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ソルトルアー 大川 直

宏昌丸流 秋冬シーズンの外房ヒラマサゲーム!

秋、そして冬シーズンの外房沖はジギングゲームが熱い。10m~30mといった浅場で狙うヒラマサ、その楽しみ方のキモを人気船、宏昌丸の吉清良輔船長に訊いた!

 アングラーとターゲットを繋ぐ糸 

 

10m~30mといったシャローエリアで10kgオーバーのヒラマサをジギングで狙う! 
そんなスリリングなシチュエーションだからこそラインの選択にはこだわってもらいたい。
信頼のおけるPEラインとリーダーの選択は必須。もちろん、PEとリーダーの接続にも万全を期しておきたい!

今回おススメするPEラインは「アバニ ジギング10×10マックスパワーPE x8」。独自の10m×10色というマーキングシステムでヒットレンジが分かりやすく、浅場から深場まで対応可能。また、安定した強度はアングラーにとって最大のアドバンテージとなるはずだ。

リーダーは、ロングセラーの「ショックリーダーフロロカーボン」がおすすめ。永年に渡って積み上げられた実績は折り紙付き。今回のように浅場のヒラマサジギングを前提にファイトするシチュエーションを考えると、根ズレに強いフロロカーボンを選択しておくことが賢明だ。

 
─外房の秋、そして冬のヒラマサゲームをテーマにお聞きしたいと思います。
はじめに秋、冬シーズンの特徴を教えてください。

 
一番の特徴は春に比べて全体的に大きめのヒラマサが多いということですね。秋と冬はだいたい同じような攻め方で釣ることが多いので、秋冬とまとめて考えた方が分かりやすいと思いますが、キャスティングはもちろん、ジギングでも大型が出やすいシーズンです。

▲宏昌丸の吉清良輔船長。船長としてだけでなくアングラーとしても活躍しているため、常に両方の視点でヒラマサ釣りを捉えるキャプテンアングラーだ。

 キャスティングはいつの時期でも大型が出やすい傾向がありますが、ジギングはいつでも、というわけではありません、春のジギングでは小型のヒラマサがすごくジグに反応しますが、大きいヒラマサは出にくいのが特徴です。10kgを超えるヒラマサはなかなか釣れません。しかし、秋冬であればけっこうヒットします。

▲キャスティングでもジギングでも平均的にサイズがよいのが秋冬シーズンの特徴だ。

習性なんでしょうね。捕食しているベイトの違いもあると思います。いつの時期でもイワシがメインベイトになることは多いですが、秋冬はアジにもよく反応します。アジの存在はとても大きいですね。あとは年周りにもよるんですが、エンピツみたいな小さなタチウオもよく捕食されています。
 
─秋冬シーズンはとりわけジギングが面白いって感じでしょうか?
 
 もちろんキャストの支度もしっかりして欲しいですけど、ジギングが面白い時期と言っていいと思いますね。10m~30m前後の水深で、10kgのヒラマサを狙うスリル感っていうのはたまらない魅力ですね。

▲10m~30mといった浅場で10kgクラスのヒラマサと渡り合う。想像しただけで熱いジギングゲームだ。

 水深15mラインで10kgクラスが何本も連続で上がったこともありました。10m、20mラインでジグ? と自分でも思うこともありますが、キャスティングには出てこなくても、ジグにすごい反応してくるときもあるんです。秋の浅場のジギングは好きな人は本当に好き。めっちゃ面白いって通って来てくれます。ジギング好きの人が一番フォーカスするタイミングでしょうね。
 
─ジギングタックルはどのようなものを用意すればいいんでしょうか?
 
  ロッドに関しては、強いほうがいいというわけではないんです。なぜなら10m~30mラインで10kgのヒラマサが掛かっても止め切れないからです。6ft前後で最大のドラグ表記が5kg、6kgのロッドを選んでくれたらいいと思います。ジグをキャストして釣る場面が多くなってくるので、投げやすいロッドを選ぶといいと思います。リールはスピニングの8000番が目安ですね。

▲ジグをキャストして釣るケースは多い。投げやすいロッドを選ぶことが大切だ。

 
ラインに関しても、太くして止めに入ってもいいか、というとそれも違う。掛かりどころによっては身切れの恐れもあるので、多少はドラグを滑らせなければいけない。そうなるとPE4号に50、60lbリーダーがベストかなと思います。
 
 ジグの重さは80gくらいから200gくらいの間を刻んで持ってきてほしいですね。80gくらいのジグがいいときがあるんですよ。とくにベイトがイワシだったりすると、シルエットが小さいジグが良かったりする。タイプとしてはセミロング系が中心でいいんですが、状況によってはショート系がすごく効くときもあるので、いろいろ持ってきてもらった方が対応できると思います。

▲セミロング系がメインとなるが、ショート系の軽いジグが活躍するときもあるので、ぜひ用意しておきたい。

  カラーは好きなものを使ってもらえばいいと思いますが、秋に関しては潮の色が緑っぽいときや、雨が降った次の日で茶色っぽいときがよくあります。こんなときはドピンクとか、ゴールドとかの派手なカラーを使うのも面白いですね。ただ、ダイバーから聞いた話なんですが、とくに秋は表層は濁っていても海底近くは澄んでいることが多いって言うんです。これは昔から言われていることで、ちょっと注意したいですね。でも、こんなことを考えながらジギングをするのも面白いと思いますよ。
 
─秋冬シーズンのヒラマサジギング、釣り方のイメージはどんな感じでしょうか?
 
 ヒラマサを狙う場合、浅めを狙うケースが多いですね。20~30mが多く、ときには10mラインでイワシを追っているヒラマサを狙うこともあります。しゃくり方は基本的なワンピッチジャークでいいでしょう。

▲ロッドワークは基本的なワンピッチジャークでOK。レンジはボトム付近を強く意識しておきたい。

ただし、レンジには注意してほしい。着底からすぐにヒットしてくる確率が高いんです。春は水面まで追っかけてくることも多いですが、秋はこういうことはほぼない。秋冬はボトムを釣れと言っていいですね。1回の投入で何回も底を取り直すのではなく、毎回投げては回収という感じで入れ直すことをおすすめします。ヒラマサはフォールにすごい興味を示すので、毎回入れ直してフォールでアピールする意味は大きいと思います。
 
─ほかにもタックルや釣り方などでアドバイスはありますか?
 
フックはシングルのアシストフックをおすすめしています。ツインフックはあまりおすすめ出来ません。理由はお話ししたように秋冬シーズンは浅いポイントで底付近を狙うことが多くなるので、根掛かりのリスクがすごく高くなります。ツインフックだと根掛かり率がかなり高くなって、すごくストレスになったり…。でも、ジギングが初めてという人は 95%以上と言ってもいいくらいの確率でツインフックをセットしています。これで釣りのリズムを崩してしまう人がすごく多いんです。

▲フックはシングルアシストがおすすめ。根掛かり回避以上の理由がそこにはある。

 根掛かりしていろいろやっているときに、隣の人が釣ったりするとメンタルもやられちゃうんですよね。 根掛かりして切れてしまってリーダー組んでいるときにバタバタって食っちゃうときもあります。そうなると余計に「あー、俺ダメだ」みたいになっちゃう。これは最悪なパターンです。
 
釣りってそういうところもすごく大きいですからね。余分なストレスを自分にかけない方がいいですよ。こういう部分をいかに回避出来るかが、釣りの上達にも大きく影響すると思います。もちろん、小型のヒラマサがジャレるようにしてくる春はツインフックが効果的なこともありますし、しっかり底を取れてマネージメントできればツインフックを使っても全然大丈夫です。

▲小型の多い春やしっかり使いこなせる人ならツインフックもあり。でも基本はシングルと考えておこう。

1本で掛かるのか、と心配する人もいますが、ヒラマサはほぼ頭から食ってくると思いますし、フックが1本だから掛からない、ということはあまりないと思います。やっていくにつれてほぼみんなシングルになっていきますよ。とくに秋冬のデカいヒラマサがヒットする場合はだいたい一撃。ドカンッと食ってきます。折れたり、伸ばされたりしないように、春に比べてひと回り太軸のフックにすると安心できますね。
 
─ほかに秋冬シーズンの釣りで特徴的なことはありますか?
 
サンパク(2kgクラスのブリ)、ワラサを狙うタイミングが増えるのも特徴です。この釣りも人気がありますよ。ヒラマサジギングのデビューということであれば、小型のヒットチャンスが多い春がおすすめかもしれませんが、サンパク、ワラサ狙いはジギング自体が初めてという人にもおすすめ出来る釣りです。

▲ヒラマサの海、外房でもサンパク、ワラサ狙いは人気の高い釣りだ。

 ヒラマサに比べるとヒット率が高いので、まずはジグを自分で操って魚を釣る楽しみを知ってもらって、そのあとにターゲットを絞る、というような流れもいいと思いますよ。
 
─サンパク、ワラサ狙いの内容とタックルを教えてください。
 
サンパク、ワラサ狙いのジギングでは深場狙いが多くなります。水深60m前後、最大で80mくらいまで狙います。深場を狙うのはだいたい12月くらいからが多いですね。例年は翌年の3月くらいまで楽しめます。
 
タックルですとジギングに関してはヒラマサを狙う基本タックルと同じでいいと思います。ただ、ジグだけは寒くなればなるほど、重いものを中心に持ってきた方がいいと思います。12月後半くらいから 1月、2月は、200gくらいのジグが活躍する場面が増えてきます。250gも最低1本用意しておくと万全ですね。

▲サンパク、ワラサ狙いではスピード変化を意識したジャークが効果的だ。

 釣り方は日によって異なりますが、スピードに変化をつけることをおすすめします。ヒラマサにも言えることですが、サンパク、ワラサ狙いのほうがわかりやすく差が出ます。全体的に結構釣れている日なのに 1人だけ釣れないっていう人は、ずっと同じテンション、同じスピードでやっていたりすることが多い。でも、隣の人はバーッと巻いて、パッと緩めたりして釣っている、なんてことはよくあります。サンパク、ワラサはこうしたスピード変化はメチャメチャ効果的。すごい差が出ますよ。ヒットレンジはだいたい底から10mくらいになることが多い印象ですね。活性が高いときは20mくらいまで上がったりもします。
 
─ここまでジギング中心に教えていただきましたが、キャスティングについてはいかがでしょうか?
 
秋冬はジギングが面白いシーズンですが、キャスティングタックルも必ず用意してほしいですね。浅場はもちろん、たとえば水深が100mくらいの場所でもブリがサンマをバーっと追ったりすることもあります。そんなときはキャスティングのチャンスですから。

▲ジギングが面白いシーズンだが、キャスティングでヒットが連発することもある。必ず用意しておきたい。

タックルはベイトサイズに合わせるというのが基本になります。イワシがベイトになっているときはメインラインがPE4号で、60lb〜80lbリーダーという、ちょっとライト目のタックルでやるときもあります。大きめのベイトを追っているときは、PE5号と100lbリーダー、もしくは6号と120lbリーダーとかを使うことが多いですね。ルアーサイズもベイトに合わせるのが基本です。
 
 この群れはほぼワラサ、ブリだな、というときはスピードが大事。ステイを入れずにルアーを動かし続ける演出法ですね。ただ巻けばいいというのではなく、コントロールしながら、動かしながら巻いてくるのがおすすめです。

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