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その他 スタッフ 諸井

PEラインの下巻きの有効性

モーリス スタッフの諸井です。
皆さんはベイトキャスティングリールにどのように糸を巻いていますか?

VARIVASから、ベイトキャスティングリール(以下、ベイトリール)への糸の巻き方とPEラインの下巻きの有効性についてご提案です。使用頻度の高い約8~16gのルアーに使用するリールで解説します。(シャロースプール、ベイトフィネスリールは除く。)

まず、基本事項を押さえておくと…

・ベイトリールのブレーキについて
ベイトリールはバックラッシュ防止のため、最初の『初速が出てスプールが高回転になりすぎる状態』を抑制するブレーキが搭載されています。ブレーキによって回転数が安定した後は、スプール自体の慣性によって回転します。

・飛距離とキャストフィールに関わるスプールの重さについて
重いスプールは、回転数が上がりにくく、重量があるのでブレーキが効きにくく、
軽いスプールは、回転数が上がりやすく、軽量なのでブレーキが効きやすいという特徴があります。

・糸巻き量によって軽量化を図る
当然ですが、糸を巻いた分だけスプールは重くなります。『スプール自体の重さ+糸の重さ』です。
前述の通り、スプールは軽い方が良いので、釣法に応じた必要な長さだけを巻くことで、スプールに目一杯巻いた時と比べ軽くできます。
特にモノフィラライン、その中でもフロロカーボンは比重が1.78と重く、糸巻き量を少なくすることでの軽量化の恩恵は大きいと言えます。

・スプールに巻いた糸の”かさ”について
『重さ』の観点から糸巻き量を少なくすると、”かさ”が少なくなります。
一見軽くなって良いように思いますが、『”かさ”が少ないことのデメリット』があります。
同じ長さ分の糸を出すと仮定すると、円周が小さい方がスプールの回転数は増えます。
同じスピードで糸を出した場合でも、同様に円周が小さい方が回転数は増えます。
『高回転になる=ブレーキを強くする必要がある』ということになりますし、
糸巻き量を少なくしてスプールが軽くなっているので、ブレーキは効きやすく、すぐに失速してしまう状態になります。
(円周が小さいことで、糸に巻きグセがつきやすくなったり、”ハリ”の強いラインではスプールから糸が浮きやすくなってしまったりするデメリットもあります。)

逆に言うと、下巻きを行い『”かさ”を上げる』ことで、同じ飛距離飛ばす時、円周が大きい方がスプールが高回転になりすぎないわけです。さらに、円周が大きいことで、ハンドル1回転あたりの巻取り量が減らないというメリットもあります。

さて、ここまでの考え方を総合すると、『軽くしたい』けど糸巻きの『”かさ”は減らしたくない』という矛盾が生じます。

そこで、折衷案に辿り着くのが『下巻きはするが極力軽い素材で』という考え方です。比重が0.97と軽いPEラインを下巻きすることで、0.1gでも軽くすることができ、高回転になりすぎず、ブレーキを弱くすることができ、飛距離UPとキャストフィール向上につながります。

一例として、実際の重さを測ってみると…

↓スプールだけだと15.6g。

ちなみに、今回使用するスプールは、12LB.のラインを100m巻ける表記のもの。

↓100m目一杯まで巻くとこんな感じ。スプールと糸を合わせて27.7g。ラインって以外と重いんです。

↓必要な分(今回は75m)だけ巻いたものは25.3gになりました。2.4gほど軽くなりましたが、この状態では”かさ”が少ないですね。

糸巻き量をスプール目一杯ではなく必要な分量だけ巻くことで、スプールを軽くすることはできました。

↓最後に、PEライン 1号の下巻き + 12LB.フロロ 75mは、26.6g。

ちなみにガノアAAAのセンターマーキングで75mぴったりに巻けました!
かさ上げの目的があるので下巻きのPEは1号以上が向いていると思います。ただ、下巻きのPEとメインラインの結びこぶを小さくしたいので、使用するラインの太さとお使いのリールの糸巻き量と相談しながら決めてみてください。

さて、ベイトリールへの糸巻きについての考察、いかがでしたでしょうか?
リールの性能を最大限引き出し、毎投のキャストフィールが良くなれば、釣りに集中でき、結果的に釣果に繋がると私は考えています。前述の『ベイトリールのブレーキについて』を理解して、リールが一番性能を発揮する『おいしいところ』をうまく使うために、糸巻きの工夫をしてみると面白いですよ。

もちろん、お使いのリール、搭載されているスプールとブレーキシステムによっては当てはまらないこともあるかと思いますが、皆様のリールやラインとの付き合い方の手助けになれたらうれしく思います。

以上、スタッフ諸井の『PEラインの下巻きの有効性について』でした。

VARIVASフィールドテスターでZPI社プロアングラー伊藤雄大さんもPEラインの下巻きについて動画にて詳しく解説されているので、参考にしてみてください!

過去のフィールドレポート記事中で掲載している製品は、
廃盤品として現在取り扱いを終了している場合がございますので予めご了承ください。