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ソルトルアー 谷村 隆幸

トカラ列島遠征 ベイトキャスティング 心技体でトカラ列島に挑む

準備から始まる。
VARIVAS アバニ キャスティングPE Si-X 8号
VARIVAS アバニ GT マックスパワー プラス 8号
VARIVAS アバニ GT SMP スーパーマックスパワー 8号

ベイトキャスティングにおいて、PEラインへの負担は大きい。過去の経験から毛羽立ちにくい上記のラインを選択。それを自作の簡易ライン巻機を使って、ドラグチェッカーで11~12kgの負荷を掛け、さらにVARIVAS PEにシュッ!を塗布して、命懸けで巻く。

ロングリーダーはVARIVAS アバニ SSアシストライン 40号を20m。このラインは耐摩耗にとても優れている。ロウニンアジは、ヒットすると瀬に向かって走る回避行動にでる。この行動を利用して瀬に張り付かせ、動きを制することができるアバニ SSアシストライン 40号なくして、ロウニンアジを止めることはできない。ただし、ロングリーダー(アシストライン 20m)+リーダーの長さの範囲で、如何なる超大物でも制することができる筋力と経験があることが前提である。

リーダーはVARIVAS 大物ハリス 60~80号。瀬ズレの影響を考慮すると大物ハリス 80号は必須であろう。風の影響、根ズレなどを鑑みれば、フロロカーボンライン 130lb以上のリーダが欲しいところだ。

そして実釣。6月某日。これまで幾度も訪れてる場所。月明かりが邪魔をし、魚を見つけることができない。

トビウオが追われた着水地点にシンキングルアーをピンポイントで入れる。着水と同時にラインから感じる生命感。同時にキャスティングPE Si-X 8号が引きずり出されて、リーフに向かって走っていく。ドラグをマックスポジションにし、ファーストランを止め、旋回させ、ロウニンアジを故意にリーフへ向かわせる。

リーダーがリーフに当たった。呼吸ができないロウニンアジはそこで観念し、私の立つ場所に向かってくる。感謝を込めて抱き上げ、写真撮影リリースに成功。何十年と生きてきたロウニンアジに敬意を持って挑むことができた。

“ありがとう”

遡って5月16日。

闇に包まれた中でロウニンアジ、イソマグロを探していた。トビウオが着水し夜光虫が青白く光る。近くのアングラーが引いているトップに、青白く光る魚影が反応した…。

「いた!!」

闇でしか確認できない魚影。ルアーに付いて追ってきているが、見切って反転。別のアングラーのルアーにも付いてきているが、また見切った。デッドベイトを闇の中にキャスト…30mくらい飛んだだろうか。少し沈めてトビウオの泳ぎを意識しゆっくり巻く。目測10mくらいのところで、青白い魚影がデッドベイトの右に付き反転し、左に移動する瞬間…想像を絶するスピードで走る。

頭の中では「左ということはハリは右か」と思っていた…。ドラグ設定は4kg+ハンドドラグ。ファーストランで100m近く走られた(ラインを抜いてみて判明)。止まると同時に一瞬重くなり旋回行動。落ち着いて、ゆっくりテンションを感じながらポンピング…近づくにつれて重くなり、ポンピングが困難になっていく。ラインを巻いた分がセカンドランで簡単に引き出された。

イソマグロ…サメ!?

「掛けたら獲る」と常日頃から思っているため、セカンドラン、サードランを繰り返されても楽しめた。30lbのナイロンラインでギリギリのテンション。「ここで距離を詰めたらどうなるのか」と考え、自分と相手との距離を詰めすぎ失敗。

思う通りに事が運ばない…

相手との距離が近くなるにつれて、ナイロンラインの伸びがなくなったように感じたので、ドラグを下げてグローブを脱ぎ捨て、ハンドドラグで挑む。今まで経験したことのないような違和感…ナイロンラインのむずかしさ。今、自分にできる最大限の事をして、相手との距離を詰める。「銀色」という声が上がり、イソマグロだと確信。最後の抵抗を凌ぎ、浮かせることができた。ネットランディングを仲間に託して合図を待つ。

“入った” 瞬間に感情が爆発し叫んだ…仲間も「デカイ!」と叫んだ

上がってきたイソマグロは自分よりもデカく、綺麗な魚体に感動した。

仲間と共に挑めたことに感謝しJGFAに申請を出す。JGFAの厳正な審査の上、30lb 岸(磯)イソマグロ 74.2kgでの日本記録となりました。IGFA規格をつくるモーリスに心から感謝いたします。

そして、最後に“記録は破るためにある”。何十年もスタンディングを貫きながら、IGFAルールで挑む大先輩方に敬意を表します。

過去のフィールドレポート記事中で掲載している製品は、
廃盤品として現在取り扱いを終了している場合がございますので予めご了承ください。