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ソルトルアー 中山 光春

高知 アカメ釣行

日本三大怪魚と呼ばれる・・・
『北海道の鬼』イトウ、
『琵琶湖の守り神』ビワコオオナマズ、
『赤い目の怪魚』アカメ。

日本の固有種であり、絶滅危惧IB類に指定されている希少種。
大きな個体は1mを超え、釣り人なら誰しも憧れを抱く魚だと思います。

今回のターゲットである『アカメ』はボク自身、何も知らない、右も左も分からない手探り状態からここまでやってきましたが、
無駄に時間を過してきたワケではなく、後は『運とタイミング』だけだと自分では思えるところまできていました。

これまでの様子はブログに書き残してありますので、興味のある方はコチラをご覧下さい。
http://3286naka.blog88.fc2.com/blog-category-36.html

失敗した、釣れなかったとネガティブになるのではなく、釣れないのが当たり前の釣り。
たとえ釣れなくても、今回もいくつかの釣れないパターンを見つけることができた!とポジティブになればいいのだ(笑)

そんなポジティブなアカメへの挑戦は今回で計4回目。
2012年の夏からアカメを狙いに高知へ遠征しはじめ、今年で3年目を迎えました。
今年も6月21日(土)~24日(火)まで、フィールドに立つチャンスを得たので、
アカメを狙いに高知まで行ってきました。

出発日である土曜日は仕事だったので、前日までに準備をすませ、帰宅してから20時半頃に自宅を出発。

西日本では梅雨真っ只中ということもあり、小雨のパラつく中での出発。
基本的にアカメは淡水が得意ではなく、汽水域には入ってくるが塩分濃度の濃いエリアに身を置くらしいので、
雨の続いていた高知エリアにどう影響してくるか?

今回の目的地は高知県内の河川が集中して注いでいる浦戸湾。
潮回りも長潮、若潮と状況だけで見れば決して良い状況とは思えませんが、
行ける日がこの日しかないので行くしかないのです(笑)

4時間弱ほど車を走らせて高知で到着。
ダラダラと降り続く雨に出鼻をくじかれた感はあるが、雨に打たれる心の準備はできている。
レインウェアを着込み、早速釣りを開始する。

今まではお盆休みを利用してしか来れなかったので、6月の状況というものが全く分からない。
いつもは蒸し暑い中で釣りをしていましたが、少し肌寒いくらい。

いくつかのポイントをランガンしてみましたが、
ヒラセイゴらしき魚がベイトを追い回す姿を何度か確認したのみで夜明けを迎えました。

~2日目~

天気予報では午前中に雨も止む予報でしたが、ダラダラと降り続く・・・
梅雨前線が太平洋沿岸で居座り、九州地方では大雨を降らせているようだ。

とりあえず夜までは時間があるので『くいしんぼ如月』のお弁当で腹ごしらえ。
ココの南蛮弁当はかなり評判が良く、高知にアカメ遠征で訪れるアングラーにも幅広く知られているようです。

24時間営業ということもあり、自分の好きなタイミングでいつでも食べられるのが有難い。
ボクはチキン南蛮と唐揚げも一緒に頂ける『南蛮チョイス』がお気に入り。

7回連続で南蛮弁当を食べると、アカメの確変に突入するとかいう都市伝説もあるとか無いとか・・・
高知へ行かれる際は是非とも試して下さい(笑)

ダラダラと降り続く雨も止む気配もなく、
雨宿りしている屋根の下でレインウェアを乾かしたりタックルの整理、準備をして夜に備える。

日も暮れてきた頃には雨脚も弱くなってきましたが、依然パラついたり通り雨があったり…
この日はウェーダーを履いてレインウェアを着込み、
狙いをつけていたポイントへの回遊を狙い撃とうと回遊待ちの釣りに徹することにしました。

シャローエリアでいくつかのブレイクラインが複合するポイントで、Maria スカッシュ S125をキャスト。
素早く深いレンジに到着してくれるのでボトムの形状が把握しやすい。

ゴツゴツ・・・ゴツゴツ・・・とボトムを触りながらリトリーブしていると、
ゴツゴツ感が『フッ・・・』と抜ける。
その抜けたラインにブレイクラインがあり、アカメはこのような場所を回遊しているので、
そのライン周辺を正確に頭に叩き込み、ルアーがそのエリアを通過する際は特に集中したい。

いくつかのラインを交互に探っていると、ゴツゴツ…ゴツゴツ…『ゴゴンッ!!』
急なアタリに少しビックリしたがアワセを入れ、間髪待たずに追いアワセを入れる。
アカメの口は硬いのでフックが刺さらず引っ掛かるだけの時も多いらしいです。

大きなアタリから鈍重な引き…
しかし、それほど大きな魚でもなさそうだが慎重に寄せてみると・・・
30cmチョイほどのキビレではないか(笑)
リアフックが口に掛かり、センターフックが側面を拾っていたので水の抵抗だけが倍増。

一瞬ドキッとしましたが、この日は12時間投げ続けて、このキビレのみで終了。
やはりなかなか簡単にいく相手ではありません。

~3日目~

いよいよ最終日。この日はラストナイトである。
最終日になってようやくお日様が顔を見せてくれました。

こうなると日中は陽射しがきつく、エアコンをかけていないと車中にも居てられなくなるので
『高知ぽかぽか温泉』へ行き心身共にリフレッシュ。

温泉でゆっくり汗を流した後は、おつまみセットを頂き、クーラーの効いた2Fの大きな休憩所でゆっくり仮眠。
お盆休みあたりになると連日40℃を越える日が続き、日中にクールシェアさせて貰える神的な存在です。

大型連休になると各方面から多くのアカメ狙いのアングラーが訪れ、
情報共有の場にもなっているので、知り合った方々とお話できるだけでも楽しいですよ。

ぽかぽか温泉を出た後、最終日は前日と同じポイントで回遊を狙うことにしました。
ベイトも前日にたくさん確認できていたので、チャンスはあるはず。
そう信じながらキャストしていると『ゴンッ!』とアタリがきて穂先に重みが加わる!
グンッ・・・グンッとロッドを押さえ込んだ瞬間『フッ・・・』

無念のフックアウト。というよりもファイトにすら持ち込めなかった。
これが今回の最大のチャンスではなかったのか?
声に出そうなくらいのタメ息が出て力が抜ける。

時間は21時を過ぎたあたり…
生暖かいような、時折冷たいような風が吹き出したなぁ~と思った矢先、雨までパラついてきた。
『今日はずっと晴れで、雨は降らへん予報やろ??』
と考えていたら急激に雨脚が強まり、一気にゲリラ豪雨に・・・。

辺り一面がクッキリ見えるほどの稲光で、
水面のベイトがこんなに居てたのかと確認できるくらいバシャバシャ!と驚いている。
あちこちに落雷し轟音が響き渡る。『アカン、怖い・・・』
とてもロッドを持ったまま退避できるような状態ではなく、
ロッドを置いて寝かしたまま少し離れた所の僅かに雨宿りできるスペースがあったので雨を凌ぐ。

レインウェアも着ておらず、車まで距離もあるので戻れず。
1時間半くらいジーッと携帯電話とにらめっこしながら時間が過ぎて行きました。

しばらくすると雨は止んだのですが過ぎ去った雷雲はまだ遠くでゴロゴロと鳴っている。
携帯電話で雨雲のレーダーを見ると、西の方から別の強そうな雨雲が近付いている。
『さっきのゲリラ豪雨と雷でもうアカメもアカンやろな・・・
でも時間は残ってるし、またゲリラ豪雨が来てもすぐ退避できるように段取りして
朝まではやりきって帰ろう』と決めてポイントを移動しました。

国分川のとあるメジャーポイントに到着。
橋の街灯が水面に明暗を作り、橋脚や杭、シャローと水深のあるミオ筋。
自分の得意な都市型河川のシーバスと似たようなシチュエーション。

先ほどあれだけ降った雨もスグには影響しないのか?そんなに増水や濁りも見られない。
潮は上げのタイミングになっており、湾内から上流に緩やかな流れができている。

Maria エンゼルキッス TGWをキャストし、穂先に泳ぐ振動が伝わるか伝わらないかのスローテンションで、
テロテロ~テロテロ~と右側のミオ筋、少し左のシャロー、と探りを入れる。
3投目か4投目だったか、エンゼルキッス TGW140が明暗と橋脚のヨレが交差するポイントに入った瞬間
『ズドンッッッ!!』

強烈なバイトと共に11フィートのロッドがバットまでブチ曲がった!
ロッドをのされそうになりながらも耐えていると、フックや身切れが心配になり少しドラグを緩める・・・

容赦なくギュンギュン! 絞り込まれ走られ放題。
グングン・・・グングン・・・不気味な静けさを感じるくらい大人しく引いているだけと思いきや、
水面まで飛び出して『ドッパーンッ!』『カポンッ!!』と激しくエラ洗い!

もうアカメの姿も見えてて気が気ではない・・・
『バレるな~耐えろ~』と自分に言い聞かすのではなく、祈るような気持ちでじわりじわりと寄せてくる。

少し寄って水面から顔を出すと、ルアーは丸飲みされているようなのでフックアウトの心配は少なくなりますが、
こうなるとサンドペーパーのようなアカメの歯でリーダーの磨耗が気になってくる・・・頼む、耐えてくれ・・・

何とか足元まで寄せてきてオーシャングリップで下顎をガッツリ掴む。
しかし7kgのグリップをスコーンと振り切って、ガコンッ!ガチャンッ!と
まだ足元で暴れて手首ごと持っていかれそうだ・・・

何とかグリップで持ったまま片手でストリンガーを開き、ランディング成功!
ここまできて、やっと安心することができた!『やったー!ついに獲ったぞ!!』
飲み込まれたフックを外すのに、弱ってしまったら嫌なので、
とりあえずリーダーをカットして水の中で十分に酸素を送る。

ストリンガーに繋いだまま自力で悠々と泳ぐアカメ。
その姿を呆然と見入ってしまっているボク。魚のダメージも心配なさそうだ。

じわり、じわりと喜びが込み上げてくる。なんだこのハンパない満足感、達成感。
『ありがとう高知』なぜ高知だったのか分からないが、
全てのことに感謝したい気持ちでイッパイになってました(笑)



サイズの方は87cm。
重さの方は体重計を持って行ってて、自分だけで乗ったら78.7kg、
魚を持って乗ったら88.1kg、差し引いて9.4kg。

1mを超えるようなモンスターではありませんが、今の自分には十分すぎるサイズ。

ルアーを丸飲みにされ、ザラザラになりながらもよく耐えてくれたVARIVAS ショックリーダー。
おかげさまで記憶に残るメモリアルフィッシュと出逢うことができました。

飲み込まれたルアーも一滴の血も流さずに回収することもでき、
無事に浦戸の海へ元気に帰ってもらうことができました。
できる限り元気に帰って貰いたいですしね!

でも中には剥製や魚拓といった形に残したい方も居られると思います。
それはそれで良いと思いますが、デジタル魚拓という方法もあります。

スマホや携帯の写真では仕上がりに影響でることもあるようですが
、普通のデジカメで何枚か写真を撮っておくと原寸大で綺麗に魚拓を作ってくれるサービスがあります。

ボクも初めてのアカメで、この大きさ、迫力を形に残したかったので、
ファインフィッシュさんでデジタル魚拓にして頂きました。

http://finefish.biz/

もっと大きなアカメをバンバン釣っておられる方も居てますので、
そんな大袈裟に喜ばないでもと思いますが…
今回、経験できた出来事は一生の宝になり、記憶に残ります。
『初めては特別』と有名な怪魚ハンターさんがおっしゃってますが、ホントその通りだと思います。
ボクはもう『初めてのアカメ』には出逢えませんが、1mを超えるアカメを目指して頑張ります!
ボクが今回経験した内容が少しでも読んでくれた方のお役に立てれば嬉しく思います。
ありがとうございました。

タックルデータ
ロッド:SMITH ブローショット GSX-110
リール:DAIWA セルテート 3500HD
ライン:VARIVAS アバニ キャスティングPE マックスパワー 2号
リーダー:VARIVAS ショックリーダー(ナイロン)80LB.
ルアー:Maria エンゼルキッス TGW 140

過去のフィールドレポート記事中で掲載している製品は、
廃盤品として現在取り扱いを終了している場合がございますので予めご了承ください。