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船 南村 健治

明石海峡周辺でタイラバ…フックを自作してみた

「タイラバのフックね、あれPEラインで結んだ方がタイの口に入りやすい(掛かりやすい)よ」「PEラインはヘナヘナで腰がない。逆に考えたら硬い素材より動きが自在や」

そんなアドバイスを、このところよく通うタイラバ船の船長がしてくれた。なんでも素直に受け入れるのがタイラバ1生の在り方。巻くだけでタイが釣れるなんて簡単ことはなく、いろんな要素が一つになって初めて巻くだけでタイが釣れる。PEラインの使用がその要素のひとつである、というのもありかと。

ということで作ってみました。PEラインの太さは6号。ハリは、アシストリブで強度と軽さを、そして二段返しのアシストバーブで掛かりの良さとバレ難さを発揮する「ジーク ABL 真鯛」の8号。1つ2つ作ってみて、違うタイプのハリと組み合わせても良いかもと、吸い込みやすい形状とネムリタイプの針先が特徴の「ジークグレ 尾長Ⅱ」の5号とセットにした。チョイスの理由はそれぞれがタイラバに使うハリの要件「軽く、吸い込みやすく、掛かりが良い」を備えているから。

作ったら出掛けたくなる…あっ、その前にPEラインで結ぶときはすっぽ抜けを防ぐために結びの箇所にゼリータイプの瞬間接着剤をほんの少し塗っておくと良いとのこと。

さて、7月26日、この日は兵庫県垂水漁港を基地にしている虎ノ介の午後便にお世話になった。お昼過ぎ、朝便の船が帰ってきたが、いずれの顔も曇りがち。どうやら釣果があまり上がらなかったようで、悔しくて午後便にも乗る人がおり、お蔭で13名の満席状態。自分は左舷胴の間3番。船が港を離れて、軸先が明石海峡の本流を少し逸れた淡路島の西側、野島沖辺りを目指した。

水深が50m前後。潮が速いのでヘッドは90~100g。ネクタイのチューニングはイカタコカーリーのオレンジ。ハリには黒の鯛コーム。このところの自分の鉄板だが、自作のフックは出し惜しみ。1時間ほど巻き巻きを繰り返したが20cmくらいのミニチャリコ。これは放流。以後、かなり強いバイトが1~2回あっただけ。

イカタコカーリーのサイズや鯛コームの色を変更しながら、再び1時間。周りではポツポツとあがっているようだが、自分には反応はなく、イカタコカーリーを諦めてラバーのカーリーネクタイにチェンジ。自作のフックに替えて、そして1時間。やはり反応がない。渋い顔で上がってきた朝便の人たちの顔が浮かんだ。

こうなると1年生は困る。途方に暮れる。迷う…迷ったらこれ、と彼の船長が以前差し出したのが濃いめのオレンジカーリー。そして、自作のハリには前日に買ったフレアリーフのラメ鰯を刺して、かなりのチューニング変更。

底を取って、巻きに掛かるとゴツンと竿先が持ち込まれ、ドラグがジジジジジ…。デカイ。巻いては出る、出ては巻くの繰り返し。ようやく引きが弱まって、ラインが前方に走った。10mほど先にガボリと大ダイが浮いた。ゆっくりと引き寄せるようにリールを巻き、タモに入ったのは70cm、通称ナナマル。いわば羨望のサイズ。


直後きたのが45cmほどのマダイ。


2匹ともがっちりとハリが掛かっていた。その後船は明石海峡大橋の橋脚下でアコウを狙ったが、この日は不発。そして19時前に竿仕舞い。全体の釣果は12~13匹。やはり渋めだったけれど、自分はチューニング変更が良かったのか、自作のフックが功を上げたのか、この日の最長寸の70cmを含め2匹。嬉しさいっぱいの帰路でありました。


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