和歌山紀北エリア タイラバ実釣解説|田中亜衣が語るX9の特徴と優位性

タイラバの名手、田中亜衣さんがホームグラウンドの紀北エリアを舞台に「マックスパワーPE X9レンジマスター船」の優位性を伝授!

実釣を通して確認したその実力の数々!詳細にお伝えします。

目次

田中亜衣が考えるタイラバの面白さ

まず基本的なところからお願いします。田中さんにとって、タイラバの面白さとはどんなところにありますか?

田中亜衣

ひと言で言うのはなかなか難しいですが、すごく簡単、でも奥が深すぎる!というほど深いところです。

入口は本当に広いです。

タイラバは釣り方としては「落として巻くだけ」。これに尽きます。

ただ、この言葉の重みが、やればやるほど分かってきます。

私は25年くらいこの釣りをやっていますが、いまだに全貌が見えません。
 
俯瞰で全体を見るというより、目の前のことにどんどん熱くなっていく釣りだと思います。

奥が深い釣りはどの魚種でもそうなりがちですが、タイラバもまさにそうですね。

プロアングラーと遊漁船(F×F KIX)船長という2つの顔を持つ田中亜衣さん。
田中亜衣

私は釣り人の立場としても、船長の立場としても、いろいろな角度からタイラバという釣り方を見ていますが、すごくコミュニケーションが取りやすい釣りなことは確かだと思います。

動きとしてはボーッとしているように見えて、皆さんものすごく集中しています。

誰かが掛けたら「当たった、当たった。来るで、来るで」という雰囲気になって、船全体が一体になる。

チームプレーのような部分がありながら、そのなかで誰が一番になるか?という楽しさもあります。
 
関西でタイラバが長く続いている最大の理由は、そういった独特の楽しさにあるのかもしれません。

タイラバ人口も多いので、そこで釣れば自慢できる。

メジャーカテゴリーになったからこそ、さらに面白くなっている部分もあります。

タイラバフィールドとしての和歌山県・紀北エリアの特徴

田中さんのホームグラウンドでもある紀北エリアは、タイラバフィールドとしてどのような特徴がありますか?

田中亜衣

ざっくり言うと、和歌山県の一番北のエリアです。

大阪と和歌山の県境に近い本州と、淡路島の間に沖ノ島、地ノ島、2つの島を合わせた友ヶ島があります。

その周辺の海峡が紀北エリアです。地形や海流が複雑で、外海とは違う面白さがあります。

淡路島と本州の間の絞られた海域に位置する2つの島が複雑な海流を生み出す紀北エリア。
田中亜衣

このエリアは旧暦にリンクして潮が動きます。旧暦の1日は毎月同じような動きをします。

何時に転流するとか、こちらでは転流しているけど、こっちのほうが下り潮が早く来るというように、複雑な地形のなかで意外と規則正しく潮が動きます。

システマチックに潮が動くので、そのとき一番よい場所を狙っていくわけです。
 
紀北エリアの魅力は、外海の影響を受けるところにもあります。

特に水温です。真冬でも暖かい水が上り潮で入ってくると、水温が一気に2度ぐらい上がることもあります。

そうすると、ほかでは考えられないぐらい浅場でタイが反応することがあります。とにかくゲーム性が高いエリアです。

アングラー各々がどこまで理解しているかは分かりませんが、その人なりのゲーム性を楽しんでもらえると思います。

船を風と潮流に立てて流すのが紀北エリアの基本スタイル。

和歌山県・紀北エリアのタイラバシーズン

紀北エリアにおけるタイラバのシーズンについて教えてください。

田中亜衣

紀北エリアでは1年中タイラバを楽しめます。大きい魚が出やすいのは2月、3月初旬ぐらいです。

3月半ばになるとアベレージサイズも動き出すので、大型の確率は少し低くなります。

もちろん2月に釣れる魚は必ず大きい、というわけではありません。ただ、確率はかなり高くなると思います。

70cm以上の魚はもともと少ないですが、その割合が2月、3月はグッと上がるイメージです。

もちろん、大型の魚の絶対数は少ないので、難しいことに変わりはありませんけどね。

紀北エリアでは1年を通してタイラバを楽しめる。
田中亜衣

夏でも釣れますよ。

ただ、最近は暑すぎますし、このあたりから少し足を伸ばせばイカメタルも楽しめますので、皆さん、夏はイカメタルへ行って、タイラバは一服という感じにもなります。

それでも、めちゃくちゃ上手い人、つまりめちゃくちゃ好きな人は真夏でも来ますよ。
 
夏も大きいタイは釣れます。

冬のように大型の確率が高いというより、ビッグベイトを使ってタコなどを食べている魚を狙って釣るイメージです。

70cmぐらいのタイから、大きなタコの頭が2つ出てくるようなこともあります。

ビッグベイトを使って、それで獲りたいという人が来る感じですね。夏と冬は少しマニアックな時期といえるでしょう。
 
秋は、春に生まれた魚も含めて釣りやすいサイズの魚が増えます。

数釣りを楽しむなら秋がいいと思います。1日に10回アタリがあって、それを乗せられるかどうか、そんな感じで楽しめる時期です。

初心者の方が来られるのも秋が多いですね。
 
冬はマニアックな時期と言いましたが、食味では1年のなかでマダイが一番おいしい時期です。

1月、2月のタイは脂が乗って、本当においしいですよ。

和歌山県・紀北エリアの地形的な特徴

紀北エリアの地形的特徴、メインとなりやすいベイトなどを教えてください。

田中亜衣

水深の目安としては20mぐらいから、深いところでは120mぐらいまでやります。

水が澄んでいて魚が深いところにいるときなどは深場を狙うことが多いですね。

潮の速さに関しては、明石海峡、鳴門海峡、紀淡海峡の一部である紀北の3つで比較すると、紀北が一番緩いと思います。

鳴門は最大10ノット、明石は7ノット、紀北は4ノットぐらいのイメージです。

ただ、実際には潮流の本流でやるわけではありません。潮の本流のスソのほうでやります。

実際に釣りをする場所では、どこへ行っても最高2ノットぐらいではないでしょうか。

テクニカルなタイラバを楽しめるのが紀北エリアの魅力だ。
田中亜衣

各フィールドを比較して京阪神のお客さんがよく言うのは、とにかく根掛かりが少ないからいい、ということです。

潮が速い場所は砂や泥がなくなって岩が出るので、根がきつくなります。

特に明石はきついです。何もミスはしていないのに、一瞬で根掛かりすることもあります。

その点、紀北エリアは根掛かりが少ない場所が多いのは確かですね。
 
ベイトとしてメインになることが多いのはオキアミとイワシです。

2026年はオキアミがめちゃくちゃ多いです。少し水温が上がるとすぐ赤潮になるぐらい、オキアミがたくさんいます。

イワシを食べているタイは、写真を撮ると分かることがあります。

少し汚い話ですが、下痢のような状態になります。ドロドロとしたものが出る。それがサインになります。

イワシがメインベイトになるときは「上で来た」「回収中に来た」「フォールで来た」というように、派手な釣りになることが多いですね。

タイの場合はマイワシが入ってもそこまで響かない感じがあります。

やっぱりカタクチです。ウルメもあまりよくない。

泳ぐスピードが速すぎると、タイがアタックしてもすぐ弱ってくれない。それで嫌がるのではないかと思います。

マックスパワーPE X9レンジマスター船についてのインプレッション

本記事のテーマは実釣レポートに加え、田中さんの「マックスパワーPE X9レンジマスター船」に対するインプレッションの紹介です。実際に使い込んでから3~4か月ということですが使用感を教えてください。

田中亜衣

大前提としてタイラバで最も大事なことは、アタってきたことを感じることです。

アタリを感じるためにはPEラインの性能はとても重要です。
 
ロッドの感度で分かる、分からないという話はよくありますが、それ以前にPEラインがダメだと分かりません。

ここのところ集中的に「マックスパワーPE X9レンジマスター船」(以下、X9)を使ってきて感じるのは、ラインを変えるだけで、いいロッドを使ったときと同じような効果があるということです。

タイラバゲームでPEラインが果たす役割は非常に大きい。
田中亜衣

「コンッ」とアタリが出たら、もうタイはハリに当たっています。

でも、ハリに当たらず、ジャブを打ってきたようなときは、「モヤッ」と感じるんです。

その「モヤッ」が分かれば、「さあ来るぞ」と準備できます。
 
とくにオキアミを食べているときは、魚に自分でアタックさせて、どんどんテンションを上げていかないといけません。

巻いているときに、「モヤッ」と来たら少し巻くスピードをゆっくりにすることが大切です。

ネクタイが動いているところにもう一回、もう一回とタイに追わせて、そうするうちにテンションが上がってガンッと来る、そんなイメージです。

モヤッと感じたら巻くスピードを落とす。フッキングのための鉄則だ。
田中亜衣

こういうパターンのときはとくにラインの感度が重要になります。

ワンランク上のロッドを使うのと同じような効果がX9にはあると感じています。

瀬戸内、とくに大阪湾や明石には、上手なお客さんがたくさんいます。

そういう人たちはロッドにとてもこだわっています。自分なりに前アタリが分かるロッドを使っています。

でも、それ以上のロッドはもうないかもしれない。

だったらラインを変えれば、もうひとつ前のアタリが分かるようになります。

ラインの重要性は凄く高いんです。

田中さんが言う「モヤッ」という感覚は、どのようなものですか?

田中亜衣

よくお客さんにも言うのですが、「モヤッ」とか「モゾッ」という感じは、いいロッドやいいラインを使ったら別のものに変わるわけではありません。

「モヤッ」は「モヤッ」のままです。ただ、そのボリュームが変わるんです。

大きな声で横から「いまモヤッとしてるやん!」と言われるぐらい、はっきりするような感覚です。

中級者から上級者へステップアップするときに、そこが一番必要だと思います。

上級者にも受け入れられるX9のポイントがそこです。

中級者は「何を言っているのか分からないけど、みんながモヤッとするって言う。何のことだろう」と感じるかもしれません。

でも、とりあえずX9を使ったら分かる。高いロッドを使わなくてもいい。

X9を使って、もっと分かりたくなったらロッドを替えればいいと思います。

ラインを変えることでロッドのクオリティを上げることと同等の感度アップを得られる、と田中さん。
田中亜衣

とはいえ、ラインは上級者ほど替えにくいと思います。

自分のなかで決まっているものを変えるのは怖いですし、いままで使っていたラインには安心感がありますしね。

ただ、タイラバの場合は「前アタリの前アタリ」があります。

みんなが言う前アタリは、みんな分かると思います。その手前にあるものが分かるかどうかが大きな差になります。

「前アタリの前アタリ」は魚が近寄ってきただけで出るわけではありません。

手元に感じるのは、確実に何かが当たっているからです。

ただ、ハリ以外のところに当たっているとシャープには出ないんです。
 
ハリ以外のところにアタると「モヤッ」と出ます。それをラインでどれだけ手元までブーストして伝えられるか。

巻き心地が少し重くなった感じ、ロッドを持っている手の感覚、視覚的なティップの入り。

そういうものを総合して、「いま来た」「絶対後ろについている」と判断できる。

そこがX9の性能の見せどころだと思います。

田中さんが感じているX9の一番大きなメリットは感度。前アタリの大きさということですが、他にメリットを挙げるとするなら何でしょうか?

田中亜衣

着底感です。最近はお客さんもよくX9を使ってくれています。

それでよく聞くのが、「底取りがめっちゃしやすくなった」ということです。

自分ではやり込みすぎていて底取りは自然にできるものという感覚ですが、お客さんの感覚としては、底取りのしやすさを口にする人がとても多いです。

低伸度がどこまで実力を発揮しているのかは分かりません。ラインに張りがあることが関係しているのかもしれません。

ただ、お客さんが体感として「底取りしやすい」と言う声が多いのは事実です。

根掛かりしたときにも分かりやすいです。根掛かりを外そうとすると、最終的には切れるのですが、その切れ方が違う感じがあります。

普通なら「ギュー、パン」と切れるものが、「ギュー、コン」という感じ。

掛かっている重さは同じでも、伸びている感じ、切れるまでの感じが違う。

その感覚を突き詰めていくと、タッチ&ゴーの速さや感度につながっているのかもしれません。

X9と感度のよいロッドを組み合わせると、さらにブーストがかかります。

いいロッドとX9の組み合わせでダメだったら、かなり練習が必要かもしれません。あるいは、ロッドのほうを見直す必要があるかもしれません。

ラインでブーストをかけているのに、それがどこかで吸収されている可能性がありますからね。

ロッドの各部、ブランクスやリールシートなどかもしれません。

アタリをブーストして伝えてくれるのがよいロッド、よいPEラインの条件と田中さん。 

X9のマーキングやコーティング、ラインの扱いやすさについてはどのように感じていますか?

田中亜衣

配色はすごくいいと思います。

5色のPEラインは、ものによっては覚えにくかったり、見分けにくかったりします。濃い色、明るい色、濃い色、明るい色という並びだと、どこかで分かりにくくなることがあるんですよね。

でも、X9は使い始めてすぐに覚えられました。分かりやすい配色だと思います。

順番が覚えやすい。なかなか言葉では伝わりにくいかもしれませんが、いい配色だと思います。

覚えやすいPEラインの配色はタイラバをより快適に楽しませてくれる。
田中亜衣

一方で、X9を初めて使う方には注意点もあります。

たぶん、それまで使っていたPEラインと比べると編み込みは少しやりにくいと思います。

ノットを組むとき、ハーフヒッチを締めて下へ詰めていきますよね? 

X9は張りがあるので、軟らかいラインのようにスムーズに入っていかないことがあるので注意が必要です。
 
ポイントは引っ張る方向です。すぐ下に引っ張る癖がある人は、最初は少し戸惑うと思います。

一度締めてから下へズラすのがおすすめです。引っ張る動作と詰める動作を一緒にやると、うまくいかないことがあります。

もちろん、慣れれば問題なくできます。

ただ、最初は「少し硬いな」と感じると思います。

小さく折れるような感じになることがあり、直前の結び目を通過してしまうようなときもあります。

ノットを組むときの注意点として覚えておくといいと思います。

紀北エリアでの田中亜衣流タイラバタックルセレクト

今回、用意したタックルについて教えてください。

田中亜衣

船に持っていくのは、ベイトとスピニングの2種類のタックル(タックルリストへ飛ぶ)です。

ベイトはメインで使うので予備を含めて2セット。スピニングが1セットです。

ベイト2セット、スピニング1セットの研ぎ澄まされたタックルセッティング。
田中亜衣

ベイトロッドはジャッカルのシュプリームシリーズ、5ft10inのモデルです。リールはシマノのカルカッタコンクエスト100PG。

ラインはX9の0.6号を200m。

リーダーはショアレコードショックリーダー12lbを3mくらいセットしています。

スピニングはシュプリームのS59UL。リールはステラのC2500番、ノーマルギアです。

ラインはベイトと同じでX9の0.6号を200m。リーダーは少し長めで4m弱取ってます。

リーダーは12lbをセレクト。
田中亜衣

スピニングのリーダーを少し長めにしているのは、投げるときにエアノットができにくいようにするためです。

タイラバが飛んで、システム部が出ていくとき、放出が安定しているほうがトラブルが起きにくいんです。

ショートリーダーという手もありますが、大きい魚が掛かったとき、PE0.6号だと尾ビレで擦れるのが心配なので長めにセットしています。

タイラバヘッドはジャッカルのTGビンビンスライドを使っています。重さは45〜120gを用意しています。

ヘッドはタングステン製、ネクタイは強波動系が中心。

ベイトとスピニング、タックルはどのように使い分けていますか?

田中亜衣

メインで使うのはベイトです。

シュプリームの5ft10inは、前アタリがしっかり分かる高性能ロッドです。

一番ブーストがかかって、一般的なロッドでは捉えられないアタリも分かるので愛用しています。シュプリームシリーズのなかでも、前アタリが分かりやすいロッドだと思います。

田中さんによって紀北エリアで熟成されたタックルセット。
田中亜衣

スピニングに関しては、基本的に軟らかいロッドを使っています。

魚に違和感を与えないようにしたいからです。

軟らかくするとアタリは取りにくくなりますが、魚には違和感を与えにくく、低活性の魚でも追いかけ続けてくれるのが強みです。

スピニングタックルは浅いところなら、キャスティングのしやすさを優先して使います。

キャストして横引きに近い形で、なるべくタイラバを底から離さないで引くために使ったりもします。
 
深いところでもスピニングを使うときがあります。

たとえば、みんなが80gでやっている状況で、アタリはあるけれど追いきらない、タイが当たった瞬間に「重い」と感じて追うのをやめているような状況です。

そういうときは、軽いヘッドにしたほうがいいのですが、ベイトだと落ちて行きにくいことがあります。
 
そうした状況ではスピニングタックルを使います。80gが基本のところで60gを使う。

時間はかかりますが、しっかり落とせるのがスピニングタックルです。

アタリの数は同じでも、取れる数が変わってくるなら、そちらを選ばないといけませんよね。
 
まっすぐバーチカルで落としていると、全然潮が噛んでいないように思えるときがあります。

潮がないのではなく、船とラインが完全に同調してしまっているようなときです。そんなときもスピニングタックルの出番ですね。
 
上の潮と下の潮の差でタイラバは動きます。少し投げて角度を付けると、その差で動いてくれるときがあります。

デッドスローでもネクタイが動き続けます。低活性の魚はそれで釣れることがあります。

アフタースポーン!紀北エリアでのタイラバ実釣

実釣を行ったのは6月の上旬。一般的にはアフタースポーンの時期にあたり、難しい状況も多くなるシーズンです。今回はどのような状況と考えていますか?

田中亜衣

潮周り的には、大潮周りから小潮周りに入るタイミングです。

朝は上り潮が残っていて、スタートは上りの反転流ができる時間帯です。

タイには絶好のタイミングだと思います。

下り潮に関してはおそらく今日は弱いと思うので、朝一番で決めたいですね。

川村塾の川村船長と作戦会議。腕利き船長2人のハイレベルな打ち合わせだ。

結果的にはスタートから5分後にファーストフィッシュをキャッチ。4枚をキャッチして早上がり、という好釣果に恵まれました。ヒットパターンを教えてもらえますか?

田中亜衣

1枚目は喋りながらやっていたので、正確には覚えていない部分もありますが、多分、底から3〜4mぐらいで1回目の前アタリがありました。

「モゾッ」という感じです。そのまま喋りながら巻き続けていて、「あれ、もう来ないのかな」と思いました。

そこから確か6回転ぐらい、距離で言うと3mぐらい巻いたところで、また1回戻ってくるようなアタリがありました。
 
「あれ、まだ追いかけてきている」と感じた直後、ヒットしました。

結局、最初の前アタリがあったところから、魚が食って反転するまで7〜8mぐらいあったと思います。

スタート5分後にロッドを曲げ込んだ!
田中亜衣

やはり一番最初、1回目のアタリを捉えられたのが大きかったです。

X9は低伸度によってアタリを取れるラインです。いわゆる「前アタリの前アタリ」を取ることが可能なラインだと思います。

おそらくこのラインでなければ、今回の「モゾッ」も起きていなかったと思います。

一般的なラインを使っていたり、普通の感覚で釣っていたりすると、2回目のアタリを前アタリだと感じていたかもしれません。

でも今回は、その前の段階を取ることができました。喋りながらでもかなりアドバンテージを感じましたね。

2枚目も早いタイミングで釣れましたね。どのような流れでしたか?

田中亜衣

実質10~15分ぐらいだったと思います。

2枚目は小さい魚でしたが同様に「前アタリの前アタリ」を感じることができました。

そのアドバンテージで、魚が横に向くような状況まで持っていき、反転させることができました。

「前アタリの前アタリ」を取って掛けていく田中さん。
田中亜衣

テクニック的にはアタったら基本はスローダウン。巻きスピードを落とします。

あまり速いままだと、魚が反転できません。特に小さい魚は、ずっと追うだけになってしまいます。

反転するタイミングを与えるためにスローダウンするんです。これは大きい魚でも同じです。

できるだけ前アタリを取りたいですし、前アタリのさらに前が分かるようになりたいですね。

3枚目、4枚目はどのようなヒットでしたか?

田中亜衣

前アタリもなく、ドンと来ました。

ラインの繊細な部分を活かしたというより、魚が高活性だったと思います。

それでも衝撃の出方にはやはりラインの特徴が出ます。ドーンという感じで、もっと大きい魚かと思うぐらいでした。

潮が残る最後の最後に4枚目は追わせて乗せる感じで追加できました。
 
今回の釣りは時合、釣りをする時間ともに少し短かったですが、集中してやるためにも、X9を使えたことは大きかったと思います。

完璧にアタリを取れたからこそ、短い時合を逃さずに捉えることができました。いい釣りができたと思います。
 
少しスローな魚が多かったですね。こういう状況では、やはり感度に優れたX9の恩恵が大きかったと思います。

もしそれがなかったら、この釣果は成立していなかったかもしれません。

ラインのいいところを見ることができた釣りだったと思います。

納得サイズを手に、思わず笑顔になる田中さん。

紀北エリアでよい釣りをするための注意点

この海域でタイラバをより楽しむために、アングラーへアドバイスをお願いします。

田中亜衣

紀北エリアはタイが中層まで浮くことが多いエリアです。

瀬戸内全般では、底から10回とか12回しか巻かないアングラーも多いと思います。

ただ、紀北に来たときは、船長の指示ダナが高いことも多くあると思います。

そんなときは勇気を持って20回、30回と巻いてみてください。
 
もちろん下でも釣れます。ただ、指示ダナが上に上がったときは、そこを意識する必要があります。

30回巻くというのは、地域によっては「そんなところで釣ったことがない」と感じるかもしれません。

成功体験がない方にとっては、無駄な時間のように思えることもあると思います。
 
でも、紀北エリアの特色はそこです。

タイが中層まで浮くことがあるので、しっかり上まで巻くことが大切です。

中層を釣ることに抵抗を持たないこと。紀北エリアでは重要な注意点。

船長目線で「もう少しこうしたら釣れるのに!」と感じることはありますか?

田中亜衣

動作の面で一番最初に意識してほしいのは、タッチ&ゴーです。

正直、タッチ&ゴーがうまくできていない方は多いと思います。

フォールしているときに、完全にスプールを開放するのではなく、親指で軽くサミングすることが大切です。

軽くサミングすると、落下スピードが遅くなると思うかもしれませんが、余分なラインが放出されず、シャキッとするので着底後のスタートが速く切れます。

結果的に、底に着いたタイラバをほぼすぐに上げられます。

着底してすぐ巻き始められるので、タッチ&ゴーが素早くできます。

これが一番簡単に釣果へつながる方法です。

X9を使えばサミングしながら落とすことで、シャキッとまっすぐ落とせるイメージが付きやすいと思います。

軽くサミングしながら落として、着いたらすぐ巻く。巻き始めから、ラインスラックを巻いている感覚がほとんどありません。

最初からタイラバの重みが乗ってくる感覚です。

完璧なタッチ&ゴーができれば、自然と釣果もついてくる。
田中亜衣

最初は意識してこまめにやる必要がありますが、続けていくと、言われなくてもできるようになります。

こういうことの積み重ねで1匹が出ます。

素早いタッチ&ゴーがしっかりできている方は、私が見ている感覚では10人に1人ぐらいです。

これをしっかりやるだけで釣果は変わりますよ。

夏に向けて、紀北エリアはどんな状況になっていきそうですか?

田中亜衣

これからはベイトも大きくなっていきます。

イワシなど、タイの活性が上がるようなベイトが絡んでくるチャンスも増えると思います。
 
タイも産卵から日に日に回復していくので、この記事を読まれているころには通常運転に戻っているのではないでしょうか。

今回の実釣が一番最後の厳しい時期だったのかなと思います。

アタリの出方もそんな感じでした。

皆さんが読むころには、通常モード、もしくはイージーモードになっているのでぜひ楽しんでもらえると思いますよ。

なかなかの重量感を伴ってゲスト参加した良型ホウボウ。

和歌山県・紀北エリアでの田中亜衣さん使用 タイラバタックル

田中亜衣さんが紀北エリアで使用したタイラバ用タックルをご紹介。

タックルセット1

タックル詳細
ロッドジャッカル/
ビンビンスティック シュプリーム
BSP-C510XSUL
リールシマノ/
カルカッタコンクエスト100PG
メインライン【バリバス】
マックスパワーPE X9レンジマスター船 0.6号 200m
リーダー【バリバス】
ショアレコードショックリーダー 3号(12lb)約3m
タイラバジャッカル/
TGビンビン玉スライドヘッドNEO 45~120g

タックルセット2

タックル詳細
ロッドジャッカル/
ビンビンスティック シュプリーム
BSP-S59UL
リールシマノ/
ステラC2500
メインライン【バリバス】
マックスパワーPE X9レンジマスター船 0.6号 200m
リーダー【バリバス】
ショアレコードショックリーダー 3号(12lb)約4m弱
タイラバジャッカル/
TGビンビン玉スライドヘッドNEO 45~120g

取材協力

撮影協力

取材に協力していただいたのは淡輪漁港の川村塾。田中さんが絶大な信頼を置くタイラバ船だ。

淡輪漁港を拠点とする川村塾。
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