No.058: 06.07.10
「第22回シマノ・ジャパンカップ投(キス)釣り選手権全国大会・準優勝」を振り返って…。

 text:谷本栄一

 6月30日朝9時小雨降る中、石川県加賀市の自宅を『シマノジャパンカップ全国大会』の行われる鳥取県弓ヶ浜に向けて、今回一緒に出場する同市の西田さんと伴に出発しました。週末の天気予報は大荒れとの事、今大会の流れを表す天気である事をこの時は思いもよらずに走る我々でした。弓ヶ浜に着いたのは夕方になってしまいましたが雨は降っていなくて波も殆ど無い状態で、とりあえずはプラックティス(試し釣)でキスの釣れ具合を確認し。ところがキスはどこにでも居て逆にポイントを絞るのが難しそうな状況でした
 
調子に乗って釣っていると、いつの間にか晩ご飯の時間になってしまいました。慌てて宿泊先の米子のホテルまで飛ばして何とか間に合い、今回出場される選手の皆さんと楽しい晩餐の一時を過ごすことが出来ました。明日の大会初日は8時から受け付け抽選なのでゆっくり風呂に入って、地元から持ち込んだ餌の管理をして早めに休みました、ZZZ… 。

 7月1日、目が覚めると外は曇り空、まだ雨は降っておらず、6時に朝食をとりタックル等の準備もあるので早めに会場入りし、車を駐車場に入れるとすでに雨が降り始めてきました。
 仕方なくカッパを着て他の選手の皆さんと挨拶を交わしながらタックルをセットします。今回私のタックルは竿がシマノニューキススペシャル405BX+、リールはスーパーエアロチタニウム、道糸は感度、飛距離とも抜群で私が絶大な信頼を寄せている『VARIVAS サーフキャスト投げPE道糸』の0.6号をチョイスしました。力糸はPE0.8〜6.8号のテーパーラインを結びオモリは27号、自作天秤に仕掛けは砂ズリ1.8mモトスはフロロカーボンの1.5号、ハリスは0.8号、ハリは朝一の良型に備えて狐系の5号、ハリ間28cmです。

 ここで今回の大会の試合方法を簡単に紹介します。まず、1回戦参加者18名を3ブロック6名ずつに分けて2時間30分釣ったキスの重量でブロック毎の順位を決めそれを6〜1ポイントに換算して自分の持ち点とします。これを2試合行い上位6名が2回戦に進出できる仕組みになっています。

 準備を済ませ本部テントへ向かい、しばらくしていよいよブロックとスタート順の抽選会です!プログラムの名簿順にクジを引いていきます。高まる緊張の中、私が引いたのはA−2番とA−3番!
 昨日のプラで大体キスの居るポイントは判っているブロックです。しかし、この1回戦を勝ち上がらないと上位進出は無理なので全選手、全力で釣ってくる筈です!私も長丁場ですが最後まで集中力を途切れさせないようにしようと自分に言い聞かせます。

 各選手がそれぞれのブロックに向かっていきます。私は2番スタートなので希望していたポイントへ入る事が出来ましたが、このスタート順のクジ運というのも大変釣果に影響を与えます。スタートの合図が鳴って餌付け開始!緊張のせいかいつもより時間が掛かってしまいますが10本のハリにチロリを付けて、第1投目は4色に投入しました。
 チロリを使う理由は、朝一は近投でも良型が交じるのでそれを狙っての事です。3色に入るところで待望のアタリが出ました!追い喰いを誘って喰わせてると隣の選手はもう回収して数匹釣っています。私より近い距離を釣っている様子です。いつもならここで回収なんですが、第1投目で連を掛け周りの選手よりリードしたかったので時間を掛け丁寧に探り2色で回収、1投目は5連を引きまずまずのスタートを切ることが出来ました。

 1時間は近投で数を拾い、後の1時間半は遠投で遠目に居るキスを狙う作戦を考えていました。遠投と言っても膝の怪我の具合が本調子ではないので、追い風でも7色しか飛びません(T^T)。やはり1時間を過ぎた頃から近投では連で釣れる事が少なくなってきたので、遠投?に切り換えました。6色でアタリが出て近投よりも少し型の良いキスが釣れて来てこの後も順調に釣果 を重ねて行く事が出来そうなので、このパターンで続けていきました。
 数投後アタリが無く仕掛けが5色まで来た時、待望の良型アタリ!少し送ってから聞くと乗っています。ハリ外れに注意しながら取り込むと23cm位の良型ゲット!この1匹が後で大きな流れを掴む存在になるとはこの時は思ってもみなかったのです。
 第1試合終了!検量に持ち込まれたAブロックの選手が持っているキスは皆似たような量です。ゼッケン順に検量を済ませていきます。2番の私は642gで他の選手より少し多く持っているようですが私の隣で釣っていた選手もかなり持っています。検量が進んでいき、最後の選手が検量…641g!私が1g差でブロック1位を取り好調のスタートを切りました。

 第2試合も同じくAブロックなので大体の感触は掴めており、3番スタートでもあるので1試合と同じ様なポイントで釣りをしようと考えてスタートしました。ところが数歩歩いた所でクーラーの肩紐が切れて落ち、タックルボックスや餌箱が散乱してしまい思わず「縁起悪い!」と呟いてしまいました。慌てて紐を括りクーラーを引っ抱えてポイントへ入りました。何かイヤ〜な予感?!今回は最初から小バリを使い1試合で釣ってなかった2〜1色と後半は遠投でを釣ろうと考えていました。

 試合開始、3色に仕掛けを投入して2色から1色ですぐアタリがでて4連!2投目も3連と小さいながらも幸先の良いスタートに気を良くして3投目、アタリが無いまま1色へ来てしまい「もしかして?」と即回収してみると仕掛け絡み(T^T)この後4、5投目も仕掛け絡みと何かリズムが悪くなっているようです。こうなってしまうと釣りどころでは無くなってしまうもので、仕掛けを替えたりオモリや天秤を替えたりと色々やってみますがキスは1〜2匹しか釣れてきません。時間ばかりが過ぎていきます。
 そこで気分転換も含めて場所移動しました。近いポイントは釣られてしまっているので遠投で巻き返しを図りますが時既に遅し!検量してみるとAブロック5位とここへ来てズッコケてしまいました。一緒に来た西田さんは1試合1位、2試合4位と2回戦進出の可能性が高い位置に着けています。2回戦進出者は懇親会の席上で発表なのですが半ば諦めて明日のシード権獲得戦へ気持ちを切り替えて行こうと考えていました。ホテルに戻りシャワーを浴びて支給されたシャツに着替え懇親会会場に向かいます。

 懇親会が始まり、そして2回戦進出者の発表です。1位から伊藤選手、矢沢選手、入澤選手、大林選手、そして西田選手が入り最後の一枠、…なんと私の名前が呼ばれたのです!思わず小さくガッツポーズ!壇上に呼ばれ慣れないショートスピーチ。そして明日の2回戦の大戦相手を選ぶ抽選です。私はCブロックで対戦相手は神奈川県の入澤選手、釣りスタイルも私と似ていてやり辛い方です。この時点でJC歴代のチャンピオンや有力選手が1回戦で涙を飲む形となり残ったのは昨年の覇者大林選手のみとなり波乱の1回戦となってしまいました。

 2回戦は1回戦を勝ち上がった6名を2名ずつ3ブロックに分けて1対1の勝負です。決勝は2回戦で勝った選手3名が同じブロックで戦い順位 を決めます。シマノの釣り番組でお馴染みの児島玲子ちゃんも参加しての楽しい懇親会はアッという間に終わって、早い明日のスタートのためにベッドに入りましたが緊張か興奮の為なかなか寝付かれません。


シマノイメージガール児島玲子さんと。

 7月2日(日)いよいよ泣いても笑っても今日が最終日!全力を出し切るだけです。雨が降る中タックルの準備をし本部テントへ向かいます。昨夜の抽選どおり各ブロックに2名ずつ選手が入っていきます。

斜め後ろからの風が強く吹く中、最初の優先権を持った入澤選手はCブロックの左側に入りました。私は真っすぐ正面 に入り右側全部を先に釣ってしまう作戦に出ました。開始の合図が鳴って餌付けです。雨で濡れて付けにくいのですが昨日の仕掛け絡みの反省からハリ数を少なくして8本にしたので早めに投入する事ができました。投点は4色!3色半で気持ち良いアタリが続いて連掛けに成功しました。投点を変えながら釣っていくと多連こそありませんが、この状態を続ければ対戦相手よりも釣っていけるはず!
 50分間の前半はあっという間に終わり後半戦、私は又しても真ん中に入りました。まだ釣ってないポイントがあったからです。ところが数投した時、力糸のテーパー部から高切れしてしまいスプールと仕掛けを全部交換し思わぬ時間を取られてしまいました。短時間決戦で恐いのは何と言ってもトラブルです!その間にも私の右側に入った入澤選手はポツポツ釣っている様子です。

 残り12分、たぶん2人の釣果は同じ位の筈です。そこで私は手の付けてなかった遠目のキスを狙いました。6色半、いいアタリが入りました!この距離でこのアタリが出るのは『VARIVAS サーフキャスト投げPE道糸』のお陰です。残り時間1分を切って回収に入りますが早く巻き過ぎてハリ外れも恐いので慎重に巻いてきて浜に上げると7秒前セーフ!ちょっと良い型を含む5連で気持ち良く2回戦を終えました。
 そして検量です!入澤選手244g、私は282gと最後の1投が効いて決勝に駒を進める事ができました。
 決勝戦、ここまで来れば恐い物は無し!しかも3人の内2人は仲間なので束になってチャンピオンに挑むつもりです。

 スタート順位は前半、大林選手、私、西田選手の順で後半はその逆からのスタートとなります。大林選手は左側に入ったので私は中央やや右側、西田選手は2人の間に入り決勝戦開始です。
 ここでもハリ数を8本と少なめにし40分ハーフという短い時間の中でどれだけ手返し良く釣るかを重視しました。ハリ数の少なさと餌付けの早さも手伝って1番に投入です。ここでも近投で効率の良い釣りをしようと4色から探り3色でアタリ!まずは連でキスを掛けて対戦相手にプレッシャーを掛けたいのですが続けなくては意味がありません。

 しかし、大林選手もいいペースで釣っています。ここも数投すると3色のキスが薄くなりしかたなく2色から1色で小型を数拾う作戦に変更です。私もペースを落とさずに前半を終了しました。後半のスタート順から西田選手が右側に入り私は真ん中、大林選手は中央やや左に釣り場を構えました。後半戦の開始です!いつでも遠投が出来るように道糸は0.6号にオモリ27号で臨んではいましたがキスの釣れ具合で様子を見ることにして近投から始めます。4色に投入、3色を探りますがアタリはあるものの喰いが渋くなって来た様子です。

 サビくスピードを落として何とか喰わせてはいるものの喰いが上向く様子はありません。またしても2〜1色で小型釣りに撤します。ここで何と仕掛け絡みで素バリを引いてしまい仕掛け交換です。このロスは痛いミスでした!残り時間は15分程、これを機会に左に移動しようかと考えた時、大林選手が左へ移動してしまい「やられたっ!」て感じでした。時間も残り少ないので取り敢えず手返しで近くのキスを釣ってしまおうと頑張りますが、左に移動した大林選手の7連が目に入ってきました。ここで試合終了!

 決勝の検量です!大林選手259g、私は208g、西田選手160gと第22回優勝者は2連覇を果たした大林選手、私が準優勝、西田選手が3位という結果で全日程を終了しました。シード権獲得戦では富山県の草野選手が圧倒的な遠投力で釣果を伸ばし権利を確得されました。

 今回、誰もが目指したのはもちろん1番高い位置ですが私はどんな場面でも条件、状況に合った釣りをする事と『自分の釣りスタイルで釣る事!』という事を目標に戦ってきました。試合中色々なトラブルに見舞われ課題も多かったですが、最終的に決勝まで来ることが出来て自分の強運に驚いています。


副賞授与。
沢山のかたからの励ましにとても勇気づけられました。ありがとうございました。

 地元や全国の釣友から大会前、大会中もたくさんの励ましを頂き大変勇気づけられました。この場をお借りしてお礼を申し上げます。また、モーリス社にはマテリアルのサポートに感謝し今後も良い製品の開発に協力していきたいと思っています。

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