夏には夏の魅力があり、夏ならではのエキサイティングなゲームが楽しめる。
2025年シーズンが開幕した玄界灘のそんな「夏マサ」について、サンライズ田代誠一郎船長にその概要と魅力、そして攻略法を改めて解説してもらおう。
夏の玄界灘でヒラマサを狙う

九州玄界灘。対馬暖流洗うこの海域は、今回のターゲットであるヒラマサをはじめ、ブリやクロマグロ、豊富な根魚類など、多種多様な魚たちを育む豊穣の海。そんな魚たちを狙って、全国各地から多くのアングラーが周年詰めかける大人気フィールドだ。
なかでもヒラマサ。とくにキャスティングゲームにおいて、ここ玄界灘は聖地ともいえる場所。春のシーズンは春マサ、秋のシーズンは秋マサと呼ばれ、ヒラマサ二大シーズンとして非常に人気が高い。
では、夏にヒラマサは釣れないのか?
答えはノー。もちろん狙うことができる。佐賀・呼子港に拠点を置くサンライズの田代誠一郎船長によると、
「デカいの出ますよ。10kgオーバーがバンバン来ます」と言う。
実は、夏マサは他のシーズンにはない、夏ならではのエキサイティングな魅力をたくさん持ちあわせているというのだ。ただ、夏には夏の注意点もある。
そこでここでは、サンライズ田代誠一郎船長に、玄界灘の夏マサ攻略における重要ポイントを聞いた。


玄界灘における夏マサキャスティングゲームのシーズン
夏マサのシーズンは例年ではいつ頃からスタートしますか?

夏マサシーズンの前である春マサのシーズンは、ヒラマサが産卵に入ってだいたいゴールデンウイークぐらいの潮でいったん終わります。
それからしばらく間が空いて、トップではヒラゴ(小型のヒラマサ)しか釣れなくなります。
そして6月末ぐらいになるとだんだん復活してきて、ナブラを追いかけはじめます。これが夏マサです。
夏マサは例年6月の新月の大潮回りからスタートして、私のイメージでは、9月いっぱいぐらいまで続きます。
夏マサシーズンのベイトは主にトビウオ、ダツ、シイラですが、初期はサイズが小さいのが特徴です。
そのあと10月頃からがいよいよ秋マサシーズンという感じで、この頃になると、ベイトの種類はダツ、シイラがメインでトビウオはいなくなる傾向にあり、シイラやダツのサイズが大きくなって来るのが特徴です。
ちなみに私のなかでは、12月、1月、2月が冬マサというイメージです。冬マサは、どちらかというと穴場です。
デカいのがいっぱい釣れますよ。1月2月は特にいいです。






夏マサ狙いのポイントの特徴
夏マサシーズンはどんなポイントを狙いますか?



夏マサのポイントは春に釣れていた場所で釣れるかといえばそうではなく、凄く限定されます。岸寄りですね。
岸寄りで水深が浅く、潮の流れの速い場所で釣れることが圧倒的に多いですね。
それから、夏マサはナブラが凄く、春よりナブラになることが多いように感じます。
ポイントを流しているとヒラマサのサイズを問わずよく湧きますので、見た目は凄くおもしろいですよ。
しかも、湧いているところの水深は20mから5mぐらいのところですから、キャストする前、食わせる前から浅いというのがアングラーには分かっているので、投げる前からドキドキです。
とくに掛かった後はかなりエキサイティングです。
さらに、夏マサは引きが強いと感じる人が多いのも特徴です。
ポイントの水深が浅いためヒットしたところから根が近いので、アングラーは「根ズレする、切られる」ということが常に頭にあります。だから本人が焦ってしまうことも影響しているのかもしれません。
それにプラスして、ヒラマサが凄い力を出すのかもしれません。
目の前に根があるから逃げられる! というふうに思うのかは分かりませんが、火事場のクソ力じゃないですけど、そういう力が発揮されるのかもしれませんね。
根から何十メートルも離れていたらヒラマサも諦めてしまうのかもしれませんが、そういうヒラマサの気持ちが引きの強さに表れている気がします。
いずれにしても、そんな感じですので夏マサシーズンは春よりも早いファイトが要求されます。




夏マサ狙いのタックルとルアーセレクト
玄界灘の夏マサ狙いでは、どんなタックルやルアーがオススメですか?



先にも言いましたように、夏マサシーズンのベイトは主にトビウオ、シイラ、ダツで、シーズン初期は、トビウオもシイラもダツもベイトのサイズが小さいので、ルアーは平均20cmぐらいでいいと思います。
ただ、浅いところでのヒットが多いので、タックルはちょっと太めになります。
私は、ロッドは25オシアプラッガーリミテッドS88HとS83H(NEW)。リールは25ステラ14000XGです。
PEラインは6〜8号、場合によっては私は10号も使いますので、その太さでも十分に飛距離が出せる性能のラインやタックルを使うことが重要です。
そこで私は、PEラインは太めのタックルで小さめのルアーを投げても飛距離が出しやすい、アバニ キャスティングPE SMP ヒラマサチューン X8を使っています。
リーダーはオーシャンレコードショックリーダーの120〜150LBです。
ラインは常に新品を巻いて来てくださいね(笑)、とまではいいませんが、ラインのコンディションには常に気を遣っていただけるとよりいいと思います。
ドラグテンションも結構かけますので、フックもそれなりの強度が必要です。したがって、プラグはたとえば#3/0から#4/0サイズを使えるものがいいですね。
夏マサシーズンはデカいのが出ます。10kgオーバーがバンバン来ますよ。




玄界灘の夏マサ攻略ルアーアクション
夏マサ攻略ではルアーアクションにも何か特徴はありますか?



夏マサ狙いのルアーアクションは、基本はワンピッチワンジャークでOKです。
そして、案外有効だと思うのは、ノンストップジャークです。
コツとしては、ナブラが出ているときは比較的速めに引いていいかな、と思います。
また、夏は昼間の潮の流れが凄く速いので、船も速く流れます。
やはり、ルアーを速めに引くことが多いですね。
したがって、リールは必然的にXGタイプになります。






リリースする際は協力して迅速に! 夏マサ狙いのアドバイス
その他、夏マサ狙いで何かアドバイスがあればお願いします。



暑い時期ですので熱中症対策はしっかりとしていただきたいのと、移動中などタックルは潮を被りますのでラインやリーダーに対する気配りもできるといいですね。
PEにシュッ!はたっぷりと吹きかけてくださいね(笑)
夏マサは朝マヅメと夕マヅメにチャンスタイムが多く、日中は暑くて意外と休憩時間(ヒラマサキャスティングとして)も多いので、アカハタ狙いなどのライトジギングタックルもあるといいと思います。
あとは、ポイント移動中などにカツオがいるかもしれないので、カツオ狙いのタックルも必ず持参してください。
最後に皆さんにお願いですが、夏マサは産卵後で体力的に弱いので、リリースする場合は皆で協力して迅速に行えるようお願いします。
田代誠一郎タックル
田代誠一郎船長が使用していたタックルデータをご紹介。
タックル | 詳細 |
---|---|
ロッド | シマノ/ 25オシアプラッガーリミテッドS88H、S83H(NEW) |
リール | シマノ/ 25ステラ14000XG |
ライン | 【バリバス】 アバニ キャスティングPE SMP ヒラマサチューン X8 6〜10号 |
ショックリーダー | 【バリバス】 オーシャンレコードショックリーダー 120〜150LB |
ルアー | シマノ/オシア ダイブフラット200F JESSICA/Ruddy 200F 85g |
告知
「アバニ キャスティングPE SMP ヒラマサチューン X8」が定番化!
STC-Wコーティング(スムーステック+独自の樹脂コーティング)の採用により、キャストトラブルの発生率を大幅に低減。海水によるベタつきやラインへのダメージを長時間にわたって抑えてくれる。
さらに、ファイト中に発生するガイドとの摩擦から原糸を守る効果も高く、2重に施されたコーティングの恩恵は大きい。
気になる方は、ぜひ一度その使い心地を試してみてほしい。


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