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ソルトルアー 林公洋

鳴門海峡の寒ブリ・サワラジギング

昨年秋から鳴門の海が賑やかです。中でもジギングで狙うブリ、メジロ、サワラがその主役です。淡路を挟んで明石海峡でもすっかりメインターゲットとして人気の釣り。1月8日、背景に見える自宅前からマイボートで出陣。今日は下げ潮狙いの為、紀伊水道(太平洋側)のポイントを目指す。わずか15分程のクルージングでブリが釣れる自宅環境は他人がうらやむ程恵まれている。加えて画像周辺はティップランで連日沢山のアオリ烏賊が釣れるし、鯛・チヌ・ハマチ・スズキ・ヒラメ・カレイ・メバル・アジなど、小鳴門海峡と呼ばれる速い潮流が多種多様な釣りを楽しませてくれる良い釣り場が膝元にある。磯から鮎まで一年中釣り三昧で仕事帰りや休日を釣りで楽しんでおります。

北西方向に大鳴門橋を望みながら目指すポイントまで後1マイル程、満ち潮を釣る場合は渦潮轟く海峡を越え瀬戸内海側をやる。通称ゼンサと呼ばれるポイント。例年どちらも素晴らしい実績がある。満ち引きによって双方を潮に合わせて移動すれば風波が凪の日和であれば丸一日楽しめるのが鳴門の魅力。又、有名な渦潮逆巻く激流に揉まれた魚は引きも食味も格別である。

プロの漁師・遊漁船・プレージャーボートで、シーズン中の休日とも成ると100隻を越える大船団と化す。画像の様にスパンカーを立てての流し釣りが此処のスタイル。潮が走り出すと誰彼なしに流しては上り船団の移動が繰り返しで始まる。状況が良い日にはそれに伴い手繰りで又竿でとあちらこちらで忙しい程にやり取りや取り込みを目にする様になる。至福の時間だ。
この周辺でのブリ・サワラ狙いはこの時期水温が大きく影響する。当日は11.6℃。私はおよそ11℃位が限界と観ている。それ以下まで下がるとブリなどは南に降りて行き海峡から気配が無くなる。正に1月が最終局面である。
水深は140m~浅い駈けあがりで35m程であるが大鳴門橋より南東に3マイル程の80m~50mのエリア周辺を通す引き潮本流を中心に狙う。今釣れるブリなどは超メタボで釣りごたえ十分、潮流が速く水深が有り10キロを超えるサイズになると取り込みはかなりハード。今時期鳴門の寒ブリは脂乗り非常に美味、又、『デカトロサワラ』こと特大サワラは、炙りに刺身にとろける旨さで人気がある。この時期の大きい物だと一本2万円程もする超高級魚である。

やりました鳴門の寒ブリ!! 自己記録に体長こそ3cm届きませんが1m07cm、14.3kgは重量で自己新(昨年1月10日 1m10cm 13kg)。
水深65mにジグ着底後二シャクリ目ヒット。アバニ ジギング10×10 マックスパワー 2号、リーダー バリバス ショックリーダー30LB.、セリオラ アシストフック skツイン3/0、250gのタチパターンジグ。当日は単独釣行だった為、格闘の模様が画像でお伝え出来ませんが細仕掛けの為ラインの角度に注意し操船。糸の出し入れを繰り返しながらやっとの事で獲り込み、針を外し魚を絞め血抜きの為イケス納めデッキ洗い流し「サーもう一本」と潮上に目をやれば船団は遥か彼方に見える程流されていた。スロットルを上げてGPSプロッターの画像でもう一度同じ航跡をなぞり上がり再度ジグ投入。何度かのシャクリ~ホールの繰り返し…又してもヒット。今度は少々強気であしらい11kgジャストのブリを獲った。潮が緩んで来てからは紀伊水道の守護神、サワラ狙いにターゲットを絞る。ジグの側に60LB.を50cm繋ぎ、サワラ対策を施すが…これとて安心とは言えずリーダー絡めてバイトされればおよそハサミで切れる糸は例外なく時として何の感触も残さずラインブレイクする。

若干ジグを飛ばし気味のスローピッチジャーク。ホールでヒット。1m10cm 6.7kgの特大サワラ。アシストがズタズタでブレイク寸前。正に首の皮一枚であった。更に75cm 2.3kg追加。今シーズンは私の知る限り1m20cmという特大サワラも出ている。コイツに依るジグのロストは税金みたいなもの。毎度の様に他船も同様にジグが餌食となるシーンが各所で見受けられた。高価な物は絶妙のスイムバランスに因るアピールで特にヒット率も高いが、それに伴いリスクも高くつく。一体どれ程海底に眠っているのだろう。1本数千円×3本4本当たり前…。痛い出費である。

余談ではあるが、最近この海域に大変なことが起こっている。
なんと『マグロ』です。数匹が沖合を跳ねる目撃情報が噂される様になり、私の実家は代々、瀬戸内で漁業営んでいますが、昨年初めてマグロ(20数kg)が網に入っていたのです。たまたまかと思いきや頻繁に海峡筋まで現れる様になり、サワラの曳き釣りに喰っただの、トップウオーターで喰わしただの情報が飛び交っており、マグロ目当てで遠征客や漁師まで加わり連日群れを追って右往左往のお祭り状態。1月13日現在では、30kgクラスですが私の知人等複数人が獲っています。私も一度フッキングさせ、しばらくはボートで追走しましたが、持ち合わせのタックルでは全く歯が立たず悔しい思いをしました。でも長い釣り人生の中でこれほどの興奮を初めて味わいました。本格的に狙ってみる価値はありますが、それなりの準備と研究を要します。50kg程の黒マグロで100匹以上の群れであると1月9日付けの地元新聞紙上で漁協や水産研究所のコメントが掲載されました。連日小魚を追って水面を盛んにジャンプしています。全国を広く見渡せば別に大した事で無さそうではありますが、黒潮から程遠い鳴門でそれもこれ程大きな黒マグロの群れは非常に珍しいともありました。これも温暖化の影響か何かの異変の前兆か、特大ブリにマグロ、この鳴門を含め海はどうなっているのだろうか? 期待が膨らむ半面少し複雑な心境と言うのが本音です。

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廃盤品として現在取り扱いを終了している場合がございますので予めご了承ください。