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ソルトルアー 横島 敏弘

スーパーコンダクターLS4が切り拓く新境地

ラインがナイロンからPEへと進化しジギングゲームが変貌した。それまではせいぜい100m前後のエリアを85g前後のジグで狙っていたジギングゲームが、より深く、よりヘビーウエイトのジグで大型魚を狙えるようになり、ジギングゲームの幅が大きく広がった。特にカンパチのジギングではスーパーディープジギングが流行し、それまでは泳がせ釣りでのみ狙えていたサイズの魚が狙えるようになり、私がホームグランドとしている小笠原諸島では今まで攻めることができなかった水深でのジギングが可能になった。
そして数々のビッグワンをキャッチすることができたのもこのバリバスラインがあったからこそである。近年スローピッチジャークという新しいスタイルのジギングが広まり、更に深い水深を狙い様々な魚を狙うようになり、今まで以上にラインの性能を問われる時代になった。通常のPEラインでも伸びないとはいえ実は最大伸度で7〜8%ほどは伸びるもの。すなわち200mの水深で約15m、300mの水深ともなると約22mも伸びる計算になる。

これはあくまでも最大伸度なのでシチュエーションによってはそこまで伸びているとは限らないが、水深が深くなればなる程、PEラインでも感度や操作性能が落ちてしまうことは事実だ。そこでバリバスから発売された「スーパーコンダクターLS4」がその威力を発揮してくれる。原糸素材から見直し、さらに特殊な編み方で4本撚りで仕上げることにより、全く新しいタイプのPEラインを誕生させたのだ。通常のPEラインの最大伸度の約7〜8%の伸び率から更に30%程の低伸度化(5%台)を実現した優れ物である。つまり200m出た時に今までは約15m伸びると考えられるが、このラインは約10m少々しか伸びないのである。フロロカーボンリーダーと組み合わせることによって、より深い場所やより遠い場所での操作性や感度が飛躍的に上がることになるのだ。

そこで今までは攻めきることができなかった小笠原の深海エリアをジギングで攻めてみることにした。
普段、オナガダイ漁を専門に行っている仲間の船頭に乗せてもらい300m前後のスーパーディープジギングに挑戦してみた。狙いは勿論オナガダイであるが小笠原の深海には様々な魚が居るので、ジグに興味を示す魚は全て狙ってみようということでヘビーウエイトのジグをディープエリアに送り込んでみた。反応は直ぐに現れ、ガツンッ!と明確なアタリが出る。水深380mのボトム付近での明確なアタリにこのラインの性能の高さを感じさせられた。伸びが少ないので魚のファイトもリアルに感じ取ることができる。期待しながらリーリングし水面に姿を現したのは赤い魚体ではなく・・・、長〜い銀色の魚体であった・・・。「ユメタチモドキ」という深海性のタチウオの仲間である。内地では生息していない魚で小笠原らしい魚だ。全長は2mを超える大物であった。

ポイントを変え再びジグを投入し、ボトム付近でジグの動きを感じながらアクションを加えると、まるでカンパチのようなひったくるアタリが出てフッキングへと持ち込む。ギュンギュンと力強いファイトなので、オナガダイではないことはロッドを通して伝わってくる感覚で判断できる。慎重にリーリングしあと50m位の所で魚体が見えてきた。赤い魚である。オナガ?何だ?と皆で海中を覗き込みながら上がって来るのを楽しみにリールを巻く。姿を見せたのはキントキだった。それもかなりの大物である。ランディングに失敗すると沈んでしまうのでネットで慎重にランディングする。後の検量で3kgオーバー IGFAのオールタックル部門の世界記録に相当するサイズであることが分かった。

「スーパーコンダクターLS4」という新しいラインがあったからこその新境地開拓である。
今回は遠征でのディープウォーター開拓であったが、相模湾でのムツやキンメ狙い、東京湾の冬場のタチウオ等、ディープエリアのジギングで新たな武器が加わったことになるだろう。商品ラインナップも1号、1.2号、1.5号、2号、2.5号と幅広く用意されているので、それぞれのターゲットに合わせて使い分けてほしい。皆さんも新たなゲームを楽しんでみては如何だろうか。

過去のフィールドレポート記事中で掲載している製品は、
廃盤品として現在取り扱いを終了している場合がございますので予めご了承ください。