menu
ソルトルアー 上杉 一臣

雨の沖磯にて、至高の青物トップゲームを満喫!!

愛媛県の武者泊でのレポートです。

この日は、終始雨の予報でウネリも心配される状況。磯渡しを断念するエリアもある中で、風向きや波高の予報を入念にチェックすると、どうやら武者泊の地寄りならやれそうだと「あづまや渡船」さんに連絡。すると、おそらく大丈夫だろうということで、すぐさま釣友のMさんと二名で予約しました。天気予報が悪いこともあり、他にお客さんはいない様子。あづまやさんは、二名から磯渡ししてくれるので大変ありがたい♪

当日の朝、先頭さんとあいさつを交わし状況を聞く。
今年は沖よりも陸寄りに魚影が見えるようだ。しかし、沖のホンバエ周辺で漁師さんが型の良い青物を釣ってきていたとの話を聞き、迷わず沖を選択(笑)。手堅くと言う選択肢も悪くはないが、どちらかといえば夢があった方が良い♪

出船時から降り続く雨の中、Mさんとダイビングペンシルをキャストした。
早々にMさんに一度だけバイトがあったそうだが、惜しくもヒットに至らず。
その後は、長い沈黙が続いた・・・。

依然として青物の気配はない。

ダイビングペンシルからポッパーへ、ポッパーからミノーへとルアーローテーションを繰り返しながら、アプローチする。
けれども、海は応えてはくれない・・・。
数えきれないほどのキャストで、徐々に袖口から雨水が侵入し、寒さと疲労感が集中力を低下させる。
何も無いまま、渡船が迎えに来る時刻が迫ってくる。

だが、まだ終わってはいない。

Mさんもキャストの手は緩めない。
あと一時間ほどで納竿となる頃、遥か沖に慌ただしく舞う海鳥の群れが見えた!

青物が来た!

しかしその距離は遠く、とてもルアーが届くものではない。
海鳥の動きに注目しながら、ルアーを選択する。
16cmのダイビングペンシルをチョイスしたが、飛距離が今一つ足りない。
無意識の内に、食わせたい気持ちが先に立ったのだろう。選択肢の誤りに気づきすぐさま18cmのダイビングペンシルにチェンジした。

海鳥の群れが目の前を結構な速さで移動する。
その下には、青物が水飛沫を上げている。数はそう多くはないようだが、サイズがデカそうだ。

少しずつ、海鳥が接近してきた。
丁寧にダイビングペンシルを操作し、ミスダイブしないように確実に波動を水中へと放つ。
突然、一匹の青物がペンシルを襲ってきた!
コツンっと僅かに触れただけでヒットしなかったが、その魚はゆうにメーターを超えるデカさだった・・・。

チャンスの到来。

依然、海鳥の群れは近づいたり離れたりを繰り返す。
ルアーが届かないにしても、接近した時はチャンスである。

再び青物がペンシルを襲う!
海面が爆発し、フッキングが決まった!
ロッドから重々しい重量感が伝わる。
立ち位置を変える為に、一度テンションを緩め移動している時だった。
不運にも掛かりが浅かったのか、フックが外れロッドからテンションが抜けた。
貴重な一匹をバラしてしまった。

直後にMさんにヒット!
ロッドが弧を描き、力強いファイトが始まる。
これもデカそうだ!
わりと近い場所でヒットしたその魚は、パワー全開で抵抗する。足元には沈み根が点在し、大型ほど取り込みの難易度が増す。
Mさんは渾身のパワーでプレッシャーをかけていく。
だが魚も負けてはいなかった。
ドラグ音が鳴り響き、スプールからラインが引き出されていく。
命を掛けた最後の抵抗で、沈み根へと持ち込まれてしまった。
直後、ラインが切られロッドからテンションが抜けた・・・。
悔しさが残るが、磯際での青物とのファイトは、この上ないほどにエキサイティングだ。

やはり、この群れの魚はどれもデカイ。

海鳥たちは遠ざかってしまったが、諦めることなくキャストする。
ダイビングペンシルの波動は、必ず魚を呼び寄せる。そう信じて投げ続けた。

海面炸裂!

ロッドにテンションが伝わり、フッキングが決まる。
今度も良型であると確信した。

その魚は手前へと向かって来た。足元には沖へと突き出た沈み根がある。そこへ持ち込まれたら一貫の終わり・・・。

沈み根付近まで来た時、リールのベールを起こし張り詰めたテンションを一気に抜きラインを放出。
魚は根から離れ沖へと走り出した。

スプールのラインを僅かに抑えながら少しずつ軽めのテンションを与えながら、走る方向を見定める。
潮の流れを受けたラインが上手い具合に抵抗となり、魚の進路を変えることができた。

立ち位置を変え、そこから急激にプレッシャーを掛ける。体力を奪い、抵抗する気力を奪いに行く。
サイズが良いので、すぐには浮かない。潮流があり、重量感は更に増す。
だが、魚は徐々にパワーを失い距離が詰まってきた。

リーダーが入り、最後の抵抗を見せる。
口元にしっかりと掛かったフックを確認し、寄せる波に乗せランディングした。
Mさんがリーダーを掴み魚を引き付けてくれた。
私のフィッシュグリップが顎を捕らえ、キャッチ成功!


Mさんと固い握手を交わす。

「0」が「1」となった最高の瞬間。

これがあるから。
これのために、私は磯へと通うのだ。

厳しい状況の中に訪れた、貴重なチャンスを手にした喜びは大きい。

大自然の中に身を置き、魚との真剣勝負に没頭する。

気心知れた仲間との感動の共有は、磯という特別なフィールドの魅力を際立たせる。

この釣りは、到底やめられそうにもない・・・(笑)。

魚に、自然に、仲間に感謝して♪

[タックルデータ]
ロッド :10’0″ キャスティング用ロッド
リール :ステラ SW8000HG
ライン :アバニ キャスティングPE マックスパワー 4号
リーダー:ショックリーダー フロロカーボン 80LB.
ルアー :仁工房 サトペン 180F
フック :トリプルフック #2/0
神経絞めワイヤー:パープルイズム 漢〆ワイヤー 1.5mm

過去のフィールドレポート記事中で掲載している製品は、
廃盤品として現在取り扱いを終了している場合がございますので予めご了承ください。