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フライ 吉田 俊彦

2017年 丸沼解禁速報

4月26日(水)群馬県片品村の丸沼が解禁した。今年の丸沼周辺は湖岸の残雪が多く、湖面の半分近くが氷に覆われるという近年稀にみる解禁となった。

天候は晴れ時々曇りで、表層水温は3度。朝5時にはホテル前のカケアガリにアンカーを打ち、立ち木ポイント周辺でフライのキャストを開始。しかし例年とは何か様子が違う。流れ込みや岸近くでは釣れているようだが、私にはアタリがないまま1時間経過してしまった。

その状況でもルアーで着実に釣果を上げている人もいた。スポニチAPCの若林氏である。さすがは丸沼のレジェンド。丸沼を知り尽くしている彼は、湧き水のある岸沿いのポイントに入るよう私を促してくれた。

若林氏に譲っていただいたポイントで待望の初ヒット! スペイティップ T3 4.5mをシューティングヘッドとして使用し、10秒のカウントダウンとショートストロークのリトリーブでヒットしてきた。湧き水のあるワンド周辺は水温が1度ほど高かった。

私が使用したロッドは Power Trail シリーズ最強の9ft. #8。

リーダーシステムはテーパードリーダー オールパーパス フロロカーボン 9ft. 2xにスーパーティペット マスタースペック フロロカーボン 3xを3ft.分継ぎ足して使用。

ヒットフライはゴールドビーズで、ブラックのマラブーテイルにボディハックルを巻いたストリーマーだ。フックは2510WB KEEL STREAMER #12を使用している。※ボディハックルはマラブーテイルが絡まることを軽減する効果がある。

インジケーターを使用したニンフフィッシングは、ピンポイントをじっくり攻める場合に良い方法。フライフィッシングらしくないと、インジケーターそのものを嫌うフライマンも少なくないが、リトリーブに比べて手が濡れなという利点もある。手先が冷たくなりやすい人には特におすすめする。カケアガリにキャストしてアタリを待つと、ピクピクと前アタリがあってからインジケーターが消し込まれヒット!

ヒットして5分経過しても、寄せては走りを繰り返す。かなりの大物だ。Power Trail #5のアクションはパワフルでエレガント。誰にでもおすすめできる心地よい軽さと繊細なグリップデザインだ。しかもロッドを立てているだけで大型魚を寄せるバッドパワーを兼ね備えている。人気が出るのも頷ける。



水中に魚が見える。大型のレインボーだ。

上がって来たのは57cmのレインボー。ロッドはPower Trail #5。Trailシリーズの特長はその美しさだけではない。モーリスグラファイトワークスの主任ビルダー安達氏による熟練のスピゴットフェルールの効果だ。スムーズなベンディングカーブを描きファイト中に一定のテンションを保つことが容易。バレない安心感がある。

よく見ると小さなニンフがしっかりと上顎にかかっているのがわかる。
ラインはユニオンカラー フライライン センシティブ プレゼンテーション Dt #6を使用。リーダーシステムはテーパードリーダー オールパーパス ナイロン 7.5ft. 3xにスーパーティペット マスタースペック ナイロン 4xを4ft.分継ぎ足して使用。なお、インジケーターマーカーは可動式とし、ヒット時はウキ下が約1メートルだった。


これがヒットフライ!
なんとフックは細軸の2120WB WAVE BARBLESSの#10。大物賞とのファイトで、若干ベントが開き気味になっていた。湖だけではなく河川でもとても有効。このWBラビットニンフはアクションを優先させ鉛のウェイトは巻き込んでいない。人とは違う戦略が大物を呼び込むのだろう。

今回使用のフライパターン紹介


WBラビット

[フライレシピ]
フック:VARIVAS 2120WB WAVE BARBLESS 1X Fine~2X Fine Barbless #10
ヘッド:ゴールドビーズ
ボディ:ラビットファー・グレー
テール:マラブー・ブラウン
リブ: コパーワイヤー
※ウェイトなし

―解説―
使用した VARIVAS 2120WB WAVE BARBLESS 1X Fine~2X Fine Barblessはファインワイヤーを使用した細軸のドライフック。今回57cmのレインボーとの10分余りのファイトでは若干ベントが開いていたが、見事に耐え抜いている。それほどこのファインワイヤーは粘り強い。ドライのみならず、インジケーターを使用したニンフフィッシングには威力を発揮する。この軽いフックはマテリアルの動きを邪魔せずナチュラル。キール姿勢でゆっくりと沈む。だから魚の上顎を鋭く捉えることができるのだ。スレた大物へのアピールが違うことはいうまでもない。軽いニンフは魚が咥えている時間が長いから、アタリもハッキリ出やすい。写真のグリップの幅からニンフの大きさを推定し参考にして欲しい。WBシリーズはバレないという点で最強のドライ用バーブレスフックだ。
(フックデザイン=吉田俊彦)

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