マイカ25cm

この夏、越前沖から小浜沖に掛けての日本海で、密かに盛り上がっているナイトゲームがあるのです。「大人の夜遊び」なんとも魅惑的なネーミングを付けたのは、越前茱崎（えちぜんぐみざき）港のジギング船DEEP OCEANの浜野キャプテン。さてその内容は・・・。

この地方では初夏から晩秋までの時期、夜漁火を灯してのマイカ（ケンサキイカ）釣りに人気があり、地元北陸はもちろん東海や関西からも多くのアングラーがやってきます。
従来のタックルは3m前後の長い胴調子のロッドに電動リール、仕掛けはオモリ80号で5～8本の浮きスッテを使ったタイプが主流でした。そこへこの夏、30g前後の鉛スッテや、ティップラン用のエギを使ったゲームフィッシングが登場したのです。ライトタックルに仕掛けもシンプル。当たりを取って掛けていく釣り面白さに加えて、良い日には100杯超の釣果も出ることから、ジワジワと人気が出始めたのです。
そんな「大人の夜遊び」に、9月10日行ってきました。

北陸自動車道敦賀インター経由で海岸線を走り、越前灯台のある岬を回って数分のところに越前茱崎港はあります。敦賀インターから1時間弱の距離でした。現地で合流した釣り仲間3人でDEEP OCEANに乗り込み、西に陽が傾き始めた18時出船です。

出航前

ジギング船 DEEP OCEAN

この釣りでは専用のタックルも確立されておらず、釣り人が試行錯誤しながら楽しんでいるのが現状。当日も、アオリイカを狙うティップランのスタイルをそのまま持ち込むお客さんから、メバリングロッドやテンヤマダイロッドさらにキス竿に鉛スッテをセットしたりと、みなさん自分流に遊び道具を持ち込んでいました。
私がセレクトしたのは、『ViOLENTE スーパーライトゲームモデル』の中でもメガアジをターゲットにして出ている『VLSL-80-SS MAH』です。これはソリッドティップの感度が良く、さらにエギやスッテをしゃくるための必要なパワーもあることから、この釣りに向いているのではないかとロッドテストを兼ねて使ってみました。
さらにこの釣りには小型のケンサキイカがスッテを触ってくる微妙な当たりが取れ、タナを正確に把握できるPEラインも必須です。『VARIVAS LT船』の0.6号は、感度・強さに加えて１m毎のマーキングが入り最適なラインでしょう。2500番のスピニングリールに『VARIVAS ライトゲームショックリーダー フロロカーボン』の8LB.を1mほど結びます。
仕掛けは、リーダーの先にマイクロスナップを介して鉛スッテ1本を付けた超シンプルなものです。鉛スッテもこの時期であれば、水深や潮流にあわせて8号から15号までが有ればOK。形や色を選ぶのはアングラーの好みで、私は8号のレッドヘッド、いわゆる「赤帽子」のスッテからスタートしてみました。

夕暮れと漁火

港を出て10分ほどで水深40ｍほどのポイントに到着。すぐにアンカーが降ろされ、ナイトゲームのスタートです。しかし、明るいうちはイカが集まってこないため、船上はノンビリムードです。やがて海上が暗くなり遠くに漁火が点々と見え始めたところでDEEP OCEANの集魚灯にもスイッチが入り、いよいよ大人の夜遊び本番の始まりです。
船中１杯目が右舷で上がったのを確認し「じゃあ、そろそろ始めますか」と仲間同士声を掛け、30ｍほどのタナからリサーチスタート。ロッドをシャクリ上げたところからフォールしていると、フワッと軽くなる当たりが出て胴長20cm前後とこの日のアベレージサイズが乗ってきました。「幸先良いですよ」と時計に目をやると18時48分。ここからマイカフィーバーがスタートすることになったのです。
誘いとしては、タナまでスッテを下ろし、2段、3段でシャク上げ、スッテが水平フォールしながらユラユラと舞い降りるイメージで誘うパターンで当たりが頻発しました。誘い下げた後のステイで、モヤモヤっと触るパターンでも掛ってきます。小さな当たりを取って合わせるため、どうしても胴長20cmほどの小型が多くなったのですが、はっきりとした当たりが出るまで待った釣り人には胴長40cmほどの良型も乗っていました。
「数ねらうとどうしても小型が多いし、良型の当たりがでるまで待てれば大きいけど、数と大きさの両方を狙うのは難しいね」と船長も言うように、微妙な当たりで掛けていくと胴長20cmがアベレージになってしまうようです。しかし、この『ViOLENTE のVLSL-80-SS MAH』を使っている限り、トップや手元に当たりが出てしまうんです。当たりが出れば合わせを入れるのが釣り人の性なので・・・。

（キャプション：鉛ステッチ）

日本海ではマイカ、関東ではマルイカ、三重ではアカイカと呼ばれています。

私自身この釣りをするのが2度目の釣行ですが、タックルバランスが合って釣果は小型が主でしたが154杯と絶好調。30杯に満たず苦戦しているアングラーも居ましたが、この夜遊びに合うロッドとラインを選択すれば釣果もアップするはず。この日本海のマイカゲーム、今年はまだまだ行けそうです！

154杯の釣果。胴長15～25cm

現状では、このマイカゲームをさせてくれる船宿は限られていますが、ジギング船を中心に徐々に増えているようです。船長自身もまだこのマイカゲームは試行錯誤の段階と言っていますから、今後はさらに奥の深い夜遊びが続きそうです。

[問合せ]
越前茱崎：DEEP OCEAN　 090-3299-5397
敦賀市白木漁港：俊栄丸　 090-8968-0565
小浜市マリンステーション小浜：F-cloud（エフークラウド） 090-3359-7758