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船 南村 健治

タナ返しで狙う和歌山県南紀のウメイロ釣りに初チャレンジ

梅の実が熟すころに旬を迎える。背中の彩色が熟した梅の実の色に似ている。因ってウメイロと呼ぶとか。もちろん美味、高級魚である。

5月19日。そのウメイロを狙って紀州梅の本場、南紀は見老津の黒龍丸にでかけた。実は3月に仲間が同じ黒龍丸でイサギ釣りにでかけ、そのときにウメイロが数匹混じったとか。「じゃぁ、本番となる5月に出かけましょう」ということになり…。船を予約した後、しばらくの間は順調に釣れていたようだが、当日が近づくにつれて急に食いが落ちだす。そして前日の5月18日は船中で1匹。はたして、「万事休す」となってしまうのか。

見老津の港を出たのが午前5時30分。ポイントまでは意外と近くて、15分ほどで到着。

釣り方はオキアミを刺しエサと撒きエサにした、天秤フカセの流し釣り。仕掛けは天秤から先を船宿が用意してくれて、撒きエサカゴからオキアミが出る量まで調節してくれる。ハリスは4号程度でタイバリの8号くらいが3本。枝は30cmほど。ラインはVARIVAS アバニ ジギング 10×10 マックスパワーPEの2号。

「全部お任せっ」ということで、ウメイロ初心者には「楽チン楽チン」かと思っていたら、そんなことはなく、かなり繊細というかシビアな釣りのようだ。

ポイントに到着すると船長からの指示。「タナは25mです。ハリスの長さが8mありますからそれをプラスして33mで止めて、25mまで巻き上げてください。エサは2~3回に分けて振りだして…ウメイロは胃袋が小さいからあまり撒き過ぎないように…。」あぁ、それで撒きエサカゴの調節をしてあるんやね。そして、どうやらウメイロは磯の頂上あたりにいるようで、釣り方は素早く目的のタナでハリスと撒きエサを同調させる「タナ返し」である。

リールのカウンターを見つめながら、25mまで巻いたとき竿先がゴンッと入った。ただ、魚は掛かっているようだが締め込まれるような引きではなく、重いだけ。海面に見えたのは25cmくらいのイサギ。「ウメイロか」と色めき立ったが、拍子抜け…でも、「うん、うん、もう1匹いる、いる、いる…。」傍らに立った船長が声を上げて、姿を現したのはウメイロ。

前日は1匹だったウメイロが開始早々に釣れて、「これは、これは…」と船中活気づいたけれど、結局この日も撃沈。お土産のロウソクチビキ(これも初めて狙う魚やけど、かなりうまいらしい)もサッパリで、結果は船中6名でウメイロが4匹。イサギが1人4~5匹。

潮の動きも緩く、急な水温低下が原因なのか、船長が首を傾げてばかりの一日でした。

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