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フライ 吉田 俊彦

中禅寺湖 岸から狙うレイクトラウト

トラウトのメッカと言われる栃木県日光市の奥日光エリア。
なかでもひときわ熱狂的なファンが多く聖地と呼ばれるのが中禅寺湖です。
今回は南岸の遊歩道を使ったトレッキング&フィッシングをご紹介しましょう。
 
私は4月1日に解禁して10日が経過した中禅寺湖に釣行しました。
トラウトの餌となるワカサギの接岸を期待して山側をトレッキングしながらポイントを探す作戦です。
まずは歌が浜の越後屋さんで遊漁回数券を購入。
駐車場に9時半過ぎに到着し、湖岸の遊歩道を数キロは移動するためトレッキングシューズに履き替えました。
登山用のザックにお弁当とウェーダーを詰め込み、万一のクマとの遭遇に備えて腰には剣ナタを装備。
一路最奥地の大日崎を目指し10時前に歩き出しました。
 
この時間帯は早朝から釣っていた釣り人がポイント移動するタイミングなので、何人もすれ違う度に挨拶することになります。
不思議なもので交わした声で良い釣りをしたか分かります。
むじな窪まで来たときに陽気な男女3人組と挨拶しました。彼らの声は弾んでいました。
聞けば全員がルアーで50㎝オーバーのブラウントラウトやレイクトラウトを釣ったとのこと。
「朝方に八丁出島で釣りました。風が強くなって今は釣り人いませんよ」この一言で八丁出島の先端をめざすことにしました。
私にとって風はチャンスだからです。
 
もはや道とはいえない湖岸の踏み跡をたどり先端に到着。
利き手側からの風を利用し、オフショルダーキャストで20メートルほど沖合に向けフライを運びました
5メートル先にあるかけ上がりを意識して10秒カウントダウン。
ゆっくり長く3回リトリーブしたところで前当たりがあり、4回目で根掛かりしたかのような重量感。
これはやっちゃったかなと思いロッドを立てようとするとガクンガクンと地球が動いたような重い感触。

▲レイクトラウトの非常にトルクフルなファイト!

ヒット後しばらく悠然と泳いでいた魚が、突然沖に向かって走り出しリールの逆転音が鳴り響きます。
スピーディーな走りを数回繰り返したあと、今度は深く潜りロッドを満月にするトルクフルなファイト。
数分の間、私は水中の岩に巻かれないようにロッドを高く掲げ対抗しました。
やっと水面に現れたのはヒレピン70㎝オーバーのワイルドなレイクトラウト。なんとか浅瀬に誘導し勝負がつきました。
 
興奮冷めやらぬまま手をよく水に濡らしてから、慎重に写真撮影しました。
リリースするとゆっくりと湖底に戻っていく姿がとても印象的でした。

▲鰭ピンのレイクは圧倒的な野性味

▲天然繁殖するレイクトラウトは中禅寺湖の象徴的存在だ

中禅寺湖は東日本大震災以降キャッチ&リリースが定着し、ほとんどの釣り人がリリースを慣行しています。
トラウトのメッカだけあって対象漁もヒメマス、ホンマス、ブラウン、レインボー、レイクと豊富。
しかし依然として中禅寺湖で岸から魚を釣るのは難しいと言う人が多いのも事実です。
一つの原因としてリリースを繰り返された結果、賢く敏感な魚が増えたこと。
だからなるべく立ち込まないように釣ればヒット率は向上させることができます。

▲タックルは古いがラインシステムは最新で最強だ

静かに釣るための私のラインシステムは、シングル用の#7WFシンキングタイプⅢに
リーダーはVARIVASテーパードリーダーFHTスティルウォーター3Xを使用。

▲ヒットフライはゾンカー#4
バーブレスフック使用がルールである

ワカサギストリーマーの静かで完璧なターンを実現しています。フライはキールバーブレスフックVARIVAS2510に巻いたグレーゾンカー。
そして忍者のように気配を消して行動することで、
どこか神秘的な中禅寺湖のトラウトたちにあなたも出会うことが出来るでしょう。(了) 
中禅寺湖漁協組合 遊魚期間と料金はこちら

▲良い釣りをいつまでも…

写真と文=吉田俊彦

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