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報告=フィールドスタッフ吉田俊彦

トラウトの聖地と呼ばれる栃木県日光市の中禅寺湖。
今回はワカサギストリーマーを使ったレイクトラウト狙いのフライフィッシングを紹介しましょう。

私は解禁して9日目の中禅寺湖に釣行しました。
毎年この時期にはトラウトの餌となるワカサギの接岸を期待してトレッキングしながらポイントを探します。
しかし前日の天気予報では前線の通過によりまとまった雨が降り、午後からは風も強まるとのことでした。
8時過ぎに到着すると予報通りの雨と風。歌が浜の越後屋さんで遊漁回数券を購入しました。

駐車場で用意をしている間に雨がどんどん強くなり、釣り人が次々と車に戻って来ました。
「台風みたいな風と波でアタリが分からない」との会話が聞こえました。

10時になるとバケツをひっくり返したような雨になってしまい、しばらく車中で仮眠することにしました。


 

▲春の嵐で白波が立つ、誰もいない湖畔

 

車を揺らす突風で目が覚めたのは午後2時過ぎ。雨は小降りになったものの風はむしろ強まっています。
湖面が荒れて白波が立ちまるで海のようです。風は日光白根山方向からの西風。
寒冷前線が通過したため気温が下がり、雨はみぞれに変わって顔にあたります。
今の中禅寺湖はかなり減水していて、普段は見えない湖底の岩や倒木などのストラクチャーが手に取るようにわかります。

湖底の写真を撮るチャンスと考え山側の湖岸を歩いてみることにしました。
30分ほど歩いたところで、良い感じの岩礁を見つけました。ロッドはVARIVASグラファイトワークスのパワートレイル9㌳を使用。


 

▲ロッドはVARIVASパワートレイルを使用

 

風を利用したベルジャンキャストで沖合に向け15メートルほどマラブーフライを運びました。
タイプⅢのシンキングラインを10秒カウントダウン。ところが半分ほどリトリーブしたところでガッチリ根掛かりしてしまいました。

岩礁周りを安全に探るためにシステムを変更。リーダーを張りのあるエステル2xに換えてサスペンドタイプのワカサギゾンカーを結びました。


 

▲ヒットフライはVARIVAS2430#6ワカサギゾンカー

 

この強風下でエステルリーダーのターン性能は目を見張る物があります。
早めに3回リトリーブしたところで前当たりがあり、次に根掛かり覚悟で思い切りラインを引いてアワセました。
ロッドを立てるとガクンガクンとレイクトラウト特有の重い感触。湖底に引き込まれそうなトルクフルなファイト。
私はラインが水中の岩礁や倒木に巻かれないようにロッドを高く掲げ対抗しました。やっと水面に現れたのはヒレピンのレイクトラウト。
波に乗せてなんとかランディング。手をよく水に濡らしてから、慎重に写真撮影しました。
尾鰭の大きさがとても印象的な60㎝オーバーのレイクトラウトでした。


 

▲鰭の美しいレイクトラウト

 

中禅寺湖は魚を釣るのは難しいと言う人が多いのですが、なるべく立ち込まないように釣ればヒット率は向上させることができます。
そして風の日はビックチャンスなのです。

今回のラインシステムは、#8WFシンキングタイプⅢにVARIVASテーパードリーダー スタンダードST2X。
リーダーのバットを3㌳にカットし、フロロティペット2Xを2㌳接続して全長11㌳で使用しました。
強風時でもワカサギストリーマーの完璧なターンを実現しています。


 

▲エステルリーダー2Xを使用

 

ヒットフライはバーブレスフックVARIVAS2430#6に巻いたホワイトゾンカー。
もちろん安全のためにもリリースのためにもバーブレスフックは必須です。

あなたも風を味方につけることで、中禅寺湖のトラウトたちに出会うことが出来るはずです。
中禅寺湖漁協組合 遊魚期間と料金はこちら


 

▲レイクトラウトは中禅寺湖の象徴だ