためか、螺旋状に3〜4cmほどの傷が入っているような状態。金具から20cmほどの範囲には、複数の傷もありました。

それでも、最後はやや強引に寄せても切れませんでしたね。

このような飲まれ方の場合、リーダーには過酷な摩耗が生じてしまう。
椙尾和義

キハダの歯は、擦れ方によってはラインを傷めます。

口の中へ深く入ったルアー、歯との接触、船縁での少し強引なやり取りまで考えると、リーダーには単純な引っ張り強度だけでなく、擦れに対する強さも求められます。

今回のような状態でも切れずに魚を上げられたことは、リーダーの強さと、素材の耐摩耗性を感じられる場面でしたね。
 
オーシャンレコードショックリーダーも、アバニ ショックリーダーSMP[ナイロン]も、どちらも擦れに強いリーダーです。

ただ、キハダやクロマグロ、ヒラマサ、シイラ、カツオのように、最後まで暴れる魚を相手にするなら、伸びを使って魚のショックを吸収できるアバニ ショックリーダーSMP[ナイロン]は非常に安心でき、使いやすいと思います。
 
“魚を掛けても途中で外れることが多い”、“船縁まで寄せてからバレることが多い”、“船下の攻防でうまくいかない”と感じている人には、一度アバニ ショックリーダーSMP[ナイロン]を試してみてほしいですね。
 
ラインを替えるだけでも、ファイトのしやすさ、バラシにくさ、タックル全体のバランスは変わります。

伸び、擦れへの強さだけでなく、スイベルやスナップへの結びやすさ、FGノットの締め込みやすさまで含めて、アバニ ショックリーダーSMP[ナイロン]は非常に使いやすいリーダーだと思います。

ナブラ撃ちは一撃必殺。投げる前に不安をなくすことが重要

ナブラ撃ちは、一投で決まる可能性が高い。だからこそ、ナブラが出てから迷っていては遅い。あらゆる要素を常に確認し、いつでも振り抜ける状態を保つ。投げる前の準備が整っているかどうかが、キャスティングの精度を決めるのだ。

椙尾和義

キハダのナブラ撃ちは、ひとつのナブラに対して何投もできる釣りではありません。

実際には2〜3投できることもありますが、1投しかできないと思って臨むべきです。

ナブラが出た瞬間、魚がベイトを食っている場所へ正確に入れられれば、ヒットする確率は格段にアップします。

反対に投げる場所を外せば、そのチャンスは終わります。
 
ナブラは大きく見えても、魚が本当にベイトを食っている場所は限られています。

ナブラ全体へ何となく投げるのではなく、魚の進行方向、鳥の動き、ベイトが追われている位置を見て、ピンポイントへ入れる必要があります。

そのためには、キャスト技術も必要です。

見つけたナブラに向かって走る。このときに握るタックルには絶対的な信頼感がなければいけない。
椙尾和義

技術だけでなく、タックルバランスも同じくらい重要です。

ロッド、リール、ライン、リーダー、ルアーの組み合わせが整っていれば、狙った位置へ投げやすくなります。

ナブラが出た時に、ノットに不安がある、リーダーに傷がある、ラインにエアノットができている、ドラグ設定が不安、といった状態では、思い切って投げられません。
 
投げる時にひとつでも不安があるなら、先にその不安を解消した方がいいと思います。

ノットを組み直す。ラインやリーダーの状態や傷を確認する。ドラグを確認する…。

ナブラが出てから準備するのではなく、いつチャンスが来ても100%の状態で投げられるようにしておくことが重要です。
 
いざという時に、ラインが絡んだ、エアノットに気づかなかった、リーダーに傷があったということになれば、せっかくのチャンスを逃します。

キハダのナブラ撃ちは、一投を確実に入れるための準備が釣果を分けることになります。

ラインブレイクを避けるために知っておきたいこと

ラインブレイクには、事前の確認で防げるものと、避け切れないものがある。エアノットや傷は早めに処理し、魚が群れへ走る時は無理に止めず方向を変える。さらにサブタックルを備えることで、トラブルを次のチャンスまで持ち越さないことも大切だ。

椙尾和義

キハダキャスティングでラインが切れる原因には、自分で防げるものと、防ぎ切れないものがあります。
 
たとえば、エアノットは、ある程度自分で回避できるトラブルです。

キャスト前にラインを確認し、エアノットがあれば切って結び直す。これは当たり前のことですが、キハダキャスティングでは特に大切です。
 
一方で、魚が濃いナブラでは、ヒット後に魚が群れの中へ走り、ほかの魚にラインが当たることもあります。

魚が群れの方へ向かって走る場合は、完全に防ぐのが難しいこともあります。

そういう時は、ドラグを一気に締め込むより、ロッドを立てて対応する方がよいと思います。

ロッドを立てるだけでも、魚に掛かる負荷は変わりますから。
 
無理に止めようとすると、ラインやリーダーが切れる可能性があります。

魚の進行方向を見ながら、必要なら少しロッドを立て、魚を群れから外すように引っ張ることをおすすめします。

完全に止めようとするのではなく、走る方向を変えさせる意識が大切です。

サブタックルを含め、セッティングは万全に。チャンスは少なく、その時間も短い。
椙尾和義

魚が濃いナブラに当たった時は、ほかの魚にラインが当たることも含めて、いいナブラに当たった証拠だと考えることもできます。

不可抗力のトラブルはありますが、できる限りのチェックと準備をしておくことでトラブルは減らせます。
 
同時にキハダキャスティングではサブタックルを2〜3本用意しておいた方がいいと思います。

ラインブレイク、ルアーロスト、ノットの組み直し、ほかのアングラーとのライン絡みなど、釣りをしていれば想定外のことが起こります。
 
キャスト時に自分のラインが仲間のラインと絡む、フックがラインへ刺さる、鳥が絡む。

こうしたことは、どれだけ気を付けていても、起きる時があります。

そういう時にすぐ次のチャンスへ対応できるよう、複数のタックルを用意しておくことが大切ですね。

遠州灘は、コンディションのいい大型魚に出会えるフィールド

遠州灘でのチャレンジを終えた椙尾さん。あらためて感じたその魅力とは?

椙尾和義

遠州灘は、とりわけ潮に左右されるフィールドです。

潮が悪ければ難しい日もありますが、潮がいい方へ振れた時には、本当に楽しい海になります。

狙い通りに仕留めた椙尾さん。百戦錬磨の手練れを笑顔にする魅力がある。それが遠州灘のキハダキャスティングだ。
椙尾和義

魚のコンディションがよいのも特徴です。

今回キャッチしたキハダも、各部のヒレが長く、非常にかっこいい魚でした。

相模湾では、同じくらいのサイズであっても、ここまでヒレが長い魚はあまり見ないですよ。

遠州灘では、60kg、70kg、80kgクラスまで狙える可能性があります。

70〜80kgのキハダとのファイトは、100kgのクロマグロと同じくらいの特別な経験になると思います。
 
関東からも極端に遠い場所ではありません。

大型でコンディションのいいキハダに出会える可能性があり、カツオやビンチョウまで含めたキャスティングゲームを楽しめるフィールドが遠州灘。

時期によっては出船できる日が限られることはあります。
 
それでも、フィールドが広く、競争が少なく、魚のサイズにも夢がある遠州灘は、とても魅力的な海だと思います。

キャスティングゲームが好きな人には、たまらないフィールドではないでしょうか。

椙尾和義の遠州灘キハダキャスティングタックル

椙尾さん愛用の遠州灘キハダキャスティング用タックルをご紹介!

PE5号用 タックル

タックル詳細
ロッドシマノ/
オシア フルスロットル or リミテッドS83M
リールシマノ/
ステラSW10000HG
メインライン【バリバス】
アバニ キャスティングPE SMPヒラマサチューン X8 5号300m
ショックリーダー【バリバス】
アバニ ショックリーダーSMP [ナイロン] 100lb(約3m)

PE6号用 タックル

タックル詳細
ロッドシマノ/
オシア フルスロットル or リミテッドS83MH
リールシマノ/
ステラSW14000XG
メインライン【バリバス】
アバニ キャスティングPE SMPヒラマサチューン X8 6号300m
ショックリーダー【バリバス】
アバニ ショックリーダーSMP [ナイロン] 120lb(約3m)

PE3号 ライトタックル

タックル詳細
ロッドシマノ/
オシアプラッガー ライトコンセプト S83ML
リールシマノ/
ステラSW 8000XG
メインライン【バリバス】
アバニ キャスティングPE SMP X8 3号300m
ショックリーダー【バリバス】
アバニ ショックリーダーSMP [ナイロン] 60lb

ルアー

メーカー詳細
サプライズスギポップスリム180、150、スギペン185、160、スギペンシンキング150、125、
シマノオシア バブルディップ180Fフラッシュブースト、オシアペンシル別注平政160F、145F、オシア ヘッドディップ175F、140Fフラッシュブーストなど

取材協力

撮影協力

静岡県湖西市 「遊漁船ジャンキー」 

浜名湖から出船する、遊漁船「ジャンキー」。
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