冬の東京湾タチウオジギングにフォーカス!
タングステンジグに釣り負けない攻略法を名手・椙尾和義氏が解説。マックスパワーPE X9を選択するメリットと糸立ちの重要性、更にはオススメのタックルセッティングまでを網羅した保存版です。
東京湾タチウオジギングの魅力、面白さ
椙尾さんが考えるタチウオジギングの魅力、面白さはどのようなところにありますか?
椙尾和義タチウオジギングは簡単に釣れる時もあれば渋い状況もあって、シチュエーションが非常に多彩です。
そういった一筋縄ではいかないテクニカルなところが面白いですね。
引きの強さもですが、フォールで食ってきたり巻きで食ってきたりと、その時々で反応の出方が異なるため、いろいろな釣りの楽しみ方が出来るところも大きな魅力ですね。


シーズン到来!冬の東京湾タチウオジギングの特徴
椙尾さんは冬場を中心に東京湾のタチウオジギングを楽しんでいるとのことですが。



そうですね、私は冬場に行くことが多いですね。
春から秋は他のフィールド、他の釣りが忙しいことが一番の理由ですが、冬のバーチカルな釣りで大型を狙えるシーズンが好きだということも大きな理由です。
具体的な時期としては12月から5月頃までが多く、楽しむのは長くても夏タチが始まる直前くらいまでですね。
最近はシーズンのパターンがズレることもあります。5〜6月でも大型が釣れる時期には足を運ぶこともあります。


冬のタチウオジギングのポイント、水深などについてはどのような特徴がありますか?



東京湾の冬のタチウオジギングでは、大きく分けて「走水」「猿島」「観音崎」の3箇所がメインポイントになります。
ポイントによって多少水深は変わりますが、水深は50mから80m くらいを攻めることが多いと思います。
基本的には船長の指示に従い、魚の反応に合わせてタナ(レンジ)を狙い分けます。
ベタ底だったり、底から20mほど浮いたところに反応が出たりしますが、冬場は基本的にボトム近くの釣りが多くなるのが特徴だと思いますね。


冬は型が良いと言われますが…。



そうですね。
特に走水や猿島周辺は型が良く、観音崎へ行くと少しサイズが下がるイメージがありますが、他のシーズンに比べると全体的に型は良いと思います。
アベレージで指4本サイズ、たまに5〜6本サイズがまじるようなイメージですね。
東京湾タチウオジギングの基本アクション
椙尾さんが東京湾で基本にしている釣り方を教えてください。



基本は「巻きの釣り」です。
余計なことはせず、丁寧にまっすぐ巻くこと。そしてフォールも真っ直ぐ落とす。これが基本であり王道だと思います。
状況が渋い時にはちょっと巻き方を変えることもありますが、基本はシンプルな巻きですね。
私は軟らかめのロッドを好んで使い、ジグを泳がせるようなワンピッチでの巻きをベースに、ときおりハーフピッチのリーリングなどのパターンでアクションに変化をつけています。


東京湾タチウオジギングにおけるジグセレクトの可能性
近年はタングステンジグが人気です。ジグの素材について、タングステンと鉛それぞれのメリット・デメリットをどのように捉えていますか?



タングステンのメリットは、同じウエイトであれば鉛よりも高比重なので、シルエットがコンパクトになりますし、結果として沈下を速くできることです。
一方で、比重が大きい分、動き(スライド幅)は制限される面があります。
でも、現在の東京湾のように「動かない釣り」が強い状況では、誰が使ってもあまり動かさずに巻けるタングステンは非常に有効な武器と思います。





対して鉛は、タングステンより比重が小さいので動きは良くなります。
タングステンに比べてシルエットは大きくなりますが、よりナチュラルな動きを出しやすく、マニュアル感覚で自分の好きなように動かせるところが利点ですね。
東京湾タチウオジギングにおける鉛製ジグの可能性についてはどうお考えですか?



鉛でも形状を工夫することで、タングステンのような「動かないアクション」を出すことは十分に可能です。
私がプロデュースしているサーベルラッシュのように、あえてスライド幅やスイミングアクションを極力抑える形状にすれば、鉛でもしっかり釣れます。
価格面でのメリットもありますし、今後も鉛製ジグの可能性は大きいと考えています。
素材だけで選別するのではなく、一つの手段として形状や特性を使い分けるのが正解と考えています。


東京湾タチウオジギングにおける椙尾流PE&ショックリーダーの最適解
東京湾タチウオジギングでの椙尾流ラインセッティングの基本を教えてください。



メインラインのPE はバリバスのアバニ ジギング10×10マックスパワーPE X9 0.8号300mに、ショックリーダーも同じくバリバスのショアレコードショックリーダー[フロロカーボン]30lbを2ヒロ(約3m)セットしています。





マックスパワーPE X9は十分に強度があるので、糸立ちの良さを考えても0.8号がベストだと思います。
1号でも良いとは思いますが、0.6号だと直線強度は足りてもオマツリなどのトラブル時に弱さが出ます。
周囲との兼ね合いも含め、トータルバランスでは0.8号が最も使いやすいですね。
私はラインカットによるロストを考慮して300m巻いています。
ノットや金具類など、もろもろの接続についてはいかがですか?



ノットはFGノット、スイベルとの結節はダブルクリンチノットです。
スイベルを使う理由は、タチウオが回転しながら上がってくることがあるので糸ヨレを防ぐためです。
また、溶接リングとスプリットリングの組み合わせよりも、わずかでもジグとタチウオの歯との距離を稼げるのでラインブレイク防止につながる、という点でもスイベルの方が安心感がありますね。
タチウオジギングを支えるPEラインの重要性
PEラインがタチウオジギングを変える!? ここからは思いのほか大きな役割を果たしているPEラインの特性による釣りの内容変化に注目していきます。
アバニ ジギング10×10マックスパワーPE X9の感度と糸立ち性能
近年のタチウオジギングで使用するPEラインはアバニ ジギング10×10マックスパワーPE X9一択、ということですが、気に入っている点はどんなところでしょうか?



一番はショートバイトの取りやすさですね。
約3%の低伸度設計ということで、アタリを感じてからアワセまでのラグが少ない印象を受けます。
フォールでも巻きでも「あれ?」という違和感ではなく、「ゴン」や「ガツッ」といったダイレクトな衝撃として手元に明確に伝わってきます。





また、水切れが良いので、二枚潮(上層の潮流と下層の潮流で流れが異なる状況)でもラインが立ちやすい点もいいですね。
東京湾では特に下げ潮時に上の潮が速く、下の潮が遅いといった状況がよく起こりますが、そうした時でもラインが流されにくく、しっかり立ってくれるのでタナボケを防ぐことが出来ます。
アバニ ジギング10×10マックスパワーPE X9は水中で立ちやすい、つまり水中でのたわみが少ないので、リールのカウンターの数値やラインのマーキングといった「目に見える情報」と、実際の「水中の感覚」のズレが非常に少ないことも利点です。
タチウオジギングでは自分が今何をやっているかを把握することが最も重要なので、その明確さは大きな武器になります。


やはり「ラインが立つ」ということが、東京湾の釣りではとても重要なんですね。



そうですね、ラインが真っ直ぐ立つということはタナボケしにくいだけでなく、隣の人とオマツリしにくかったり、魚を掛けた後に他の人のラインに絡みにくかったりと、そういった利点もあります。
特に大潮と下げ潮、風が同調するときには表層の潮だけが川のように流れることがあります。
そうした激流の中で、同じウエイトのジグを使っていても、アバニ ジギング10×10マックスパワーPE X9を使っていた自分だけがラインを立てられた、という経験もあります。
他の方が斜めにラインを流されてオマツリを多発させている中で、自分だけが垂直にタナを直撃できるのは圧倒的なアドバンテージです。
オマツリを避けることは、自分の釣果を伸ばすための第一歩だと思います。
高速フォールで群れも時合も逃さない
フォールスピードについては、ラインの性能によってどのような違いを感じますか?



アバニ ジギング10×10マックスパワーPE X9を使った釣りでは、ラインの直進性が高く水中でのたわみが少ない分、狙ったタナへダイレクトに、素早くジグを送り込めます。
フォールが速いということは、それだけ速く魚の群れにコンタクトできるということです。
特に移動後の最初の1投目は魚もフレッシュで食い気が高いので、誰よりも速くタナへジグを届けられるメリットは大きいですね。





また、速いフォールスピードをサミングで遅くしたり、リールのフォールレバーを使ったりしてマニュアルでコントロールすることも可能ですが、もともと遅いものを速くすることはできません。
フォールアクションのバリエーションを広げられるという点でも、フォールスピードが速くなることはプラス要素だと考えています。
リーダーシステムを変革したアバニ ジギング10×10マックスパワーPE X9
以前は多用していたバイトリーダー(ショックリーダー先端にセットする太いフロロカーボンライン)を、今は使わないことが多いそうですね。



以前はPE 0.8〜1号を使用し、ショックリーダー20~25lb、その先にバイトリーダーとして12号くらいの太いフロロカーボンショックリーダーを入れるシステムも試していました。
でも、アバニ ジギング10×10マックスパワーPE X9を使い出してからは PE0.8号とショックリーダー8号(30lb)のみに落ち着いています。
この太さならガイドへの干渉も少なく、ラインを切られた際の結び替えもスムーズです。





アバニ ジギング10×10マックスパワーPE X9はラインが水中でしっかり張っていてたわみが少ないのでジグが安定し、魚がラインを噛んでしまうトラブルが減ったように感じます。
感度の良さも貢献していると思いますが、この「たわみの少なさ」によるレスポンスの良さが、結果としてラインカットの軽減に繋がっているのでは、と思っています。
その恩恵でバイトリーダーの必要性が低くなりましたね。





ただし、フォールで頻繁にアタリがあるような、切られるリスクが高い時は、先糸としてフロロカーボン12号(40lb)などを25〜30cmほど足すこともあります。
あまり太すぎるとスイベルの穴に通らなくなるなどの不都合も出るので、その程度の太さ、長さで十分だと考えています。
東京湾タチウオジギングでのマナーとオマツリ対策
オマツリしたときの対処法やマナーについて教えてください。



東京湾タチウオジギングはとても人気が高く、船の数も乗船人数も非常に多いのが特徴です。
潮が速いこと、隣のアングラーとの距離も近いことが多く、オマツリは避けられません。





オマツリを避けるにはまず投入の場所やフォール時のサミングが重要です。
潮流の向きや他の人のラインの位置をよく確認して、足元に落とすだけでなく絡まないようなところに軽く投げる配慮も必要です。
また、フォール中のサミングではただスプールのラインを押さえてラインスラックを少なくするだけでなく、途中で一度止めてラインを立ててから再度落とすといったテクニックを活用するとよいでしょう。
これだけでオマツリは激減します。
ヒットしたタチウオが潮に流されてオマツリの原因になることもあります。
オマツリしたままタチウオが暴れると、鋭い歯にラインが触れて一瞬でラインが切れてしまうことがあります。
こうした場合はまずは魚を一刻も早くジグから外すことが大切。
取り込んだ際にはタチウオをラインから引き離すことが先決、と覚えておくとよいでしょう。





どんなに注意していてもオマツリは起きてしまいます。
それゆえ、オマツリした際はお互いに声を掛け合い、気持ちよく釣りができるように心掛けたいですね。
椙尾さん使用・東京湾タチウオジギングタックル



基本的には、入力に対してジグがどう動くかのレスポンスを重視してセレクト。
ロッドの反発に合わせて、リールの巻きスピードを合わせるのが基本。


タックルデータ
軟らかいロッドの特性を活かしジグをナチュラルに動かしたい時に使用。
| タックル | 詳細 |
|---|---|
| ロッド | シマノ/ オシアジガーLJ B63-0 |
| リール | シマノ/ オシアコンクエストCT201PG |
| メインライン | 【バリバス】 アバニ ジギング10×10マックスパワーPE X9 0.8号 300m |
| ショックリーダー | 【バリバス】 ショアレコードショックリーダー[フロロカーボン] 30lb |
少しジグにアクションをつけたい時に使用。
| タックル | 詳細 |
|---|---|
| ロッド | シマノ/ オシアジガーSLJ B63-1 |
| リール | シマノ/ オシアコンクエストCT201HG |
| メインライン | 【バリバス】 アバニ ジギング10×10マックスパワーPE X9 0.8号 300m |
| ショックリーダー | 【バリバス】 ショアレコードショックリーダー[フロロカーボン] 30lb |
取材協力
横浜新山下「渡辺釣船店」













