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船 宇田川 亘

夢の釣果に驚愕 -銚子犬若沖のアカムツ-

インターネットで釣果を閲覧していると、目を疑うような情報が掲載されていました。「銚子外川の船宿で、28~52cmが6~17尾」、この釣果だけを見ると魚種はともかく「普通だね!」と思われるでしょう。ところがこの釣果を出しているターゲットは、幻の魚アカムツ。深海のルビーとも呼ばれ、大きな群れをつくらないので、1日狙って1尾釣れれば良い方で、オデコ覚悟の魚種です。口の周りはアジのように弱く、巻き上げの途中でバラシてしまうことが多いことも、釣果が伸びない原因かもしれません。このアカムツ釣りの経過を確認していると、連日竿頭は2桁で安定し、飯岡・銚子地区の船宿も続々と乗合を開始していました。今回はこのアカムツを狙って、5月18日に銚子犬若港の武丸に釣行したレポートです。

武丸では乗合を開始した日から好調が続いているようで、竿頭は最高で13尾。夢のような釣果が出ているアカムツ乗合船の人気は高く、土日の予約定員12名は、1週間前から満席状態。5月18日当日の予約も3日前になんとか滑り込みセーフで、その後何件か予約希望の問い合わせがあったようですが、満員のためにお断りしたそうです。

集合は未明の2時半。少し早めに船宿に到着し、右舷ミヨシ2番の札を取って車で待機。私はアカムツを専門に狙ったことはなく、クロムツ釣りで20cm弱の小型を外道として釣ったことがあるだけの初心者。つり情報やインターネットの動画で十分に予習しましたが、とえりあえず型を見ることを目標にしました。中村船長は12名の釣り人を乗せて、ポイントへ向けて3時に出船。航程の約2時間はキャビンの中で仮眠しますが、興奮しているのか、ほとんど寝られずにポイント到着。

オモリは200号をセット。バラシが少ないとの情報から、柔らかめの竿を選択しました。中型電動リールにはPEにシュッ! プロ仕様でフッ素コートした10×10船 プレミアムPEを巻き、仕掛けをスムーズに出せるよう準備してあります。ハリスは魚に警戒心を与えないVARIVAS ハードトップ 船ハリスをチョイス。クロスビーズでハリスを出し、ハリにはアカムツ専用といわれるホタバリを使用します。


エンジンがスローになりポイントに到着すると、周りには外川・飯岡・波崎の船が竿を出しています。船長は慎重にポイントを探ってから、投入の合図。


付けエサは冷凍のホタルイカで、目と目の間にハリを刺し、ツボ抜きにします。これにサバの切り身を付けるのも良いとか(持参しました)。

記念すべきアカムツデビューの第1投目は水深250m。その第1投は、定番のサバの洗礼を受けました。私の他にも何人かがサバに捕まりましたが、無事に着底した釣り人にも、まだアタリはないようです。素早くエサを付け直してふたたび投入、今度はサバに邪魔されることなく着底。底は泥のようで、着底するとオモリが沈み、底を切ると「ズボッ」と抜けます。船長の指示は、「底ですよ。オモリが着いている状態で待ち、ときどき誘い上げてください」とのことでしたので、着底後にアタリを待ち、アタリがなければ竿を立てて誘い仕掛けの移動。誘い上げた時や誘い下げの時は、ポーズを数秒入れてアタリを待ちます(これは全て雑誌やインターネットの請け売りです)。潮は若干流れているかな?の状態で、船中にアタリはなく、先週釣行したという両ミヨシの釣り人も困惑気味。潮が流れた前回の釣行では、竿入れからバタバタと釣れたようです。

流しはじめてからしばらくすると、誘い落して待っていた竿に「グングングン」とアタリ。突然のアタリに慌てましたが、少し待ってから大きく竿を立てると、竿先が「クンクンクン」と叩かれてハリ掛かりを伝えてきました。2~3mを手で巻いてから電動リールのスイッチON。巻き上げると、ときどき「グングングン」と引き込み、さらに残り60~30mあたりでは「ガタガタ]と。ものの本によると、これが本命のアタリ!? 残り5mで海中に赤白い魚体が見え、船長の差し出した網に入ったのは、本日の最大42cmの本命アカムツ。開始早々に深海のルビーを釣り上げ、気分は最高! 何度も魚体を見てしまいました。


改めて魚体を観察してみると、尾鰭の先にマダイのような黒い縁があります。知っていましたか?

私と同時にアタリがあったミヨシの釣り人にも25cmのアカムツが釣れて、1流しで船中の本命が2尾。次の流しでは私に30cmとサメ。3流し目にも小型のメダイと27cmが釣れて、まさに夢のような展開(メダイは水面でバレましたが…)。釣った3尾は、すべて誘い下げの時に食ってきたので、その後も同じタイミングで誘い続けました。当日は潮の流れが悪く、中盤には道糸が真っ直ぐになり、アタリも少ない上にサメにも翻弄されましたが、後半にはふたたび食いが立ち、隣の釣り人に25cmがヒット。その隣の同行者には、なんと25cmの一荷!


底潮が流れ出したのか、沖ギスやノドクロカサゴが釣れだし、右舷ミヨシの釣り人に40cm級が、右舷トモ近くではさらに50cmの超大型が上がったようです。

納竿間際には水深270mのポイントで船中ポツポツと掛かり、私にも本日7尾目となる38cmが釣れて、11時には好調の海を後にしました。船中の釣果は25~50cmが0~7尾と、残念ながら型を見られなかった釣り人が1名のみ。この日の平均は3~4尾で、私は28~42cmが7尾と、できすぎの釣果にビックリ。

船長は、「誰も攻めたことがなく、最近発見したポイントなので好調なのでは」と言います。同船者は、それぞれ巻き上げ途中のバラシが2、3回あったようなので、魚影の濃さはピカイチ。潮が流れた翌日は、ふたたび2桁の釣果を出しています。犬若沖のアカムツ、数を釣るならば早めの釣行をお勧めします。

[使用タックル]
竿:  船釣り竿 230cm
リール:シマノ 15 フォースマスター 3000
道糸: VARIVAS 10×10船 プレミアムPE 4号 400m
幹糸: VARIVAS ハードトップ 船ハリス 8号
ハリス:VARIVAS ハードトップ 船ハリス 6号 50cm
ハリ: 胴突仕掛 16号 3本針(ホタバリ)
    5連サルカン 1/0号
    クロスビーズ L
オモリ:200号
その他:VARIVAS PEにシュッ! プロ仕様
    VARIVAS ピンオンリール
    VARIVAS ハーフメッシュキャップ VAC-49
    VARIVAS ドライシルキーポロシャツ VAT-36
    VARIVAS キャップストラップ VAAC-17
    VARIVAS SEA STAGE ライフジャケット ポーチタイプ
    VARIVAS メッシュグローブ 5 VAG-11
    VARIVAS ヒップガード VAHG-02

[船 宿]
銚子 犬若港 武丸
Tel. 0479-22-3352

過去のフィールドレポート記事中で掲載している製品は、
廃盤品として現在取り扱いを終了している場合がございますので予めご了承ください。